一日45席に対して年間200万人の予約が殺到する、世界一予約のとれないレストラン「エル・ブリ」。毎年のように、全く新しい料理をつくりだす「厨房」の中にカメラが入って、ドキュメンタリーとしてまとめられた作品が、このたび、映画で公開されます。関係者の方(Aさん)のご厚意で、試写させていただく機会に恵まれました。
エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン
http://www.elbulli-movie.jp/
(以下はネタバレになるので、注意!)
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エル・ブリでは、1年のうち、6ヶ月間、店を閉めます。その間、料理長のフェランほかチーフシェフ達が、毎年、全く新しい料理をつくるべく、キッチンに籠もって、一つずつの食材に関して「実験」をする。
「実験」と書きましたが、これが、本当に「実験」なのです。ガチ・実験。映画では、その様子を克明に、そのまま映し出しています。
弟子が、ひとつひとつの食材に対して、様々に創造性をはたらかせ調理を行い、フェランがひとつずつチェックしていく。その様子は、デジタルカメラで撮影され、キッチン横に置かれたノートパソコンのデータベースに記録される。データベースに記録する際には、「星」でレィティングされ、場合によっては、リファインされる。
プロトタイプ(Prototyping)
レコーディング(Recording)
エバリュエーション(evaluation)
レィティング(rating)
リファイン(refine)
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プロトタイプ(Prototyping)
レコーディング(Recording)
エバリュエーション(evaluation)
レィティング(rating)
リファイン(refine) ・
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プロトタイプ(Prototyping)
レコーディング(Recording)
エバリュエーション(evaluation)
レィティング(rating)
リファイン(refine)
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繰り返し
繰り返し
想像を絶するような「地味な実験」が、繰り返されます。何度も何度も「失敗」が繰り返され、試行錯誤が続きます。そして、めざすべき「味」「色」に到達する。これが、世界一の創作を可能にするキッチンの「裏側」でした。
世界一の創作料理といっても、果てしなく「地味」なことなのです。研究と似たところもあるかもしれません。いいえ、おおよそ「インテレクチャルな活動」とは、すべからくそういうものなのだと思います。「果てしない地味」なことから、「とてつもない創造」は生まれる、というのが、とても印象的でした。
この映像、最初から1時間くらいを素材にして、みんなでダイアログをすると面白いかな、と思いました。テーマは「創造とは何か?」。近いうちに、そんな時間を過ごせると、とても、嬉しく思います。
ちなみに、現在、「エル・ブリ」は閉店しています。あまりに忙しくて、自分の料理を見失ってしまう、からというのが、その理由です。大学で言えば、いわば「サバティカル」ですね。
料理の「実験室」にようこそ!
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■2011/11/25 Twitter
- 06:07 論文校正終了、投稿。空が明るくなってきたか、本郷キャンパス。
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