2022.12.14 08:37/ Jun
せんだって、ある団体の幹部の方々から、あるご依頼を受けました。
ご依頼内容は、
その企業が、外部の目から見ると、どう「見えるのか」?
今後10年何をしていけばいいと、外部の目から見ると「思われるのか」?
とのことでした。通常、この手のご依頼はお引き受けできないことも多いのですが、お世話になっている方も内部におり、お引き受けすることにいたしました。
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会議の冒頭、僕がまっさきに伺ったのは、
「メンバー数の増減」と「メンバーの年齢構成」
でした。
聞けば、メンバー数は伸び悩んでおり、メンバーの内訳は40代ー50代が、その中心になっているとのこと。
このことだけで、もし単調減少が続くのなら、10年後の団体は
平均年齢が50歳ー60歳の、今よりさらに少ないメンバーで運営していくこと
が確定です。今現在の兆候が、今後もつづくのであれば・・・
人口(population)というものは、ある日突然、空から降ってくるわけでもなければ、急にムクムクと地面からわいて出てくるものでもありません。それはかなり正確に未来を予測できるのです。
たかが年齢・人数ですが、されど年齢・人数です。
「20代のヤング(死語)が100人集う集団」と「50代のシニアが100人集う集団」の活性度、ノリを考えてみてください。
ちなみに、このときは、数字の話は、これでやめて、その組織へのフィードバック(というよりも、その組織の未来に対する、わたしの大いなる期待)を述べさせていただきました。ぜひ、組織を活性化する手段を講じていっていただきたいと願っています。
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組織の健全性や活性度は、ある程度は、数字(簡単な指標)で推し量ることはできます。
もちろん100%組織の状態を予測はできません。ただ、ある程度、そこはどんな雰囲気になっているだろうな、とは推測できるのです。
わたしが組織などに関わるとき、よく現場の方に伺う数字は、下記のようなものです。
「幹部メンバーの男女比率」と「年代別の男女比率」
そして
「幹部メンバーの在籍年数」と「既存メンバー数における新規メンバー数の割合と直近1年の退出率」
です。
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「幹部メンバーの男女比率」は、ごくごく簡単なダイバーシティ&インクルージョンの指標としても利用できるでしょう。「幹部メンバーの男女比率」にジェンダーに大きな偏りがあるということは「ジェンダーで偉くなる人が決まる」ということです。
たとえば女性比率が低いということは「多様性」を許容する程度が低いということです。おそらく、それは、その組織が、ジェンダーに限らず、社会的マイノリティをどの程度包摂できるかを、簡単に予測することができます。
「年代別の男女比率」は、当該組織が、どの年代について継続が難しいか、どこで出入りが生じているかを簡単に把握することができます。おそらく、多様性の低い組織では、女性のミドルエイジの参加率が低くなると予測できます。もし評価データにも着手できのならば、「評価グレートごとの男女比率」を見てみると、この組織の本音がわかります。
まとめます。
ダイバーシティ&インクルージョンの程度が低いということは、「会社が平等じゃない」とか「組織運営が平等主義ではない」ということを申し上げているのではありません。
ダイバーシティ&インクルージョンの程度が低いということは、その組織が「人口のおよそ半分の知性とパワー」を、いとも簡単に、やすやす、指をくわえて、すべて取りこぼす、ということです。
この人手不足の時代に、労働マーケットの半分を「へーきのへーちゃん」で取りこぼしていても、まったく「ノホホン」としていられるのですから、よほど「プププッ」な経営センスである、ということです。
人手不足が急激に進行するなか、ダイバーシティ&インクルージョンの低い組織に、わたしは、未来があるとは思えません。
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後半部分の「幹部メンバーの在籍年数」は、どれだけ経営陣が固定化されているかです。
ここに新陳代謝がない場合は、新たなアイデアが生まれたり、斬新な組織運営を行うことができない割合が高まります。イツメン(イツもの、メンバー)が集うボーイズクラブは、次第に、まったり、ねっとり、ねちゃねちゃ、してくるものです。
最後の「既存メンバー数における新規メンバー数の割合と直近1年の退出率」は、この組織に「出入り」がどれだけ生じているか、です。既存メンバーの自然減、ある程度のターンオーバー(退出)は、問題ありません。ただし、既存メンバーに対して新規メンバーがあまりに入ってこなければ、やはり、組織は、こってり、もっさり、どん臭くなっていきます。
また「直近1年の退出率」は、新規メンバーの、この組織への定着の度合いを、はかることができます。
業種・業態にもよりますが、この退出率が10%を超えるようならば、定着しないことによるコスト(教育・採用コスト)が生じていることになります。要するに、組織のなかに何らかの「病」が生じている可能性が高いです。
出入りが極端に低い組織は、活性化しません。
よって未来はありません。
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今日はいろいろ数字のお話をしました。ただ、別に「特効薬」になるようなものをお話したわけではありません。これ以外にもたくさんあると思います。「年齢別の評価グレードの割合」とか「男女事の昇進比率」とか、すこしブレストすれば、ナンボでもでてきます。よって、ぜひ、みなさん創意工夫を用いて
自分の組織を見える化する、自分の組織にもっともフィットした指標を、自らつくりましょう!
たいていの場合、「足し算・引き算・かけ算・割り算」だけで算出できる数字でも、組織のなかを「ある程度」は推し量ることができます。
ちなみに、ちなみに、すこしだけ「プチ背伸び」をいたしますと・・・
データは「クロス(かけ算)」されて、はじめて付加価値がでます!
できれば、これらのデータ(指標)に対して「年別推移(時間軸)」と「職場別(部門別)」などの軸をもうけてクロス集計してみてください。
たとえば
「年代別の男女比率」×「年別推移」
「新規メンバー数の直近1年の退出率」×「職場別集計」
のように。
これだけで、さらに多くの「ズレ」や「違い」が顕在化するはずです。そこに新たな「発見」が生まれることもあります。同じテーブルの上で、「ズレ」が顕在化するから、対話が生まれます。
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HRのデータ活用、データにもとづく人事とかいっても、何も「小難しいこと」からはじめる必要はありません。たいていの場合は、「足し算・引き算・かけ算・割り算」で十分です。
小難しい分析やビックデータをひっぱりだしてきて「大発見です!欠勤が多くなれば、離職率が増えます」みたいなトートロジカル(同語反復)な発見をしても、経営的には意味がありません。
地道に、地道に、数字で組織を推し量りましょう。
そして、できれば、自分の組織の指標は、いつでもさっと見られるように、ダッシュボードに、自動集計しておきたいものですね。
そして人生はつづく
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