2023.5.30 08:47/ Jun
AIが「答え」を教えてくれる時代に、わたしたちは、どんな学習経験を積めばいいのか?
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先日、パーソル総合研究所のみなさんと、ベネッセ教育総合研究所のみなさん、そして、中原の三者で、ここ数年取り組んできた共同研究の成果が、公開されました。
共同研究テーマは、ズバリ、
社会貢献意識の高さは、仕事に影響をあたえるのか?
社会貢献意識に影響をあたえる、学習経験とは何か?
です。
SDGs、環境、人権、ジェンダー・・・気がつけば、わたしたちの社会は、いわば「課題の総合デパート」のようなものです。現代社会は、残念ながら、1Fから9Fまで、すべて課題で占められていて、屋上には遊園地とかトランポリンまでついちゃってるような「昭和のデパート」さながらに課題満載で、リンダ困っちゃう(意味不明)。
そうした課題満載の世の中にあっては・・・
社会課題解決に関心をもちつつ
自らも社会の一員であるという責任感をもち
何らかの課題に取り組もうとする人材
が、もとめられているのではないか。
わたしたち研究グループは、そのような問題関心を持ち、それを「ソーシャルエンゲージメント」と名付けました。世の中では「ワークエンゲージメント」などが大流行ですが、それにひっかけつつ、それとは差異化する記号として、
社会にエンゲージする人材(ソーシャルエンゲージする人材)
というものを想定してみたのです。
かくして、就業者のなかで、ソーシャルエンゲージメントの高い人材は、どういう人材なのかをいろいろ探索的に探ってみました。詳細は、下記のウェブサイトでご覧いただきたいのですが、ソーシャル・エンゲージメントが高い層は、低い層と比べ幸せな活躍をしている人の割合が2.9倍であることがわかりました。また、業務パフォーマンス、ワーク・エンゲイジメント、ジョブ・クラフティングなどの指標に関しても、高いことがわかりました。
パーソル総合研究所×ベネッセ教育総合研究所×立教大学中原淳教授による産学連携研究プロジェクト就業者の社会貢献意識に関する調査結果を発表社会貢献への意識が高い就業者は、幸せな活躍をしている割合が2.9倍
https://rc.persol-group.co.jp/news/202305251000.html
よく世間では
「ソーシャル? そんなものにウツツを抜かしてる暇あったら、とっとと客先回れ、ボケ」
とか
「社会貢献? そんなものに関心をもつやつぁ、出来ねー奴だよ」
とか
「社会貢献ね、それは儲かってる会社が払う税金だよ」
とか、真顔でつぶやいている「香ばしいオッサン」がいるものです。どうやら、社会貢献の意識というのは、そういうオッサンの感覚値とは、微妙にズレることがわかりました。
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それでは次に、そうした社会貢献意識は、どのような経験をもって高まるのでしょうか。
研究グループでは、「手触り経験:直接的な身体感覚を伴うような経験」「見渡し経験:組織や仕事を俯瞰してみる経験」「踏み出し経験:仕事以外での越境経験」という3つの学習経験にその答えを求めました。手触りとか、俯瞰とか、踏み出す、とか、どこかアナログチックな香りのする学習経験です。
いやー、泥臭いですね。
ただ、逆にいうと、これらのアナログチックで、泥臭い学びは、
AIが「答え」を教えてくれる時代だからこそ必要な学習経験
とも言えます。「答え」なんか、AIに聞けば「教えてくれる」時代に、「まる暗記」しても香ばしい。わたしたちの調査報告は、そういう不確実性の高まる時代に、いかに学べばいいかを考える、ほんの少しのヒントになるのかな、と妄想しています。
分析の結果、そうした経験をもつひとであればあるほど、ソーシャルエンゲージメントは高まっていくことがわかりました。
そのほかの研究データは、またプレスリリースをご覧くださいませ!
パーソル総合研究所×ベネッセ教育総合研究所×立教大学中原淳教授による産学連携研究プロジェクト就業者の社会貢献意識に関する調査結果を発表社会貢献への意識が高い就業者は、幸せな活躍をしている割合が2.9倍
https://rc.persol-group.co.jp/news/202305251000.html
あと、この共同研究では、これまで「ウェルビーイングと学び」に関する調査研究を数本公開しています。下記のウェブサイトから、報告書をダウンロードできます。どうぞご覧くださいませ。
「ハタチからの学びと幸せ探究ラボ」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/hatachikara/
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さて、これでベネッセ教育総合研究所さん・パーソル総研さん・中原研の共同研究で行ってきた一連の調査研究は「一段落」ついたことになるのかなと思います。ここ数年にわたり、両者の研究所のたーくさんの方々が知恵をしぼり、時間をかけて調査を行ってきました。わたしは、ベネッセさん+パーソルさんの共同研究チームを、ひそかに「オーシャンズ11(イレブン)」的!?研究チームと呼んでいましたが、本当に皆様のご尽力恵まれた数年でした(本当にありがとうございました!心より感謝いたします・・・)。
「オーシャンズ11(イレブン)」的!?研究チーム
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/hatachikara/#member
この調査がはじまったのは、たしか数年前。当時パーソル総合研究所で社長をつとめてくださっていた渋谷和久さんと、ベネッセ上田浩太郎さんがコミットしてくださり、そこに同社の研究員の方々や中原がジョインし、研究がスタートになりました。今後は、この数年間の研究を書籍にまとめよう、ということを、オーシャンズ11の皆様と話しあっております(出版社未定)。ぜひお楽しみに!
そして人生はつづく
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研修の内製化を支援する『研修開発ラボ』が記事になりました。この講座では、研修内製化について学び、効果的な研修をデザインすることができるようになります。ダイヤモンドさんが主催なさっております。
関根雅泰さん、鈴木英智佳さん、島村公俊さんらの講師陣の丁寧なサポートもあり(感謝)、また、中原のゼミナールも開催されています。今年度も募集も、おそらくじきにはじまると思われます。ぜひ記事をご覧くださいませ。
研修の内製化に欠かせない『研修開発ラボ』とはいったい何か?
https://diamond.jp/articles/-/319547
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チームワーキング座談会
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JTの内定者懇親会が教えてくれる、内定者同士の“つながり”の大切さ
https://xn--diamond-kc4f0b9lnf.jp/articles/-/316499
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立教大学経営学部 中原ゼミ、ゲームなどを活用した「内定者フォローワークショップ」を共同開発! ダイヤモンド社・ダイヤモンドヒューマンリソースさまから発売中!
https://jinzai.diamond.ne.jp/rp/prospective-employee-workshop/
どうぞご高覧くださいませ!
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職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発)
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
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上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
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中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
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https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q
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「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
OJT指導員向け・短時間&動画で学べる 部下育成スキルの動画もございます。中原が新人育成のポイントについて解説しています!
短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/000HD6260/
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新刊「M&A後の組織・職場づくり入門」発売中です。AMAZON「企業再生」カテゴリー1位を記録しました(感謝です!)。
これまで税務・法律の観点からしか語られなかった「企業合併(M&A)」の問題に対して、ひとと組織(人材開発・組織開発)の観点からアプローチし、シナジーを生み出す可能性を考えます。
M&Aという「巻き込まれ事故」に関わってしまった経営企画・人事・現場の管理者・リーダーの皆様にぜひお読み意いただきたい一冊です!
購入はこちら!「M&A後の組織・職場づくり入門」
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拙著「経営学習論」の増補改訂版が、東京大学出版会より刊行されました。新たに「リーダーシップ開発」の章を追加し、カバーの装いも変わっています。人材開発の基礎的な理論を体系的に学べる一冊です。どうぞご高覧くださいませ!
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「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
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「中小企業の人材開発」(中原淳・保田江美著、東京大学出版会、2021年)マニアックなガチ・学術研究書なのですが、発売10日で重版出来となりました。ありがとうございます。中小企業の人材開発メカニズムに接近を試みています。どうかご笑覧くださいませ!
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約39000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
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