2013.11.14 07:46/ Jun
僕自身も、様々な研修やワークショップを、人並み以上に、たくさん企画していますので、今日の話題は、「自爆炸裂、ちゅどーん!的物言い」になりますが、最近、とみに思うことがあります。
研修開発入門という本を書いているせいか、最近、こうした話題が多くなっていますが、どうかお許しを(泣)。僕も頭が2個も3個もあるわけではありません。貯めてしまっている別の原稿を脇目にしながら、何とかかんとか、この本を書き切らなくてはならないのです(泣)
今日の話は、ワンセンテンスで申しますと、それは組織における「研修のクオリティ」と「デリバー」と「貢献価値」の関係です。
もうそろそろTAKUZOが起きてくるので、結論を急ぎますと(泣)、「組織における、研修とは、人に届いて、はじめて貢献価値が生まれるよね」ということです。
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一般に、研修などを企画しておりますと、たとえば一生懸命考えて練りに練ってつくったプログラムに対して、人が思ったように集まらない、という「残念な事態」が生じます。
要するに「コンテンツのクオリティとしては申し分ないんだけど、人っこ一人、誰も来ないよね」という事態です。「インストラクションデザインの理論どおり、教材設計したんだけど、でも、ちょっとスカスカだね」みたいな事態です。そういう「悲しい現実」が、たまにある。
もちろん企画によっては、人も寄りつけないような「高尚」なものもあるかもしれないし、人が集まることに、それほど意味のないものもあるかもしれません。また、そもそも人を集めることが目的ではないものもあるかもしれません。
また、全くイノベィティブなコンテンツの場合には、普及には、一定の時間はかかります。この場合には、中長期的視野にたって、事態を見詰めなければなりません。
だから、ここで、十把一絡げに「人が集まること」をよしとすることは、どだい「無理なこと」かもしれません。しかし、ここでは、それを仮に認めたうえで、話を先に進めます。
ここで問題になるのは、そういう事態が生じた場合に、企画者側が、どのように意味づけをするかなのです。ごく希に、「コンテンツはいいんだけど、興味をもつ人がいない」のは、「興味をもたない人が悪い」のだ、と意味づける場合があるようです。別の言葉でいうならば、「コンテンツのクオリティが高ければ、人が集まろうが、集まらなかろうが、別に気にしない」という態度です。
しかし、そもそも、組織の人材育成(研修を含む)の目的とは、「他者の学習を組織化することで、組織の戦略・目標達成に資すること」です。もし仮に、この定義を認めて、しまうのだとしたら、学習はいわば「戦略・目標達成のための手段」です。ここが「組織において」コンテンツを開発することと、自発的にコンテンツを開発することの明確な差です。
コンテンツや学習としてのクオリティは申し分なかったのだけれども、それが「人に届かない事態」は、その先にある「戦略・目標達成」もままならないのですから、そもそも「人材育成」の位置づけの観点からすれば「大きな痛手」です。
もう少し踏み込んで言うと、「コンテンツとしては申し分なかったんだけど、人が集まらなかった」という風に意味づけるのではなく、「コンテンツの企画としてはダメだったんだ」と考えるべきだと思います。なぜなら、人が集まっておらず、そもそも「戦略・目標達成への貢献価値がゼロ」なのであるから。
ちなみに、この状況は、商品開発に喩えるとこういうことです。
「めちゃくちゃ高機能な商品つくったんだけどな。でも、誰も買わなかったね。でも、高機能な製品できたんだから、いいじゃん、何が悪いの?」
皆さんが経営者だったら、こういう開き直りに、どう答えますか?
「誰も買ってないんだよ」ということは「売り上げゼロ」です。
こういうことをいうと、「中原は、学習を商品に喩えるなんて、あいつは、本当にケシカラン」とか、心ある人々に、便所スリッパで頭ひっぱたかれそうだけど(笑)。喩えです、喩え!真に受けないでください。
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そう考えますと、研修を開発するという物事の中には「人を集めること」の企画も、含まれるべきである、ということになります。
「人を集める」といいますと、一般には「軽薄短小、枝葉の問題」と考えられがちですが、それはそうではありません。そもそも、コンテンツ開発をするときには、「人を集めるための戦略立案」も必要なのです。
開発したコンテンツをいかに魅力的に見せるのか、適切な人に来てもらえるのか。自戒をこめていいますが、貢献価値を生み出すのは、なかなか難しく、悩みはつきません。
そして人生は続く。
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追伸.
いわゆる「オン・ザ・マユゲ of TAKUZO」です。自宅の風呂で切ったら、こうなりました。僕が切ったわけではありません。南無。
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