2010.6.11 08:35/ Jun
リクルートワークス研究所の雑誌「Works」は、今月号で発刊100号記念なのだそうです。おめでとうございます。記念すべき100号の特集は「人材育成」。テーマタイトルは「人材育成”退国”から”大国”へ」ということで、非常に刺激的でござる。
というわけで、小生も登場させていただきました。ぜひ、無料でPDFがダウンロードできますので、ご覧ください。
ぐるなびの田中さん、博報堂の田沼さん、マイクロソフトの四方さん、三菱東京UFJの堀田さん、リコーの船木さんなど、第一線でご活躍なさっている人事責任者の方々をお招きして、LEGOを使ったワークショップをやってみました。「バブル期の職場」と「現在の職場」をLEGOで表現してもらい、何が変わり、何が変わらなかったのかを、皆さんとディスカッションしました。
Works No.100 人材育成「退国」から「大国」へ
http://www.works-i.com/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=714&item_no=1&page_id=17&block_id=302
このワークショップを通して痛感したのは、「長期間労働」「長期間雇用」「同質性の高い職場メンバー」「緊密でタイトな人間関係」を前提にしていたかつての日本の職場は、その「意図せざる偶然の結果」として、「人材を育成すること」に結びついていたことです。
ここでのポイントは、その「非意図性」ではないか、と思います。つまり、誰かがイニシアチブをとったり、意図的にルールをつくったり、予算をつけたりしなくても、これらの労働条件が重なり合った結果として、人は「育っていた」のではないでしょうか。
しかし、もはや、そのような環境は失われています。もうわたしたちは、「意図せざる偶然の結果」に頼ることはできません。
「明確な意図」をもって、事業戦略に応じた人材マネジメント施策を立てていく時代に突入しているように思います。そこには、人材のプロフェッショナリティ、専門性を駆使して現場の問題解決にあたる「人事のプロ」が果たす役割は、非常に大きいのではないでしょうか。
今日、折しも、トヨタ自動車は、20年ぶりに「係長」の役職を復活させることを決めたそうです。5人程度の部下管理と指導をするそうです。若手育成機能、あるいは、早期リーダー(マネジャー)の開発とも、一部、解釈できそうな試みです。
今から20年前、日本中がバブルに沸いていた頃に進行した職場のフラット化。それは様々なメリットとともに、デメリットももたらしました。もう、元いた場所には戻ることはできません。そのデメリットを、「意図的」に、現在のビジネス環境にてらしたかたちで補完する試みが始まっているように思います。
ワークショップを通して、僕は、そんなことを感じていました。
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今回の企画は、当初、「人事責任者の方々との対談」というかたちで依頼を受けました。でも、やるなら面白いことをやってみよう、ということで、編集部の入倉さんと相談をして、このようなワークショップを実施することになりました。
最後になりますが、Worksの入倉由理子さん、小山智通さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。
ちなみに、今回のワークショップは、どなたでもできます。必要なのは、「LEGOブロック」と「テーマ」と「楽しむ心」だけです。
ぜひ、自社の人事部、あるいは事業部の人事担当者の方で、ワークショップを開催なさってはいかがでしょうか。思わぬ形で、自社の問題を発見できたり、共有できたりするかもしれません。よいリフレクションの機会になるのではないでしょうか。
Have fun!
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■2010年6月10日 中原のTwitterタイムライン
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