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2013.1.10 07:09/ Jun

看護師の方々の学び、歯医者さんたちの学び

 ここ2週間くらいのうちに、いくつかの医療関係の「学びの現場」を見学させていただく機会に恵まれました。ひとつは看護師育成の現場、ひとつは歯科医師さんたちの学びの現場です。誠にありがたいことです。
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 ひとつめは「看護師育成の現場」です。
「看護師育成の現場見学・訪問」の機会は、月刊「看護」2013年3月臨時増刊号・座談会をきっかけに生まれました。この企画、中原が思いつきで提案した案が、編集者の米丸さんの渾身の努力で実現しました。
月刊「看護」
http://www.jnapc.co.jp/products/detail.php?product_id=3116#
 座談会には、現在、大規模病院で看護部長をなさっている看護師の先生方(猪又克子先生:北里大学病院看護部教育科長・熊谷雅美先生済生会横浜市東部病院副院長兼看護部長)と中原が参加するのですが、猪又先生、熊谷先生には、日本航空(JAL)のCAの方々の人材育成の現場をご覧頂きます(話をつないでいただいた板谷さんには、心より感謝いたします)。
(日本航空さんのCAの方々の研修の様子は、僕も、以前、一度少しだけ見学させていただいたことがあります。そのときは、飛行機を模した施設の中で、ビジネスクラスのお客様にお料理をサーブしている研修場面でした。なかなか興味深いですね)
 一方、ふだん企業を訪問している中原は、スイッチです。
 僕の方は、大規模病院の看護師育成の現場を訪問させていただき、両者の訪問・見学が終わったところで、改めて「看護師の人材育成について語ろう」という趣旨になっています。
 両者の目には、何が映るでしょうか? 共通点、それとも差異点?差異点が「映る」のはある意味でアタリマエなのですが、敢えてつくりだした「異化」のきっかけに対話を行えることが楽しみです。
 僕は、看護業界は全くの門外漢ですが、大学院生の保田さんが看護師育成の研究をなさっています。これを機会にまた学ばせて頂きたいな、と思います。
(保田さんは、現在、看護師の方が、現場でどのように学んでいるかを研究なさっています。これから定量調査(質問紙調査)をはじめさせていただく予定なのですが、もし御協力いただけるよ、という方がいらっしゃいましたら、またご相談させてください。)
 
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 もうひとつの現場は、歯科医師さんたちの「学びの現場」です。
 雑誌「人材教育」に連載している「学びは現場にあり!」の取材で、藤本順平先生という大変ご高名な先生の主宰なさっている歯医者さんたちの自主勉強会(研修会)をご訪問させていただきます。訪問するのは、人材教育の編集者・吉峰女史と、ライター井上、中原の、毎度、全国で珍道中を繰り広げている3人コンビです。
人事専門誌「人材教育」
http://www.jmam.co.jp/productservice/jinzai/index.html
藤本研修会
http://www.fujimoto-dental.com/kensyukai/
 歯医者さんは、そのほとんどが、個人でクリニックを経営なさっています。そして、歯医者さんになった後は、勉強を続けようとする先生は、自ら技術を磨くべく努力しますが、そうでない人もいらっしゃいます。
 歯医者さんは、その多くが個人経営のために、大規模組織(病院)のように人材育成施策などが存在するわけではありません。ということは、学びを強制されること、他者から管理されることは、ほとんどありません。ということは、必然的に、個人の力量の差が、非常に大きくなることが予想されます。
 看護師育成に加えて、こちら歯科業界も、中原は全くの門外漢です。1ミリも知りません。ですので、これを機会に学ばせて頂こうと思っています。
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 この企画は、中原がいつもお世話になっているサウジ歯科クリニック(目黒)の佐氏英介先生のご紹介で実現いたしました。小生、不摂生で奥歯を失い、サウジ先生のもとで、修行?もとい、治療に励んでおるのです。
サウジ歯科
http://www.sauji-dental.com/
 佐氏先生も、また、この藤本先生の病院や、藤本研修会で学び、今は、個人でクリニックを経営なさっている先生です。とても誠実な方で、かつ、学び続ける先生です。
 小生、患者のひとりとして申し上げるのは何なんですけれども、1)高度な最先端の技術をお持ちでいらっしゃる、2)患者の身になって治療・手法選択をしてくださる(保険医療をもちろん含む)、3)朝早く場合によっては、7時30分から治療を行ってくださる、4)ひとりにつき30分から1時間も、まとまった時間をとって治療を行ってくれることなどから、すっかりサウジ先生のファンになり、なぜか歯医者さんにいくのが「愉しみ」?な状況になっています。先生には、この場を借りて感謝いたします。ありがとうございます。
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 このように去年あたりから、看護・医師育成・歯科医療のお問い合わせが増えております。
 僕は企業研究がメインで、現在、医療関係の研究は行っておりませんので、そのほとんどはお断りせざるをえない状況が続いていて、まことに申し訳なく思っておりますが、ご縁があり、せっかくいただいた機会ですので、学ばせていただこうとおもっております。
 嗚呼、現場は愉しいですね。
 見学させていただくたびに、発見があります。
 そして人生は続く・・・

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