2023.4.25 08:38/ Jun
観察力を高めるためには、どうすればいいのか?
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人間の、高度な情報処理能力の基礎にあるのは「知覚」です。そのうち、目(場合によって耳も)から入ってくる情報は、圧倒的に割合が高いものです。
これらを総合した、いわゆる「観察(observation:物事を知覚して、記録すること)」ができるかどうかは、その後の、人間の情報処理の成否を分ける、といっても過言ではありません。
どんなに優秀な知性をもってしても
インプットされる情報が「カス」だと、アウトプットも「カス」です。
別の言葉でいうと、
入ってくる情報の量と鮮度が「いまいち」だと、アウトプットも「いまいち」なのです。
「ノイズのインプット」からは「ノイズのアウトプット」しか生まれません。
だから、入ってくる情報のソース(源)は重要です。
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「観察」はこのように非常にパワフルなのですが、しかし、実は、これほど教えにくいものはありません。観察力を教えるのは、実は、めちゃめちゃ難しいと思うのです。
その理由としてあげられるのは、まずは「思い込み」です。
具体的には、
どんなに観察力の低いひとでも「わたしは観察できている」と思い込んでいる
からであり
自分に「目と耳」さえついていれば「観察」なんて自動的にできている
と思い込んでいるからであり、
「自分の観察力が低い」なんていう、他者からのフィードバックを受けることは、まずない
からです。
このような「思い込みがトリオ化しちゃっている状況」のうえに、「決定打」となるものがあります。
それは、教える側が、
観察力を鍛えるためには、観察しなさい
というトートロジー(同語反復)にはまりやすい、ということにつきます。つまり、教える側が、観察力を教えるための工夫をあまり持たないことが、決定打ではないでしょうか。
だから巷では
「よく見なさい!」
「見てるよ」
という、ほとんど意味のないやりとりが続くのです。
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「観察」はもっとも教えにくいものの、ひとつです。
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それでは観察力を鍛えるためには、わたしたちには何ができるでしょうか?
しかし、そこに魔法があるか、と言われると、そうではありません。地道で地道で、思わず、項だれて、床にゴロンしたまま放屁したくなりますが、「地道な観察と、丁寧な記録と、フィードバックされることを何度も何度も経験学習」して、それを高めるほかはないのです。
わたしが学生の頃は、基礎演習や研究方法論などの授業で「観察のトレーニング」がカリキュラムのなかに埋め込まれていた(今から考えれば)ような気がします。
たとえば、
・街の交差点で行き交うひとびとを観察し、そこに繰り返されているパターン化された行動様式を発見しなさい
とか
・カフェで談笑する人々の会話に耳を傾け、彼らから事実を聴取しつつ、彼らがどのような社会階層の人なのかを語りから解釈しなさい
とか
・子どもが食事する場面を3年分ビデオで見て、彼らの発達を記述しなさい
いう課題です。
とにもかくにも、基盤になるのは、
見続ける、聴き続ける、そのうえで記録する
記録されたものに、フィードバックされる
ことだと思います。それを何度も何度も繰り返します。もちろん、文章にするときには「箇条書き」や「パワポ」は禁止。発話もきちんと記録する。
当時は、ICレコーダーなどはありませんので、文字起こしはテープレコーダーを用いました(トランスクライバーという足踏み式のテープ再生機などを用いた時代もありましたね)。
そして
記録されたものにフィードバックされることを通して、いわゆる観察のタイミング、見るポイント、見方の記録の仕方というものを磨いていった気がします。もちろん、小生も、まだまだペーペー、修行の身ですが。
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大学でも、大学院でも、4月から7月のあいだは、どこかで「観察」にまつわる内容(そのものズバリではないかもしれませんが、のちのち考えれば同じことです)が入ってきます。
観察力を高めることは、その後の、人生にとって重要です。
なぜなら、
観察できなければ、他者に働きかけられない
ですし
イメージできないものは、マネージできません
そして、
解像度の低い、観察力のない人間からは、よき課題解決も期待できません
ちなみに、
リーダーシップの基礎は「観察」です
観察なきところに、リーダーシップも、クソもありません
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観察力を磨くトレーニングは、かくも地道ですが、非常に重要な機会になると思います。
あなたは本当に「観察」できていますか?あなたの「記録」は正確ですか?
自戒をこめて
そして人生はつづく
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