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2013.5.14 08:17/ Jun

キャリア教育とは言わないキャリア教育、越境学習とは言わない越境学習:電子書籍「東大発2013」無償公開はじまりました!

 中原と重田先生(元・同僚、今年4月より北海道大学准教授にご栄転)で開講した授業「メディア創造ワークショップ」の成果物が、今年もiTunesUで公開されました。
 EPUBに対応したiPhone、 iPad等の携帯電話、電子端末で閲覧することができますので、もしよろしければ、ぜひご覧下さい。
toudaihatsu2013.png
「東大発2013」ダウンロードサイト
https://itunes.apple.com/jp/course/dong-da-fa2013/id647770046
 この授業では、「働く×社会」というテーマに基づいて、学生がグループで議論して取材対象と自らの主張を考え、実際に学外へインタビューに出向き、多様な働き手から話を伺い、それらをインタビュー映像とテキストにまとめる活動に従事します。
 授業では、ダイヤモンド社で記者をなさっている間杉さん、映像作家の大房さんにもご出講いただき、インタビューの技術、撮影のノウハウを学びました。ありがとうございました。本件につきましては、学生から別途御連絡差し上げる予定です。
 今年は、社会で活躍なさっている5名の方々
 近藤大介さん(講談社・中国ビジネスを統括)
 鈴木菜央さん(greenz.jp編集長)
 小山登美夫さん(現代アート・ギャラリスト)
 西田一平さん(世界銀行)
 伊東豊雄さん(建築家)
 に学生がお話を伺いに行きました。お忙しいところ、貴重なお時間をいただき、また原稿のチェックまでいただき、本当にありがとうございました。この場を借りて、御礼申し上げます。
 個人的には、この授業は
 「キャリア教育とはいわないキャリア教育」
 「情報教育とは言わない情報教育」
 「越境学習とはいわない越境学習」
 だと思っています。
 社会の第一線で働いている方のお話を、導管モデルで「聞く」のではなく、「聞きつつ、自ら考え、編集し、発信する」。
「情報メディアの操作」を学ぶのではなく、メディアを自らがつくりながら、そのエコシステムを、学ぶ。
 大学の外には、様々な大人がいて、活躍し、奮闘していることを知り、越境する心構えをつくる。
 この授業は、今年で3年目ですが、そういう「混成体」でありたいと考えてきました。対象は大学に入ったばかりの学部1年生、2年生です。なるべく早いうちに、上記のような
「現場を歩き、人の話を聴く経験」
「コンテンツを消費する側から、つくる側にまわる経験」
 そして
「将来のことを考える経験」
 を持って欲しい、と願っていました。それが成功したかどうかは、また慎重に考えてみたいと思います。
 今回の作品は、わずか2単位15回(初回はオリエン・セレクションなので、正味14回:1回は90分)の授業時間でつくったものであり、また学生のつくるものですから、拙いところも多々あるかと存じますが、どうぞご覧頂けますと幸いです。
 去年の作品「東大発2012」は1万部のダウンロードがあったそうです。今年も多くの方々にお読み頂けたとしたら、まことにうれしいことです。
「東大発2012」ダウンロードサイト
https://itunes.apple.com/jp/course/dong-da-fa2012/id518239744
 iPhone、iPadをお持ちでない方は、PDF版がございます。PDF版は、下記からダウンロードいただけますと幸いです。Amazon Kindle版も順次公開の予定です。
「東大発2013」PDF版
http://www.he.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2013/05/fromtodai2013.pdf

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