2010.10.24 08:50/ Jun
昨日水曜日は、東京大学・駒場キャンパスで、1年 – 2年生向けの「メディア創造ワークショップ」という授業の日でした。
この授業は、今年から、中原と助教の重田先生で担当している授業です。「学生が、大学外の様々な人々にインタビューをして、それをもとに、自らメディア(電子雑誌)をつくること」を目的にしています。
ズバリ!
「東大発2010。」
というipadで読むことのできる電子雑誌をつくり、3月をめどにApp Storeから無料配信することをめざしています。
せっかく電子雑誌というメディアを用いるので、電子雑誌にしかできない「表現」も入れ込むことにしました。具体的には、インタビューのビデオ映像を雑誌の中に埋め込む事を考えています。
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「東大発2010。」というネーミングにはいくつかの願いを込めました。
1.学生が、東大を「出発≒いったん離れて」、世間の人々から直接お話を伺う機会をもつということ
2.自分で得た一時情報が、メディアによって、東大から「発」信されるものであるということ
3.そして、何よりも、こうした試みが東大「初」の試みであること(詳細は知らん。。。言ったもんがち?)
「東大発2010。」の今年のテーマは「働くということ」です。今、世の中は「学ぶこと」と「働くこと」の移行の問題に揺れいます。また、終身雇用、年功序列という価値が崩れ、「働くこと」自体に対する人々の信念が揺れているのかな、とも思います。
学生のフレッシュな目線で「働くこと」に関係する人々に趣旨を説明し、アポをとり、取材ビデオをまわして、テキストを書くことができればいいな、と教員としては思っています。
下記が来週学生にわたす、取材キットです。ICレコーダ、マイク、カメラ、編集マシン・・・こうしたものさえあれば、今の時代はハイビジョン画質の映像をつくることもできますし、取材もできちゃうのですね。
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メディア創造ワークショップは、僕と重田先生の「教員だけ」が行う授業ではありません。
授業の要所要所で大切なメッセージを伝えてくださるのは「その道のプロフェッショナル」であるべきだ、という信念から、テレビ・雑誌・出版・IT業界などから、ディレクター、記者の方など、様々なゲスト講師をお招きすることにしています。非常にありがたいことです。心より感謝しています。
先日は、映像ディレクターの大房潤一さんにご出講いただきました。
まずは、中原と重田先生の方からイントロダクション。その後に、大房さんから、各大学で行われているデジタルストーリーテリングの授業・プロジェクト、映画監督ディビットリンチがやっているインタビュープロジェクトのお話、映像文法の話などをご講義いただきました。ありがとうございます。
Stanford University film makers Project(iTunesU)
http://ow.ly/2WgYz
Stanford University storytelling Project(iTunesU)
http://ow.ly/2WgYd
ディビット・リンチ「インタビュープロジェクト」
http://interviewproject.davidlynch.com/www/
個人的には、この「デジタルストーリーテリング」という手法に、面白さを感じました。 ここではストーリーテリングとは「自分自身を物語ること」をさします。デジタルストーリーテリングとは、「本人の語り、スチル・動画などを組み合わせてつくられたデジタル映像」のことでしょうか。
こうした試みは、かつて、いろいろなかたちで耳にしてきました。かつて、カミサンは、ハーバード大学のウェンディ・リッチモンド先生という先生から、「メディアと表現」の授業の中で、ストーリーテリングを体験しました(ちなみに彼女はハーバードの学生だったことはありません。クソ度胸の飛び込みで頼み込み、授業に入れてもらったそうです)。
MCCのClass of 2009のOさんは、先日、Center for Degital StorytellingというアメリカのNPOで、やはりそれを体験したそうです。非常に興味深いですね。
Wendy Richmond
http://www.wendyrichmond.com/bio.html
Center for Degital Storytelling
http://www.storycenter.org/index1.html
個人的には、この手法をもとに、働く個人を対象にしたワークショップを開発できないかな、と思っています。なにせ、わたしの職場・研究環境は、映像・メディアに非常に「強い」もので。
といいますか、「表現手段」こそ「デジタル映像」になっていますが、男ワークショップのカリキュラム構造は「メディア」と「表現」であり、「LEGOワークショップ」とあまり変わらないのです。めざされるべきは、何かを物語るために、何らかの「表現」を行い、それをもとに「物語」をリッチにすることですね。
LEGOワークショップの場合は、「創造」も短時間でできる反面、創造物はすぐに壊さることがおおいと思います。ですが、こちらの場合には「創造」に、より多くの時間をかけますので、自分と向き合う時間が多くなるのではないでしょうか。そして、つくったものをYoutubeなどで共有すれば、物語が自己に閉じず、「他者に拓かれるかも」しれません。このあたりは、今後、議論していきたいと思います。
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大房さんの講義の中では、実際に編集を体験してみました。NHKが無償で提供しているWeb動画編集環境「NHKクリエィティブライブラリー」で、学生が、簡単な編集を体験しました。
NHKクリエィティブライブラリー
http://www.nhk.or.jp/creative/
講義には、大房さんの教え子である青山学院大学・総合文化政策学部の学生さんたちもいらっしゃっていて、動画編集を助けてくれました。
それにしても、この学部の活動面白いですね。週に1度くらいは、映像・イベントの創造活動に取り組む「ラボ活動」というのがあるそうです。面白いですね。
青山コミュニティラボ
http://aclweb.jp/
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この授業、次週は、実際のインタビュー編集。さらに、次々回はプロの記者に来ていただきます。僕自身も、非常に学びや気づきのある授業です。
面白いですね、世界は。
まだまだ知らないがたくさんあって。
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