NAKAHARA-LAB.net

2012.9.18 09:59/ Jun

「学びと知的刺激のあふれる学会」を求めて

 大学院合宿が終わったと思ったら、今度は学会参加のため、長崎に行っておりました。
 最近、家を空けることが多く、そろそろいい加減にしないと、マズイかもしれません。TAKUZOには忘れられそうです。
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 学会は大変興味深いものでした。
 個人的には、従来のパネルディスカッションのスタイルをあらため、「TEDスタイル」を模して行ったシンポジウム「JSET TALK」が大変興味深かったです。
 自分がそこで発表させていただく機会をいただいたから「興味深い」と言っているわけではありません。そうではなく、今回のシンポジウムが「今までのあり方を問い直し、失敗するかもしれない新たなことに挑戦した場」であったから「興味深い」のです。
「学びのデザインを考える学会」であるからこそ、自らの「学会のあり方」には「自省的」になり、かつ、学びの観点・専門性を活かし、もっとも「革新的な場のデザイン」を行っていく必要があるのだと、僕は思います。
 つまり、学会が問われていると思うのです。
 あなたの学会は
 「学びをデザインをせよ」という
 そういう、あなたたちは、どうなんだ?
 あなたの学会は
 「デザイン」されているのか?
 と。壇上では「学び」が論じられていながら、「参加者が学べていない学会」ほど、説得力のないものはありません。
 企画をなさった東京工業大学の室田先生、はこだて未来大学の美馬先生、金沢大学の山田先生、大阪大学の前迫先生に心から敬意を表します。
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 ちなみに、JSET TALKでは、不肖中原も、発表の末席に加えて頂きました。JSET TALKのテーマは「社会のデザイン、学びのデザイン」でしたので、それにあわせ、僕は「Learningful Organization : 研究のエコシステムをつくり、考える」というテーマでお話しをしました。

 発表では、1) 企業における学習研究をなぜ行うことになったきっかけと、2)どのようにして、ビジネスパーソンの方々と連携・協力し、研究を進めているのか、というストーリーをお話ししました。
 
 今回、こうしたトークは僕にとってはじめての挑戦でしたが、なかなか学ぶべきことは多かったです。
 
 僕にとって、もっともチャレンジングだったことは、「ふだん、Paradigmatic(論理・実証主義的)なモードで会話をしているオーディエンスの方々に対して、このJSET TALKでは、Narrativeモードで語りかけなければならない」ということでしょうか。
 TEDスタイルとは「プレゼン」なのではなく、「ナラティヴ」なのだということを痛感しました。
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 夜は自称・若手の研究者の方々の懇親会に参加しました。100名の若手の方々が集まっていて、こちらも、なかなか「よくデザインされた場」でした。
 幹事団のみなさま、特に代表の池尻君(東京大学)に感謝いたします。ありがとうございました。
 若い人が「元気」でない学会、若い人が「新規参入」してこない学会の運命は明るいものではありません。「元気」な皆さんの様子を見て、未来に希望が持てましたし、自分も「若手」の一人として頑張らねばアカンなぁ、と思いました。
 そして人生は続く。
(ちなみに、ネット時代の学会のあり方を考える上では、僕は、もっと教育機能を高めていくべきだと思っています。そのことは、また別の機会にお話しをします)
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■2012/09/18 Twitter

  • 10:50  【ブログ更新】「学びと知的刺激のあふれる学会」を求めて : http://t.co/S2U7DF7T
  • 09:07  創造性の内的条件として明らかなのは、「創造性は強制できず、生まれるままに任せるしかない」ということである。(カール・ロジャース)
  • 08:45  最近、カミさんとの会話が、LINEの「スタンプ」のやりとりになっていますな(笑)。「一文字くらい、打てよ」って感じだねぇ。
  • 08:38  英語の「寂しさ(Loneliness)」と「孤独(Solitude)」は、「人間が一人であること」の二面性を表現している。前者は「一人であることの痛み」をあらわし、後者は「一人でいることの喜び」を表現する言葉である。(クラーク・ムスターカス)


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■2012/09/16 Twitter

  • 16:28  懐かしいねぇ。僕はこの本に魅了され、苅宿俊文先生の工房をフィールドワークさせていただいていた。学部時代の思い出>RT @slty022 93年「教室にやってきた未来」 #jset28
  • 14:41  今年の学会シンポジウムは、例年とは趣を変え、TED Talk風にやるそうです。中原、これからプレゼンします。プレゼン資料は後日アップロードする予定です。
  • 00:08  最近、大学院生とは、LINEのスタンプで「やりとり」することが多い(笑)。これはコミュニケーションなんだか、そうでないか、さっぱり、わからないが、まぁいい。ただし、酔っぱらったら、指導教員にスタンプを送るという習慣だけは、勘弁して欲しい(笑)。


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■2012/09/15 Twitter

  • 17:19  見館先生のご発表。「ロボットに、大学生のキャリアカウンセリングができるのか?」 http://t.co/YcqquPw0


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■2012/09/14 Twitter

  • 22:36  たぶん、近い将来、ていうか、2日後くらいに、僕は「台風第16号」に直撃される。現在の中心気圧は「900hPa」・・・ガクブル。
  • 22:14  経営学習研究所(Managamenet Learning Laboratory : MALL:モール)は、「一人ひとラボ」をモットーにして、実務家と研究者が、それぞれ「ラボ」を立ち上げ、街で様々なラーニングイベントを開催します。 http://t.co/xj6S4bv9
  • 22:09  経営学習研究所(Managamenet Learning Laboratory : MALL:モール)いよいよ活動が本格化してきています。ただいま平野理事による「まれびと美術館ナイトin 三田の家」が募集中です。 http://t.co/PahevHIq
  • 20:45  9/21のMALLイベントは、@dai_okabe研究室の@panda_oxoさんが、先生のサポートを受けつつ準備してくれています。心より感謝です! RT お疲れさまでした!こちらガシガシ進めておきます。RT 東京とテレカン http://t.co/jRh2O16g
  • 18:55  よもや「飛行機乗り遅れか」と思いましたが、危機一髪で間に合いました。ちびるか、と思った。ただいま、ようやくホテル到着。早速、東京とテレカンです。


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■2012/09/13 Twitter

  • 23:29  パスは確かにお渡ししました、笑。愉しみにしています。RT パスを受けられるように、一歩踏み出します。 RT 経営学習論の後書きにも書きましたが、ぜひ橋本先生のような志ある若手の方々で、この本を上書き、着色してくださいhttp://t.co/0QTOPFCx
  • 23:25  合宿をデザインするという視点、参加者の高い貢献意識、堅牢なロジで、合宿はLearningfulになります。皆に感謝!RT @tatthiy: 中原研究室の合宿が終わった!とても充実した3日間だった。よい意味で非常にリラックスした雰囲気があり、深く集中して学ぶことができた。
  • 22:45  嬉しい言葉に感謝です。後書きにも書きましたが、ぜひ橋本先生のような志ある若手の方々で、この本を上書き、着色してください。RT @satoshi_hashimo 「経営学習論」に目を通す。この本に○○な事が書かれていないと気付くとしたら、それは自分へのパスだと勝手に思うことにする


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■2012/09/12 Twitter

  • 20:25  ある物事、ある会合でのやりとりに、本気で「自分が没頭」していたら、その「自分の様子」を「客対視」して、他者に向けてTweetできないと思うんです。だって「没頭しながら客対視すること」は、さすがにできないでしょ。
  • 10:39  合宿で滞在しているKEEP清泉寮の由来は、Kiyosato Educational Experiment Projectです。「実験」と言葉が魅力的です。@tkanai1954 この木漏れ日のなかの散歩はいいですね。  [in reply to tkanai1954]
  • 06:23  朝、散歩。今日、東京に帰る。 http://t.co/kxsSmlP1


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■2012/09/11 Twitter

  • 06:43  でも、研究は自由だからこそ、厳しいとこ、あるねぇ。
  • 06:37  研究って、そんなに不自由なものじゃないよ。もし不自由なら、それは勉強しようとしてるんじゃないかなぁ。
  • 06:30  朝の森、散歩。 http://t.co/HXrNohHk


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■2012/09/10 Twitter

  • 06:25  今日から清里・清泉寮で中原研・夏合宿です。そろそろ出かけます、長袖持っていかないとね。それでは!
  • 06:22  面白そう>RT @yumiwagatsuma @hirohrsm 9/13(木)9:00 VR大会にて「VRが変わる,文化が変わる,学会が変わる」 http://t.co/C82B3YZA  僕が注目している若手研究者が未来を語るシンポジウムです。ハッシュタグは #学会の未来  [in reply to YumiWagatsuma]


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■2012/09/09 Twitter

  • 22:34  「上手なビジネスは、一番うっとりするアートだ。いいビジネスは、最高のアートだね」(アンディ・ウォーホル)
  • 22:27  僕は平野さんの活動がマネジメントラーニングを活性化するときが、遠くない未来にくると思います。近い将来「経営×アート論」という書籍を書きたいと思っています。いや、マジで。今日授業でも議論しました>RT #marebi が経営学習研究所のミッションとどう関係するの?
  • 22:17  RT @tomokihirano 【お知らせ】 9/23まれ美 in 三田の家開催!三田の家が一夜限りの美術館に!? @chi_ri_jin さんと一緒に、架空の街の「空想地図」をみんなで鑑賞しちゃいます! http://t.co/6y0aTX34  [in reply to tomokihirano]
  • 08:07  RTしときます(笑)> RT @honigon3d 自分の今の状況に当てはまりすぎて、百回RTしたいほど同感 RT 私の経験では2)の裁量喪失が最大の問題でした。自分で即断即決できる世界から、根回し稟議の世界に戻るのは実に辛いRT 海外勤務経験者の抱える「帰任後の問題」  [in reply to Honigon3D]


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■2012/09/08 Twitter

  • 13:06  それをおっしゃるマネジャーの方は多いですね>RT @leorintaro 私の経験では2)の裁量喪失が最大の問題でした。自分で何でも即断即決できる世界から、根回し稟議の世界に戻るのは実に辛いです。RT 海外勤務経験者の抱える「帰任後の問題」  [in reply to LeoRintaro]
  • 10:21  海外勤務経験者の抱える「帰任後の問題」に対して、人事として対処できることはあるか? 1)内部昇進の機会損失、2)裁量・意志決定権限の急激な喪失、3)同僚からの反感・やっかみ、4)組織内の人的ネットワークからの隔絶、5)海外勤務のキャリアがいつまで続くのかに関する不安など
  • 09:35  大学院・集中講義。今日は「経営層になるための学習」「グローバルな職場環境への適応と、マネジャーの革新行動」
  • 08:30  面白い>RT @shigejam: Yahoo!オークションで「スキル知識」が販売可能に。映像・音楽制作、写真撮影、翻訳など: http://t.co/t6HO9225
  • 07:37  それにしても、小生が「盆栽」とかに興味をもつとは、自分のことながら不思議ですね。「10代の頃の自分」が知ったら、あまりの豹変っぷりに「腰砕ける」かも。
  • 07:34  朝の日課「盆栽タイム」+「熱帯魚のお世話」終了。今週末の土日は、青学大学院で集中講義。そろそろ出かける準備しよう。 http://t.co/I1NMnrVV


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■2012/09/06 Twitter

  • 20:51  日本語になると、こうなるのか。小生の好きなミュージカル「RENT」、「One Song Glory」。藤岡正明さん、歌、うまいな。>http://t.co/4EcMq7De http://t.co/KH5Wsgqe
  • 18:58  面白かった。プライベートミュージアム「ワタリウム美術館」の歩んできた歴史。どのように日本の「現代アートシーン」を牽引してきたか? レッジョエミリアが世に知られるまでのプロセス>「夢見る美術館計画」(日東書院本社)http://t.co/HntYDyOF
  • 10:16  【ブログ更新】「OJT信仰・手放しのOJT礼賛」を超えて : OJTの脆弱性を考える http://t.co/fzk868U1


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