2010.8.10 06:34/ Jun
1時間という限られた時間の中で、どのくらい、アクチュアルで、リアリティのある出来事やストーリーを聞き出すことができるのか?
どのような「問いかけ」をなげかければ、いわゆる「社会的望ましさ(常識的な倫理観に適合した回答を無意識的にしてしまうこと)」が比較的に低い、「生き生きとした語り」を引き出すことができるのか?
▼
僕自身、いくらインタビューを重ねても、このことには、本当に悩まされます。
仕事柄、僕は、マネジャーの方、若手ビジネスパーソンの方々にインタビューをさせていただくことが多いのですが、インタビューを終えて、別れの挨拶をし、エレベータの扉がしまった瞬間、「あー、あのとき、こう聞けばよかったな」「しくったなー」とつぶやいちゃうことが、多々あります。
反対に、これはかなり希なことではありますが、インタビューが会心の出来のときは、小躍りしてしまうくらい喜びます。「今日は、うまくいったな−、あの問いかけはよかった」と。悪いんだけど、自画自賛です(笑)。
お忙しいビジネスパーソンの方々にいただける時間は、最大でも1時間。この忙しい中1時間をいただけるのは、非常に感謝です。でも、その貴重な時間はあっという間に過ぎていきます。僕の経験上、相手も、45分を超える頃から、チラチラと時計に目をやるようになります。このあたりから、かなり「焦る」。
「1時間の勝負」には、悲喜こもごものインタビュアーのストーリーがあるのかもしれません。
▼
数々のインタビューを重ねてきて、インタビューには、いくつかテクニックがあるのではないかな、と思います。正確にいうと「成功するインタビューを保証するテクニック」ではなく、「大ゴケしないインタビューのテクニック」です。
例えば、1)信頼を得るためのテクニック、2)インタビューの趣旨と質問項目を伝えるためのテクニック、3)聴きたいことを自分自身がきちんと知るためのテクニック、4)事実と自分の解釈を分けて考える思考技術などでしょうか。
くどいようですが、所詮、これらのテクニックは、テクニックです。それはミニマムラインを確保するための技術であって、そこで、インタビュイーから、アクチャルでリアリティあふれるストーリーが語られるかどうか、つまりは「成功するインタビューが可能かどうか」はわかりません。
しかし、これらを駆使すれば「大ゴケしないインタビュー」は可能なのかな、とも思っちゃったりするのです、、、なんつって。
こうしたテクニックは、過去に、様々に語られています。労働経済学の小池先生や、ジャーナリストの立花隆さんによって、留意するべき点が、様々に提唱されているので、それをご覧いただくのが一番早いかもしれません。僕自身が実践していることも、その多くは下記に記してあることです。
いつかは、僕自身も、「組織と学習研究」の文脈にあったインタビューの本を書いてみたいな、と思います。
限られた1時間の中で、どのようにしてインタビューを実践すればいいのか、について論じるのはもちろんのこと、僕自身の専門を活かすのならば、そういうインタビュアーを「育てる」ためには、どのような「教育手法」が必要なのか、についての本です。
そういう本あるんですかね? 僕は門外漢なので知りません。
アメリカのジャーナリストスクールとかだったら、インタビューのトレーニング方法とか、あるのかな。日本のマスメディアだったら、どのように教えているのですかね? 非常に興味深いところです。
まぁ、志は高く、そして秘めて、機会があって、そのときになっても、やりたいようだったら、いつかね。まぁ、自分のことがちゃんとできるようになったらね(笑)。
そして人生は続く。
—
■2010年8月9日 中原のタイムライン
Powered by twtr2src.
—
■2010年8月8日 中原のタイムライン
Powered by twtr2src.
最新の記事
2024.7.25 10:21/ Jun
2024.7.9 08:06/ Jun
2024.7.3 08:04/ Jun
2024.7.1 08:16/ Jun
2024.6.28 08:25/ Jun