2010.1.8 00:00/ Jun
先日、冬の味覚を味わいに、映像ディレクターの大房さんと、渋谷「蛇の健寿司」に出かけた。
蛇の健寿司は、僕が、もっともおすすめする、渋谷のお寿司谷さん。渋谷にあるとは思えない静かな場所に、ひっそりと、それはある。のれんをひとたびくぐると、気さくなご主人と女将さんが出迎えてくれる。
お品書きはある。それを頼んでもいい。ご主人の健さんに、お任せすることもできる。刺身から寿司にいくのか、それとも寿司からはじめるのか。どちらでもかまわない。
いずれにしても、その季節にもっとも美味しい旬のものを、リーゾナブルな値段で、食べさせてくれるのが、この店の魅力だ。
●蛇の健寿司(夜のみ)
住所東京都渋谷区道玄坂1丁目20-4
電話番号03-3461-4288
(英語メニューもあり)
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今日のお相手、映像ディレクターの大房さんとは、折に触れ、仕事でご一緒することがある。
このあいだはロケ現場でお会いした。その前はシンポジウムの会場での撮影を依頼した。いずれにしても、仕事現場でお会いするときは、仕事の話以外、ぐだぐだと話をすることはない。
ここ1~2ヶ月は、特に、すぐに決めなければならないことがあるわけでもないし、差し迫った用事があるわけではなかった。
今日は、いわゆる、「ゴールとアジェンダのない会話」を楽しんだ。話題は現代アートの話から、テレビメディアの将来、大学の未来にまで及んだ。それは、それは楽しい時間であった。
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早速、今日の蛇の健。
突き出しは、「なまこ」。
これである。
なまこは、コリコリとした食感と磯の香りがたまらない。キュッとしたまった身に、まずは一杯。
そして、なまこの腸である「このわた」である。「このわた」は、日本の珍味のひとつとして名高い。
なまこにせよ、このわたにせよ、どちらも、いわずもがなの「冬の味覚」である。これを食べると、冬を感じざるを得ない。
同じく冬の味覚、とこぶし、あかがいなども。
進む、進む、これが、進む。
今日のお酒は、もちろん、冬の代名詞「荒走り」である。
通常のお酒よりもアルコール度数が高く、白く濁っていて、甘いのが特徴であろうか。これも、冬にしか飲めない。この季節だけの一品。
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刺身を食らう。
まずは「寒ブリ」。
「これは、トロですか?」と思わず間違えてしまうほど、脂が乗っていてうまい。特に尾の身は舌にとろける。
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おつぎは、しめさば。
よくあるしめ鯖の、つんとつくような酢の臭いはない。とろけるような鯖の身に、さらに酒が進む。嗚呼、蛇の健にきたな、と思わせる。
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このほかいくつかの刺身をいただき、そして握りへ。
お任せにて、旬の握りがゆっくりとでてくる。
鰺、烏賊、小鰭。
烏賊は、角が凛と立っており、それでいて、身がねっとりとして甘い。
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珍しいところでは、かわはぎの上に、その肝をのせた、「かわはぎスペシャル」をいただく。かわはぎの肝という珍味が、かわはぎの身にからんで、うまい。
ちなみに、○○スペシャルは、この店のご主人が、時折やってくれる贅沢な一品だ。大トロスペシャル、というのもある。
大トロスペシャル
http://www.nakahara-lab.net/blog/2007/05/post_882.html
もうひとつのスペシャル、つぶがいスペシャル。活きのいいつぶに、肝をのせて。
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鮪(まぐろ)。
最近は、めっきりとれなくなってきているので、価格が高騰している魚だ。なじみの寿司屋のご主人によれば、「鮪はお客様へのサービス品」とのこと。
市場の価格があがった分を、そのまま値段に反映してしまえば、ぐんと価格があがってしまう。それはできない。よって、いくら売っても、利幅は少ないのだそうである。
今日の鮪は、メジと本マグロのちょうどあいだの「チュウボウ」。その「大トロ」をいただく。これも極上の味覚であった。
嗚呼、今日も、馳走になりました。
その他、今日つまんだお寿司たち。
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最後に、妻と子どもへのおみやげをつくってもらう。もちろん、さび抜きである。明日は、TAKUZOとカミサンには、朝っぱらから寿司を食らってもらおう。
サザエさんの磯野波平が如く、折り詰めの「ひも」の部分をちょんとつまんで、陽気におうちに帰る。
「おおい、帰ったぞー、おみやげ買ってきたぞー」
これが、「寿司食い」の作法である。
飲んだら波平、これ基本。
家内安全、健康祈願。
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ちなみに、この日は偶然、ダイヤモンドの永田さん、間杉さんらと出会った。本当に、本当に、偶然に。昨日は、同社、石田さんがいらっしゃったようだ。
来週は、松尾先生(神戸大学)、長岡先生さんら、また、酒井穣さんと、ここを訪れる予定である。
みんなで広げよう、「蛇の健」の輪!
というわけで、はじめての方も、きっと、ご主人の健さんも、オカミさんもよくしてくださると思いますので、ぜひ、どうぞ。
渋谷「蛇の健寿司」 Yahoo グルメ!
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000926003/0002911080/ktop/
嗚呼、こんな夜は、文句なしにいいよ。
生きているって、素晴らしいことだ。
今日がいいなら、明日もいい。
そして人生は続く。
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追伸.
ちなみに、先日、TAKUZOも蛇の健デビューしました。
土曜日のはやい時間、6時前後あたりは、他にあまりお客さんもいないので、子どもがいても、カウンターで大丈夫だと思います。
もし不安ならば、上に10名程度まで入るお座敷がありますので、そちらでいただくことができるでしょう。
大好きな「いくら」を「お船」のかたちにしてもらったり。
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