NAKAHARA-LAB.net

2013.6.18 18:14/ Jun

6/21(金)UST配信決定!「研究 – 実践の関係2.0!?:僕ら(研究者)は、何を生み出したいか? 実務家の方々とどんな関係を築きたいのか?」

 今週の金曜日、(6/21) 午後7時 – 9時くらいまで、久しぶりにUSTすることになりました。実は、かなり前からそんな企画があったのですが、本日、打ち合わせを終え、正式にリリースということです。
 今回の話題は「実践現場・実践領域の存在する研究」の「王道」テーマです。ていうか、「鉄板テーマ」といってもいいかもしれない(笑)。
 今回のUSTでは、
「研究 – 実践の関係2.0!?:僕ら(研究者)は、何を生み出したいか? 実務家の方々とどんな関係を築きたいのか?」
 と題して、手に汗握る?トークをお送りいたします。
「そのものズバリ」の「直球テーマ」で、すみません(笑)。いやー、変化球苦手なもんで。
 でも、「大学とは何か?」「研究とは何か?」が揺れようとしている昨今だからこそ、このテーマで、お話がしたいのです。
  ▼
 今回のUSTには、横浜国立大学で経営学(組織マネジメント)を教えていらっしゃる服部泰宏先生、現在、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員をつとめていらっしゃる中原研OBの舘野泰一さん、そして不肖・中原が、登場致します。
 企画者のひとりとして申し上げるのは、手前味噌アワー甚だしいのですが、今回のUSTは「見所」があります。
 服部さんも、舘野さんも、30代前半ということで、僕よりも、少し?(かなり?)年齢が若い、新進気鋭のガチ研究者です。ゼロ年代ならぬ、ポストゼロ年代。これからの若手研究者である、彼らが語る「研究 – 実践の関係2.0」というのは、興味深いところです。
 最近、様々なところで、「オヤヂ化」が進んでいる小生が、この二人にまじりあいながら、いろんな歴史を懐かしみつつ(笑)、時にチャチャいれしつつ、「研究と実践の関係」をトークいたします。
 ごめんなさい、どう考えても、僕、邪魔ですか(笑)?
 また、もうひとつの「見所」は、今回のトークが、実証研究に基づいているということです。
 この手の話題は、主に、「規範論的な立場」から語られる(要するに説教臭い)ことが多いのですが、今回のUSTでは、実証研究の知見に基づきながら、お話をする、というのも特徴的なところかもしれません。
 番組の中では、先日の組織学会で服部さんがご発表なさった研究知見に関するプレゼンテーションなどを、ご紹介させていただきます。服部さんが明らかにしたのは、学問の知識は誰によって、どのようなメディアを用いて消費されているのか。かつ、そこでおこる学びは、どのような特徴を持つか、ということです。
「実践的研究」や「研究に裏打ちされた実践」を志したい方には、興味深く、おきき頂けるのではないか、と思っています。
  ▼
 ところで企画者のひとりとしての「本音」をお話しすれば、この手の話で、「よくある光景」を繰り返したくありません。それは「自分が不在の”べき論”の応酬」です。
「ほにゃらら学は・・・・かくかくしかじかで・・・あるべきだ」
「研究者は・・・そもそも・・・あるべきだ」
 口角泡を飛び散らせながら、熱烈な議論を繰り広げるそんな光景を、私たちは、これまで、何度、目にしてきたことでしょうか。「・・・学は、・・・・の視点からすれば、・・・・であるべき」という規範論的議論、しかし、そうでいて、「みんな違って、みんないい」的な相対主義的議論(セクショナリズム)を、何度、耳にしてきたことでしょうか。
 そこには、一つ、足りないものが、あるのです。
 それは「わたし」です。
 意図的かどうかはわかりませんけれど、その手の議論に不足しがちなのは、「自分の存在であり、振る舞いであり、まなざし」です。
「ほにゃらら学は・・・べきだ」は語られるけど、「自分は・・・したいのか?」は語られることは少ない。
「研究者は・・・あるべきだ」は語られることは多いけど、「研究者である自分は・・・したいのか?」は語られることが少ない。だからこそ、「いつか、どこかの善意にあふれた誰かが解決してくれるかのように問題設定を行い、理想論が語られ、現実が省みられなくなる」傾向があるように感じるのは、僕だけでしょうか。
 かくして、わたしたちは、「わたしたちが・・・をしたいのか?」という「主語」のあるトークをしたいと思います。言いよどむこともあるかもしれませんし、言葉に詰まることもあるかもしれません。たぶん、こんがらかって、ワヤになるかもしれません。
 というわけで、今回の番組のテーマは、
「研究 – 実践の関係2.0!?:僕ら(研究者)は、何を生み出したいか? 実務家の方々とどんな関係を築きたいのか?」
 にしました。
 番組内で取り上げられるキーワードは
 「研究知見、産出、実践、実務、実務家、普及理論、ディフュージョン、開発モデル、理論、メディア、解釈モデル、デザイン研究、介入研究」
 などになるでしょうか。
 相当ニッチな放送になると思いますし、話題は全く万人受けはしないと思います。でも、それでも、もしご興味があうようでしたら、ぜひおたのしみいただければ幸いです。
UST配信はこちらから!
http://www.ustream.tv/channel/nakaharalab

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