2016.1.27 07:05/ Jun
リフレクション(reflection)は、1980年代から現在にかけて、人材開発の言説空間のなかで、最も用いられた言葉のひとつでしょう。
不確実性が高まる市場環境
先の見通しがなかなかきかない状況
高度な専門性が必要とされる難易度の高い仕事
そうした状況下では、「どのように課題解決をするか」ということに加えて、むしろ「何をそもそも課題として定式化するのか」が問われるようになります。「課題解決のやり方」も大切なのだけれども、そもそも「課題解決の対象」をじっくり考えることが重要になってきます。
リフレクションとは、過去の課題解決のあり方を振り返り(Look back)、現在の状況を見定め(Analyze)、未来を構想する(Envision)する知的活動です。
ワンセンテンスでいえば、
メタにあがれ!
日常、様々な現象がおきているシャバワールドの視点(現象レベルの生活)を抜けだし、メタ(上位にある俯瞰的な視点)から物事を見つめ直すのが、リフレクションです。
皆さんは、リフレクティブな時間をとれていますか?
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ところで、リフレクションには、しかるべき場所で、かつ、ゆっくりと時間をかけることが重要だと言われています。
僕が監修をしている新管理職プログラム育成プログラム「マネジメントディスカバリー」では、日常から隔絶された!?海の見える葉山の宿泊施設で、管理職の方々に、リフレクションを行っていただきます。
マネジメントディスカバリー
https://jpc-management.jp/md/index.html
また、僕自身にも、さすがに「海」ではないのですけれども、自分自身のリフレクションのとっておきの場所というのがあります。どこだと思いますか?
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それは「美術館」です。
美術館は一般には「絵を見るところ」だと思われていますし、そのとおりだと思うのですが、僕にとっては、リフレクションの場所でもあります。
僕の場合は、会場をうろうろしてだいたい2度くらいは、同じ作品を見て回ります。1回目は、ふつーに作品をみます。
でも、後半の2回目あたりは作品そのものというよりも、自分の仕事のことを考えていることの方が多いように思います。作品にインスピレーションを得て、自分の仕事のことを考えているのです。
美術作品というものは、すべてではないにせよ、何らかの「過去の表現のあり方」に対する「挑戦」を含んでいます。そんな作家の「挑戦」を目の前にして、自分は何に「挑むのか」を考えるのが、結構好きです。
嗚呼、この作家は、この表現で、既存の何に挑戦状をたたきつけたのかな?
このアーティストのこの表現を、既存の体制派は、どのように受け取ったのかな?
ちょっとマニアックな視点かもしれませんが、だいたいそんなことを考えつつ、時に自分の仕事のあり方を重ね合わせながら、ゆっくりと美術館を歩いていることが多いような気がします。
ちなみに、どーんと重厚で深いリフレクションをしたいときには、おすすめの美術館があります。DIC川村記念美術館です。
DIC川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/index.html
DIC川村記念美術館には、通称「ロスコ・ルーム」とよばれるお部屋があります。抽象画家のマーク・ロスコの壁画が壁一面にかざってある部屋なのですが、薄暗いその部屋の重厚さ、そして思わず、壁に引き込まれるような雰囲気は、おすすめです。
ロスコルームで、30分ほど、あーでもない、こーでもない、と考え、その後は、おてんとさまの下で、素晴らしい庭園を1時間ほど、また散策してみて下さい。そのコントラストが最高です。
こうした環境だと、素晴らしい?リフレクションができるんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか?
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今日はリフレクションの場所と機会について、自分の考えを書きました。
リフレクションと申し上げますと、一般には、どこか「ぬるくて、かったるくて、ふわふわしたもの」のように思われますし、また、「このクソ忙しいのに、じっくり、とゆっくりと考えてられるか!」とおっしゃる方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、
早く、力強く、「正しい方向」に動くためにこそ
敢えて、じっくり考える
のだと思います。
早く、力強く、「あさって」に動いても
成果は出ないのではないでしょうか?
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ところで、あなた自身の「マイリフレクションスペース」はどこですか?
そして人生はつづく
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