2014.12.15 07:36/ Jun
先だっての金曜日・土曜日は、研究室の田中さん(M1)や研究室OBの関根さん、舘野さん(立教大学)の皆さんが「Unlearning(アンラーニング)に関する研究会」を開いてくださり、そちらに参加させて頂きました。
先週末から体調が悪く、途中退席などをふくむ参加になりましたが、主催いただいたお三方、そしてご参加いただいた皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
(体調不良は、土曜日が最低最悪でしたが、何とか今は快復しつつあります)
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Unlearning(アンラーニング)とは、ワンワードで述べるならば
「ルーティン化された行動・慣習、そして信念に関する変化」
を扱った学習です。
上記がややこしいのであれば、こんな定義はどうでしょう?
「染み付いちゃったものを、痛みをともないながら、変えること」
(アンラーニングには、不安や葛藤がつきまといます。もはや「あたりまえ」になっているものを変えるのだから、それはあたりまえです。だから、アンラーニング研究にとっては、感情をいかに扱うかということが大きなテーマになると思われます)
Unlearningは、主に、組織論において「組織レベルの変化」を扱うものとして、用いられる概念です
皆さんの組織にも、いろいろ、長いあいだに「染み付いちゃって、こびりついちゃっているもの」あるでしょう?そうしたものを変えるのが「アンラーニング」です。
要するに、
「組織の中で、誰もがあたりまえだのクラッカー的に行っている行動や、組織のメンバーなら誰もが信じているような信念をいかに変化させるか」
ということですね。
しかし、よく知られているように、組織レベルのUnlearning研究でもっともよく指摘されるのは
「Unlearningなはずなのに、Learningではありません」
組織レベルで「Unlearning」することは、すぐに予想がつくようにまことに難しい。だから、組織レベルのアンラーニングが求められる場合、まず試みられるのは「個人が変化すること=Learning 」ではなく、「個人を取っ替えること(replace)」です。ドライですねー。さすがは、アメリカ!
要するに、「ルーティンや信念をもった集団、個人をまるごととっかえる」のが「Unlearning」ということになりますね。
しかし、すぐに予想がつくように、これは、労働市場において「人を取っ替えることが容易な社会」においての先行研究です。
我が国の場合、程度の差こそはあれ ー また少しずつ米国型に近づいているとはいえ ー なかなか、そうはいきません。
内部労働市場が伝統的に発達してきたこの国では(M&Aなどを別にして)、どうしても、個人レベル、ないしは集団レベルで「染み付いたものを、痛みをともないながら、変えること」が必要になります。
しかし、理想的にはそうなんだろうけど、「染み付いたものを、痛みをともないながら、変えること」は、やる側も、やられる側も、やっぱり「しんどい」。
だから、「見なかったこと」にするとか、「いなくなるまで待つ」とか、「ぐずぐずしがみつく」とか、そういう方策がとられることも少なくなかった。つまり「Unlearning」はいっこうにすすまない。経営環境が厳しくないのであれば、それでも、なんとかやり過ごせるのですが、しかし、そうもいってはいられない事態が、すぐそこに来ている。
そして、おそらく、今後10年は、こうした事態が増えてくるであろう。僕は、研究会に臨むにあたり、そんなことを考えていました。
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研究会では、冒頭、僕の方から
「適応と獲得の組織論」から「異化と棄却の組織論」
と題して、この研究領域、関連領域の研究内容と、この研究が注目される社会的理由をレビューさせていただきました。
上記の整理は、あまり時間がなかったので雑な整理になりましたが、ふだん、頭の中でつらつらと考えていることを「外化」できたことは、よかったなと思っています。
研究会では様々な文献を読みましたが、今後の研究課題としては、アンラーニングとは何かを、もう一度ディテールにこだわって考える必要を感じました。それは「既存知識を完全にゼロにして、新たな物事を獲得すること」なのか、また「既存知識の一部をかっこにいれて、新たな物事を獲得すること」なのか、そのあたりの認知的説明をより詳細につめていくことが必要だなと感じました。
それにしても、文献は、読めばよむほど、知りたいことがふえますね。またまた新しい研究概念について、知りたくなってしまいました。
研究が進むとは、わからないことが増えることでもあります。
わかることが1増える反面、わからないことが10増える。
いつになったら、僕の旅は終わるのでしょうか。
そして人生は続く
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Last Friday and Saturday, I participated in a research meeting, which was organized by Tanaka-san (my supervised student), Sekine-san and Tateno-san(alumni of my lab.), in which we reviewed the previous papers of organizational studies, and discussed them. Our discussion theme was “Unlearning”.
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In one sentence, “Unlearning” is to remove the routine behavior and false belief. In other words, Unlearning is for someone to change their habitual behavior and deeply ingrained belief, which can be a painful experience.
Do you have any undesirable and ingrained behavior? Unlearning is to put it out of your mind.
Previous organizational research shows that unlearning is very important organizational behavior especially when we are faced with changing external circumstances. At such times, employees should alter their thinking and behavior. However it is very hard to break such behavior and beliefs once acquired.
However, in practice, when executives intend to unlearn someone’s behavior, we don’t tell someone to change it. What they tend to do at first is to replace the people with undesirable behavior. How dry! In short, in many cases, unlearning means we replace the people with routine behavior and stiff belief.
But, as you can imagine, this “replacement solution” can be applied more easily in specific countries where it is easier to replace(fire) the unnecessary people. The concept of unlearning has been considered to be the “replacement solution” so far.
In contrast to that, in our country, it is not easy to fire people. So, we have to persuade people to make an effort to change undesirable behavior. Key factors of success are whether people are willing to learn something and change their behavior or not.
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As I mentioned before, the concept of unlearning has been developed as the “replacement solution”. We should develop this concept which is suitable to our cultural context and labor market.
Life goes on…
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追伸.
読み聞かせ無限地獄(笑)
鉄板ネタ「だるまさん」です・・・びろーーーーーん。
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