2010.10.8 07:02/ Jun
先日、雑誌の取材で、東京糸井重里事務所を訪問させていただいたときにお聞きした話が、とても印象に残っています。こちらは雑誌編集・商品企画で、僕の仕事は「研究」ですが、ともに「創造」という観点からすると、それほど違いがあるわけではありません。ですので、きっと、感じるところがあったのだと思います。
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印象に残ったことのひとつは、糸井さんの口癖である「仕事をこなすのをやめろ」。
たとえば「まどろむ午後」とかいう言語表現。あるいは、何か商品紹介をしたときに「おすすめです」と言ってしまうような紋切り型の結び。そういうメディア的な常套句を使うことを拒否しているのが、「ほぼ日」なのだそうです。
さすがコピーライティングをご専門にしているだけあり、言葉に対する感覚はすごいな、と思いました。ふだん使っていない言葉や、心にもないことを、ついつい、文章の結びに便利だからと多用してしまう。これが「仕事をこなす」ということなのでしょう。
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もうひとつは「二番を歌うな」。これは、何かが新しい事をはじめて、それがヒットしたときに(1番を歌う)、つい、そのあとで、私たちは同じリズムで、同じメロディーで、2番を歌いたくなる、ということです。だって、その方が楽だし、生産性が高いから。
でも、創造というのは「2番を歌う事」を拒否する事なのかもしれません。いくら1番がヒットしても、2番を歌わず、あえて別の曲を、自分のリズムとメロディで歌うことなのかな、と。
非常に印象的な一言でした。
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■2010年10月7日 中原Twitter
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