2015.9.10 06:32/ Jun
マニアックな業界ながら「人材開発の世界」には、日々、様々な「変化」が押し寄せています。そのひとつが「終わらない研修」というやつでしょう。この場合の「終わらない」とは明らかに比喩です。
要するに言いたいことは、
「研修で学んだことが実践され、成果をあげるために」必要なことは、「研修や教材のクオリティ」もあるけれど、「研修終了後のフォローアップ」にある
研修とは「学んだことが実践され、成果をあげるプロセス」である。研修とは「授業をすること」でもなければ、「グループワークをさせること」でもない。
研修を終えて、参加者が研修室のドアを出たときが、「研修の終わり」ではない。むしろ、研修室のドアを出たときが「はじまり」である。だとするならば、研修が終わっても、研修は終わらない(禅問答的ですね)。だから、研修は時間が過ぎても終わらない。
本当に「研修が終わる」のは、研修で学んだことが、実践され、成果をだし、習慣化したときである
ということですね。
ま、「研修のエンドレス化」といってもいいかもね。終わるんだけど、終わらない・・・そう、成果が出るまでは!
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そのような認識にたてば、「研修中のファシリテーションやら教材の作り方やら教授デザインやら」もむろん大切なのですが、「研修の終え方」というのは、非常に大きな研究課題になります。
研修をどのように「終えるか」
研修後、どのようにリマインドするか?
研修後、参加者にどのようにコーチングを施すか?
実際、こうした研究が増えています。
研修中の「内容」もさることながら、研修後に、いかに「手離れ悪く?参加者とつきあうか」が、研修転移(研修で学んだことの実行)に与える影響は非常に大きいことがわかっているからですね。一方で、「参加者とどこまでつきあうのか?」という難しい課題に、研修実施をなさる方は直面します。言うのは簡単だけど、本当に大変。
うーん。
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たとえば、先だって関根雅泰さん(中原研究室OB・ラーンウェル代表)にご紹介いただいた書籍には、こんなことが書いてあります(いつもありがとうございます)。
ある研修では、群間比較による学習効果の検証を行った。研修終了後、参加者達がつくったアクションプランをもとに、「30分×3回の電話コーチングを実施した群」と「電話コーチングを行わず、研修をやりっぱなしにした群」をつくった。
その結果、研修前後の数字を比較すると、「営業数字の伸び率(研修前後5カ月間を比較)」が、電話コーチングあり群では43.8%、電子コーチングなし群では16.2%になった。
(Weber 2014)
まことに興味深いですね。
「研修」に時間をかけるのではなく、研修後に時間をかけろ!
著者らが言いたいことはそういうことです。
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自戒をこめて申し上げますが、
この世には「誰も実行しないアクションプラン」が充ち満ちています。
研修を終えるときに、なかば儀式のようにつくられる「アクションプラン」。しかし、悲しいかな、その中には「実行されない」ものも少なくありません。
問題は、現場にかえり、さまざまな課題と向き合った学習者と、どの程度まで「寄り添い」、成果をだすまで伴走するか、ということです。
「アクションプランを創らせること」が研修ではなく、「アクションプランを実行させるまで寄り添うこと」が研修の仕事という認識が広まっていくのだとしたら、関係各所で、さまざまな見なおしが必要になってくるものと思います。「役割」の見なおしなのか、分担の見なおしなのか、仕事の再定義なのか。それはそれぞれの会社で違うでしょう。
あなたの研修、いつ「終わりますか?」
そして人生はつづく
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