NAKAHARA-LAB.net

2009.8.2 18:12/ Jun

Learning bar「脱研修屋宣言!?」が終わった!

 金曜日は、Learning bar(ラーニングバー)でした。
 今日のテーマは、
 脱「研修屋」宣言!?:
 内製化時代、みんなで「人材育成の仕事」を考える
 
 です。
 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
 早川勝夫さん
 
 横浜ゴム株式会社
 若林真知江さん
 株式会社 日立総合経営研修所
 堤宇一さん
 を講師にお招きし、「人材育成のあり方」について、皆さんとディスカッションを深めました。
  ▼
 おかげさまで、今回のLearning barも満員御礼!!
 会場は250名の方々の熱気に覆われています。
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 開始は6時。バーは、5時30分からオープンです。既に、200名を超える方々が、バーで歓談なさっております。
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 最近、Learning barは満員御礼が続いており、参加登録いただいても、すべての方々の御希望にはお応えできないケースも生じてきています。
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 限られたスペースと人的リソースの中で運営し、かつ、参加者のバックグラウンドの多様性を確保する必要がある関係上、すべての方々のご要望にはお答えできない可能性があることを、なにとぞご理解下さい。
 ▼
 冒頭は、中原から趣旨説明です。
 Learning barは、
 1.聞く
 2.聞く
 3.聞く
 4.帰る
 という場ではなく、
 1.聞く
 2.考える
 3.対話する
 4.気づく
 ような場であるということをご説明いたしました。
 今回のLearning barでは、参加者の皆さんに宿題をやってきていただいていました。宿題は下記のとおりです。
 —
 ▼人材育成の仕事とは○○○のようなものである:
 ▼なぜなら~~~~~~~~~~~~~であるから
 という問いに対する、自分なりの考えを考えてください。○○○には「喩え:メタファ」をいれてください。~~~には理由を入れてください。
 例えば、
 人材育成の仕事とは「ガーデニング」のようなものだ
 なぜなら、人が育つのには手間暇、時間がかかるから
 といった感じです。
 —
 教育学を学んだことのある方で、勘の良い方なら、「ははーん」と思ったかもしれませんが、いわゆる「メタファ法」というやつです。
 皆さんから寄せられた回答には面白いものが多数ありました。
●人材育成とは「下着のゴムヒモ」のようなものだ
 普段はその活躍ぶりには、誰も目を止めないが、無くなると大変なことになる。また役割が弱くなったり、きつく締め付けたりしてもあまりよろしくない。
●人材育成とは「片思いの恋愛」のようなものだ
 相手(育てられる側)にその気がないと実らない
●人材育成とは「皿回しの曲芸」のようなものだ
 会社全体に目配りして、元気がなく、動きが止まってしまいそうなところを早期発見して介入し、再び元気に回り始めるように支援するから
●人材育成とは「養命酒」のようなものだ
 飲み続けてもらって、現場と会社を元気にする
●人材育成とは「将棋」のようなものだ
 戦略と忍耐が必要だ
 皆さんにお持ちいただいたメタファを紙に書いて、名札入れにいれていただきます。お互いに、どのようなメタファ、イメージをもとに仕事をしているのか、を話し合っていただく機会を多数もうけました。
 ▼
 今回のLearning barでは、若林さん、早川さんから、それぞれメタファをご紹介いただきつつ、日々の仕事のあり方についてご講演をいただきました。
 若林さんのメタファは「社内営業」でした。現場のニーズを最優先し、様々なところにヒアリングを行う。
 若林さんは、これまでに1500名を超える社員とヒアリングを重ねて、現場の支援を行っているそうです。「コンサルティング支援」という活動もなさっています。
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 対して早川さんのメタファは「戦略コンサル」です。
 収集したデータに基づいて、ロジカルに要因を分析しつつ、人材育成施策を構築し、評価する。早川さんのお仕事からは、コンサルティングの業務がすけてみえます。
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 最後は堤さんに、教育設計の専門家の立場から、人材育成の変化と、それを裏打ちする学問の変化についてご紹介いただきました。
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 ▼
 その後は、Learning bar恒例のディスカッションタイムです。
 今日も、非常に熱いディスカッションがかわされていました。例の如く、福武ホールの温度は急上昇です。
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 最後は、中原によるラップアップで終わりました。
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 講師の方へのわれんばかりの拍手の中、無事終了です。
  ▼
 最後になりますが、若林さん、早川さん、堤さん、本当にありがとうございました。とてもよい場になりました。この場を借りて感謝いたします。
 また、今回は株式会社 産労総合研究所と株式会社JMAM人材教育から多大なるご寄付をいただきました。
 本セッションと関連の深い記事が掲載されている「企業と人材」および「人材教育」の無償配付をさせていただきました。この場を借りて感謝いたします。
企業と人材
http://www.e-sanro.net/sri/books/kigyou_jinzai/
人材教育
http://www.jmam.co.jp/jinzaimm/index.html
 また、Learning barの開催をいつも支援してくださっている東京大学大学院生諸氏に心より感謝いたします。
 早くからサンドイッチを手配し、当日は重い椅子やビールケースを運ぶ。Learning barは、皆さんのご協力によって、成り立っています。君たちのご協力がなければ、この会はあり得ません。本当にどうもありがとう。事務局の坂本君もありがとう。
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 そして、何よりも議論にご参加いただいたすべての方へ。
 感謝を込めて。
 本当にありがとうございました。
 次回Learning barは、9月11日 京都大学・溝上慎一先生などをお招きして、「みんなで”イマドキ大学生”を考える:ゆとり世代って言うな!」をお送りします。また本郷キャンパスでお逢いしましょう!
 Have a great summer vacation!

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