2009.10.23 09:01/ Jun
今度、あるところで「若手人材の育成」に対するシンポジウムのファシリテーターを担当します。先日、その打ち合わせ会合が、東大で開催されました。
打ち合わせでは、若手人材の育成に取り組んでおられる企業三社のお話しを聞かせていただきました。そして、皆さんの話の中に、「新人育成に関する一見相反する二つのニーズ」があることが、何となくわかりました。
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ひとつは、いわゆる「組織社会化」のニーズです。
つまりは、新人をいかに組織に順応させ、様々な関連知識を覚えさせつつ、「その組織の人にするか」が求められています。
これは別に目新しいことではありません。もともと、「新人育成」といえば、このことを意味するでしょう。
もうひとつは「組織活性化」です。これが先ほどの組織社会化とは一見相反するニーズであるような気がします。
新人が職場に配属されることで、その職場の中を活性化したい、というニーズがあるようです。何も知らない若手が成長する過程で、職場内で様々なコンフリクトをおこすことで、今まで自明視されていたものを疑う契機になってほしい。新鮮な目を職場にもたらしてほしい、ということです。今まで「一番下」だった人が、新人が入ることで自覚をもってほしい、ということも、どこかではあるのかもしれません。
実際、先日お話しを伺ったどの方も、経験値では、新人が入ると職場が活性化します、とおっしゃっていました。若手の職場への参入は、「組織活性化と言わない組織活性化」なのかもしれません。もしそうだとしたら、「新人を採用する意味」として、積極的にこのあたりを打ち出せばいいのに、とも思います。
(このあたりは、僕はデータを持ち合わせていないので、何とも言えないところです。そういうことが本当にあるのか、ないのかも、実証研究を進めなければならないと思います)
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ともすれば「組織社会化」のプロセスでは、若手の「やんちゃな部分」を削除する方向で物事が進みます。やんちゃな部分がなくなって、「その組織の人になったとき」、その若手は他者は、「~君は最近成長したね」と言われます。
一方で、「組織活性化」のプロセスでは、若手のやんちゃな部分こそがリソースです。これがコンフリクトをもたらすことで、組織にカオスや葛藤が生まれるのでしょう。組織活性化を促すためには、安易に「~君は最近成長したね」となってしまっては困るのです。
実際には、若手の成長とは「組織社会化」と「組織活性化」のプロセスをいきつ戻りつしながら、ゆっくりと進行するのかもしれません。
そういうダイナミズムを描く研究があったら、とてもオモシロイのにな、と思いますが、皆さんはどう思われますか。
(若手人材の参入によって、職場にどのような変化がもたらされるのかを調査すると面白そうですね)
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追伸1.
ワークプレイスラーニング2009の募集が、昨日、締め切られました。最終的な人数は1450名!になりました。本当にありがとうございます。
開催まで残り1週間たらずです。準備を急ピッチで進めようと思います。なお、当日はかなりの混雑が予想されます。座席は完全自由席になりますので、お早めにお越しくださいますよう、お願いいたします。30日、本郷キャンパスでお逢いしましょう!
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●経験の森をくぐりぬけ、対話を通して、内省する
●持論と棄論:持論は常にベータ版である
中原淳×金井壽宏 「リフレクティブマネジャー」光文社新書!
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