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2013.4.25 06:45/ Jun

「世界観」を見て「音楽」を買う

 今日は全くのプライベートな話。ここ最近、僕の音楽の購入スタイルが変わったな、というお話です。
 ひと言でいうと、1)大手のレーベルではないアーティストの、2)ネット上にアップロードされた手作り感あふれるPVの世界観をみて、3)音楽を買うようになった、ということです。
 別の言い方をすれば、たとえアーティスト自身がまだマイナーであっても、PVの表現する「音楽と世界観」が気に入ったのなら、音楽を購入するようになりました。ま、僕だけかもしれませんが(笑)。僕は、全く音楽業界には専門性はないけれど、今日は、ど素人目線でお話します。そういうのも、いいじゃん。
 というか、ここは面白いもので、おそらく音楽だけがネットにあっただけでは、「購入(ポチ)」には至らないのだと思うのです。やっぱり、全くマスメディアに流れない音楽を、聴いただけで、お金を出して買うのは、心理的障壁が高いものです、少なくとも僕は。
 しかし、そんなとき、PVにおいて表現されている「世界観」に興味をもつのなら、ついつい、ポチっとやってしまうのです・・・少なくとも僕にとっては、ネットで音楽を買うのに、動画は、かなり重要。面白いですね、「聴くための音楽」買うのに、「動画を見ること」を判断基準にするとは。
 たとえば、先日、見つけたのはこちら。UQiYOさんの「At the Starcamp」です。


 音楽もさることながら、PV冒頭のはじまりと、屋上の開放さが気持ちよいPVですね。
 こちらはちょっと雰囲気がかわります。SYZAさんの「蝶々」です。曲もさることながら、一眼カメラでビデオ動画撮影したかのような、物憂げな女性のイメージ映像に、なぜか心弾かれて、ついついポチりとな(笑)。

 ちなみに、こちらは、ネットで話題になっていた「augment5の日本紹介映像がかっこよい」という話から、いろいろたぐっているうちに、見つけたものです。augment5の日本紹介映像は、下記です。こちらもかっこいい。バックグラウンドに流れる音楽も、心弾かれます。

Kusatsu Oct 26 , 2011 from augment5 Inc. on Vimeo.

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 今日の話は「動画による世界観で音楽を買う」という話でした。そんなもの、MTVの流行以降、音楽には動画はつきものだったじゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんけれど、大手レーベルのつくる、つくりこまれた映像が、購買につながったことは、僕自身は、あまりないのです。手作り感があふれるアーティスト自身の世界観が反映された映像が好きですね。
 ネットの上では、メジャーであっても、マイナーであっても、フラットに情報は流れます。よいものはよい。よいものは、ソーシャルメディアを媒介して、あっという間に広がりますので、たとえ、大手の資本でなくても、十分、エンドユーザーにつながる可能性があります。
 その意味では、これから世に出ようとするひとにとっては、可能性は、かつて以上にある。しかし、購入の最後の一押しになるのは、音楽だけではないのかもしれない。やはり、最後の「ポチ」は心理的にかなり悩みますので。その際、動画(PV)で表現されている世界観がいいな、と思うと、まんま、とポチしてしまう。その意味では、ネットの時代には、アーティストは「音楽と音楽に付随する世界観をつくる人」になりつつあるのかもしれません。
 
 もしかすると、こうした「音楽業界で真っ先におこっている地殻変動」は、音楽業界だけに限局されるものではないのかもしれませんね。あなたの業界でも、そう、僕の業界でも、いつか変動が起きるかもしれない。そう考えると、また妄想力ひろがります。愉しくて仕方がありません。
 今日は音楽の話題を「ど素人」目線で考えてみました。
 音楽業界の最新の情報、業界の常識は知らないけれど、ちょっとそこから妄想した次第です。
 そして人生は続く

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