2021.10.27 08:11/ Jun
あなたの組織では「ダメ出しウィルス」が感染爆発していませんか?
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せんだって、演出家の鴻上尚史さんの著書「演劇入門ー生きることは演じること」を読んでいたら、興味深いことが書いてありました。
鴻上さん曰く、
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「この演出家の指示のことを、日本ではダメ出しといいます。
僕はこの言葉が嫌いです。
ダメだしということは、ダメ、つまりは、マイナスなことしか言われないということです。何が悲しくて、けなされるために、演出家の周りに集まらないといけないのでしょう。
ここはよかったよ、とポジティブなことも言われるから、ひとは集まれると思うのです。
英語では「Note」といいます。
演出家のノートに書いてあるものを言いますよ、そこには、良いことも、悪いことも書いてますよ、という意味です。
僕は、日本でも、この言い方が定着しないかな、と思っています」
(同書p84より引用)
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まさに慧眼。この御指摘、日本にある「ダメだし文化」を批判なさっていると感じました。これと同様のことは、僕もいつも感じています。日本におけるフィードバックの多くは、謎のダメ出し文化に汚染され、いつも、負の方向ばかりに向きやすいと思うのです。
フィードバックとは、そもそも「相手の行動のプロセスやアウトプット」にまつわる情報を、相手に「おかえしすること」です。それは相手にかえした情報が、相手の行動を補正し、相手が成果創出を行えるサポートになりうるからです。
そして、そうした情報には、そもそも「ポジティブも、ネガティブも」ありません。また「辛口も、甘口もない」のです。ポジもネガも含めて、観察したものを「鏡」のように返せばいいのです。
つまり、鴻上さんが言うように「Note」でいい。
すなわち、ポジとかネガとか、辛口とか、甘口とか、そういう次元で物事をとらえるのではなく、「Noteに書いてあること=相手にまつわる情報」をただ返せばいいのだと思います。
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今日は鴻上さんの演劇論から、フィードバックについて考えてみました。
あなたの組織は「ダメだし文化」に汚染されていませんか?
あなたの組織の管理職は「ダメだし・フィードバック」ばかりを行っていませんか?
ダメ出し文化の厄介なところは、「伝染する」「感染する」ということです。世代を超えて、上のひとが、かつて若い頃に自分が受けた「ダメだしフィードバック」を、下の世代に繰り返す。そして、世代継承されていく。
あなたの組織では「ダメ出しウィルス」が感染爆発していませんか?
そして人生はつづく
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秋・冬・・・いよいよ卒論・修論・博論シーズン到来ですね。
毎年、同じ事を申し上げていますが、再掲しておきます。
論文執筆8か条!
【卒論・修論・博論を書いている皆様へ】
1.こまめにセーブ
2.バックアップは複数で
3.印刷はお早めに
4.手洗いうがいで、体調管理
5.睡眠快眠、よい論文
6.今日も執筆、明日も執筆
7.終わった論文が、よい論文!
8.完璧めざすより終わらせろ!
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あと数ヶ月あれば、
もっとよい論文が書けたのに・・・。
20年間、論文指導してきた経験でいうと
これは「幻想」です。
先延ばしても
論文のクオリティは変わりません。
今、できないものは
先延ばしても、できません。
書けるところから、書く
毎日書きつづける。
これに尽きます。
やるなら
今しかない
完璧めざすより、終わらせろ!
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