2013.11.29 09:26/ Jun
OJTなどに代表されるように「仕事の中から学ぶ」とは、「仕事のなかで生じる困難を、試行錯誤しながら、解決しつつ、学ぶこと」とほぼ同義です。
そして、この「試行錯誤」という言葉を聞く度に、僕は、いつも頭の中に、下記のような「遠近法つきの高速道路」のイメージを思い浮かべてしまいます。
3分間で思いついたようなしょーもない絵ですが、なかなか目に見えにくい「育成のイメージ」を他者と共有することもできるかな、と思って、皆さんにお裾分けします。
ちなみに、全く理論的ではないのですが、かっこつけて「高速道路理論」とよぶことにしましょう。真に受けないでください。
「高速道路理論」においてメタファとされているのは、4つの要素です。
「車」が「試行錯誤している人」
「車の進行・進み方」が「仕事の進行」
「高速道路の幅」が「試行錯誤の幅」
「道路が行き着く先」が「ゴールの幅」
です。
で、こんな3つの絵を描いてみました。「仕事の中で学ぶこと」の3つのイメージです。
たとえば、1は「二車線幅広めの高速道路」を車(部下)で走っています。
道は比較的広いので、すこし蛇行して進んでも、すなわち、ちょっとくらい試行錯誤しても、OKです。
一番奥はゴールの幅ですが、まぁ、これも広い。つまり、まぁ、人によって、ゴールには幅があっていいということになります。「試行錯誤可能で、多様なゴールがあっていい経験学習」をこちらは表現しています。
2は二車線ではありますが、道幅が狭い、「これ、採算とれるんですか?的な田舎の高速道路」です。ここでは、試行錯誤はできず、まっすぐに進むしかありません。ゴールの幅も狭いので、みんな同じようなゴール=目標に到達することになります。こちらが表現しているのは「試行錯誤というよりは、作業を積み重ねて同じゴールに到達するような経験学習」でしょうか。
3は遠近法ががっつりきいている4車線道路です。アメリカの高速道路みたいだね。道幅は広いので、蛇行することも可能です。つまり、試行錯誤はがんがんできる、パラリラ、パラリラ。ただし、ゴールは狭いので、試行錯誤をしても、皆が到達するべき目標は同じようなところです。こちらが表現しているのは、「振れ幅が最大の経験学習」です。振れ幅が大きいということは、蛇行しますので、事故の可能性も高まりますね。
さて、以上、「仕事の中で学ばせること」というと非常に抽象的で、何だかわかったようなわからないような感じになりがちですが、このように「道路」に喩えてみると、ほんのちょっとは、わかりやすくなるのかな、と思いました。
特に「育成のイメージ」というのは、共有しにくいものです。たとえば、新任マネジャーが、どのくらいの仕事を任せてよいかわからないというとき、こういう絵を描いてもらって、どんなイメージで育成を考えておられるのか、「外化」してもらってはいかがでしょうか。
新任マネジャーが3を理想だと思っていても、実際は、2を実践していたりすることは、多いものです。それは、「育成というもののイメージ」がつかみくいからです。つまり、思っていることと実践がズレるパターンですね。
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今日は、ちょっと朝に思いついた3分間小ネタでした。でも、3分間小ネタでしたが、よくよく考えてみると、ひとつ大切なことを表現してもいますね。それはいずれの場合でも「道路の両側はある」ということですよね。育成とは「道路」がある。道路なき大草原、道なき道を爆走するみたいのは、「冒険」ですね。
面白いね。
そして人生は続く
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追伸.
今、池袋駅のホームのベンチで、このブログを書いています。知り合いのNさんに、突然声をかけられました。あーびっくりした。お久しぶりです。こんなところで、ブログ書いてるんです、ふふふ。
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