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2013.11.15 06:20/ Jun

アクティブラーニングはアクティブラーニングの中で学ぶ!? : 複雑怪奇な入れ子deラーニング!?

 今年から東大では「近い将来、教壇にたつ大学院生に”教えることを教える”ための全学教育プログラム」東京大学フューチャーファカルティプログラムを開講しています。

東京大学フューチャーファカルティプログラム

http://www.todaifd.com/ffp/
 このプログラムはミニワークショップ×2つと大学院共通科目「大学教育開発論」を計3つすべて受講すると、大学から公式の履修証が授与されるプログラムで、同僚の栗田佳代子さん、藤本夕衣さんらが中心になって運営されています。授業は後期も、大学院生で満員御礼。まことにうれしいことです。
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 このプログラムで僕は主に裏方で、授業にはほんの1部だけ登壇させていただいておりますが、短い時間ですが、自ら授業で「インタラクティブに教えるやり方」を紹介しながら、つくづく思うことがありま)。
  ▼
 それは、
 アクティブラーニングの教え方は、アクティブラーニングを実践している授業の中でしか、教えられない
 ということです。
 すなわち、
 教員が、アクティブラーニングのやり方を学びたい学生を相手に、自らアクティブラーニングの形式で授業を実施する。
 学生は、そうした双方向の授業に参加し、アクティブラーニングを自ら体験し、教員の実践のスタイルを観察することで、アクティブラーニングを実践することを学ぶ
 ということです。
 これは先ほどのセンテンス中の「アクティブラーニング」というワードを「ワークショップ」や「ファシリテーション」に変えてもいいかもしれません。
 単刀直入にいうならば、
 ワークショップのやり方は、ワークショップの中で学ぶ
 ファシリテーションのやり方は、ファシリテーションの中で学ぶ
 ということです。ま、根拠レスだけど、たぶん、そうじゃないかな、と思う(笑)。
 この「入れ子構造の中の学び」、いわゆるひとつの?「入れ子ラーニング」は、言葉にすると、めちゃくちゃややこしいのだけれども、実際、やってみて、そう思うんだから、しょうがありません。
 ▼
「インタラクティブな学びをいかにつくるか?」は、インタラクティブなティーチングの中でしか、学べないという命題が、もし仮に真だとしたならば、いくつか留意するべきことがあります。
 ひとつは、教える側は「腹をくくる覚悟」が必要だ、ということです。そして、教える側の専門性向上(教授力向上)が何よりも問われるということです。僕はFDは専門ではないし、FD業界!?のことは、よく知らないけど、そうじゃないんでしょうか。いわゆるひとつの「FD批評 / 古今東西FD事情紹介」をするのならともかく「実践としてFDをなす」ならば、FDを提供した相手に発するメッセージには再帰性があるような気がします。
 だって、あーた、そうでしょうよ(笑)。「インタラクティブな授業のやり方」を教えることは、自らの実践と自らの実践の様子を「モデリング」されることでしか学べないのなら、常に、授業内で教員が学生に対して発するメッセージの宛先は、ブーメランのように「教員側にも」かえってくるからです。
 
 あんたは、インタラクティブな授業をせよ、という。
 そういう、あんたの授業は、どうなんだ?
 あんたの授業は、学習効果は高いのか?
 学生のモティベーションはあがるのか?
 そういうあんたは、どうなんだ?
 ふたつめは、教員が意識するにせよ、しないにせよ、教え方は世代継承されるということです。
 つまり、アクティブラーニングの授業で育った世代は、自らが教員となったとき、それを再生産する可能性が高くなる。一方、10年前につくった講義ノートを詩吟するような授業で育った世代は、自らが教壇にたったとき、その授業を、悪気なしで、再生産する可能性が高くなる。
 つまり、
 授業のやり方は、授業を通して学ばれている
 ということであり、
 授業のやり方は、授業を通して再生産される
 ということです。
 この場合の問題は、教員を取り巻く外部環境や社会的要請は、前の世代と今の世代では、微妙に異なっていることです。
 再生産された学習の手法が、外部環境や社会的要請とマッチしているのなら、1ミリも問題はありません。しかし、そうでないのだとすると、結局、いつか行き詰まるのは、将来の世代である、ということです。
 ▼
 今日は授業をインタラクティブにすることをいかに伝えるか、という話をしました。
 もちろん、こういうからといって、すべての授業が、インタラクティブでなくてもいいし、アクティブでなくてもいいし、そんな「前のめり」である必要は1ミリもありません。僕は、いつも学生に言っているのは、「学習者が自分の頭で考えさせる」ができれば、一斉講義でも全く問題なし、ということです。
 学問分野や、大学生の状況にあわせて、手法などは柔軟に選択されればよいのだと思います。
 東京大学フューチャーファカルティプログラムで行っていることは、おそらく、そのための「お道具箱」を、大学院生にお渡しすることでしょう。ぜひ、この「お道具箱」のお道具を柔軟に使いながら、それぞれの学問分野で、素敵な授業をつくっていってほしいものです。
【いいね!希望です!御願いします!】東京大学フューチャーファカルティプログラム on Facebook(こちらで授業の様子を見ることができます)
https://www.facebook.com/TodaiFFP
 そして人生は続く。

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