NAKAHARA-LAB.net

2008.7.10 09:55/ Jun

新人育成を一人で抱えない、一人に任せない!

 先日、サンディエゴの海外出張で、株式会社ラーンウェルの関根雅泰(せきねまさひろ)さんにお逢いしました。関根さんは、新入社員向け、あるいは、OJT指導者向けなど、さまざまな研修のインストラクターをなさっている方です。
株式会社ラーンウェル
http://www.learn-well.com/
 会場では残念ながら、ゆっくりお話しする時間がなかったのですが、短いやりとりの中で、関根さんがおっしゃっていた下記の言葉が非常に印象的でした。
「新人のOJTが上手くいっている職場というのは、実は、指導員一人が新人を教えているわけではないのです。
実は、自分ひとりではなく、いろいろな人を巻き込んでいるのです。うまくいくOJT指導員は、どんな問題ならば、誰を巻き込んでいけばいいかを知っているのです。自分の部署でたりないのであれば、他部署の人も含めて、”つながりの中で、新人を指導している”のです」
 ICレコーダを持っていたわけではないので正確な内容ではないですが、おそらく、関根さんがおっしゃっていたのは、こんな内容ではなかったと記憶しています。
 関根さんのご指摘は、まさに東京大学の研究チームが、現在すすめている研究内容と合致していて、「我が意を得たり」と思いました。
 新人の育成とは、決して一人で担うものではないように思います。実際問題、すべての領域に指導者が精通していないかぎり、それを一人で担うのは難しいでしょう。
 新人の育成とは、新人を取り囲む多様な人々、それらの人々のネットワーク、あるいは、職場のつながりで担うべき問題ではないでしょうか。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.11.22 08:33/ Jun

最近、僕は何をやっているのか?そうね、いろいろやってます!?

2024.11.15 15:01/ Jun

【無料カンファレンス・オンライン・参加者募集】AIが「答え」を教えてくれて、デジタルが「当たり前」の時代に、学生に何を教えればいいんだろう?:「AIと教育」の最前線+次期学習教育課程の論点

2024.11.9 09:03/ Jun

なぜ監督は選手に「暴力」をふるうのか?やめられない、止まらない10の理由!?:なぜスポーツの現場から「暴力」がなくならないのか!?

2024.10.31 08:30/ Jun

早いうちに社会にDiveせよ!:学生を「学問の入口」に立たせるためにはどうするか?

2024.10.23 18:07/ Jun

【御礼】拙著「人材開発・組織開発コンサルティング」が日本の人事部「HRアワード2024」書籍部門 優秀賞を受賞しました!(感謝!)