2020.8.24 08:42/ Jun
従業員調査のデータは「一人歩き」して、勝手に「現場を改善」してくれない!
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せんだって、パーソル総研さんが主催されている、次世代人事リーダーの養成塾「HRリーダーズフォーラム」に講師として登壇した際(監修もお引き受けしております、村山さん、秋山さん、後藤さん、渋谷さんなどなど、パーソル総研の皆様もお疲れ様です)、あるHRの担当者の方から、素晴らしい事例を伺いました。
僕の講義は「サーベイフィードバック型の組織開発をいかに行っていくか」という内容でしたが、その会社では、2年に1度行われている従業員調査を組織の活性化につなげる「仕組み」をもたれているというのです(Iさん、情報をありがとうございます)
曰く
1.従業員調査は2年に1度おこなわれている
2.部署事のデータ分析は、部署に在籍する「伸びしろのあるミドル」に敢えて任せる
3.伸びしろのあるミドルは、「ひとつ上の視点=経営的視点」から部署全体の活動や組織状態を見つめる機会をもつ
4.部署事ごとにデータを分析する場合には、部署の課題と、全社課題を腑分けすることを求められる
5.部署事の課題は部署で組織課題とした把握したうえで、その改善につとめる。組織課題の解決には、社長から報償が与えられる
6.全社課題は、人事が引き取り、全社で取り組む
7.従業員調査を行ったときから上記のサイクルが回ることが設計されるため、しっかりと組織課題を解決できる
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音声を録音していたわけではないので、漏らしている情報や聞き間違いもあるかもしれませんが、要点は、このようなかたちでした。素晴らしい事例です。
ポイントは、「従業員調査を行ったときから、その調査の結果が、どのように分析され、誰が責任をもち、どのように課題解決にやくだてられるか」が、しっかりと設計されている点だと思います。
これに対して、世の中にあまたある「残念な従業員調査」は、
1.調査の前には、何にも、あとのことは考えておらず
2.とりあえずデータだけをとって
3.誰がデータ分析を行うかも示されず
4.データを誰が責任をもって、何に役立てられるのかも考えておらず
5.結局、現場に負担をかけるだけで、調査のデータが何にも活かされない
となってしまいがちですね。
素晴らしい事例を参考に、今後のあり方を見直したいものです。
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従業員調査は、現場を変える、現場のPDCAを回す素晴らしい武器になりえます。
しかしながら、
調査データが「一人歩き」して、勝手に「現場の改善」を導いてくれることは、ほとんどありません
調査を行う前に、調査の結果が、誰が、どのようにかかわることで、何に役立てられるのかをしっかり設計しておきたいものです。
そして人生はつづく
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追伸.
集中講義3日目です! オンラインで頑張ります!
なお、「ひとづくり・組織づくりの大学院」立教大学大学院 経営学研究科では、9月19日10時30分(土曜日)から、オンライン入学説明会を開催させていただきます。
金曜日・土曜日の授業開講、フルオンラインで、修士(経営学)が取得できます。20名弱の大学院生がすでに学んでいます。
近日募集がはじまりますので、どうぞスケジュール帳への記載をお願いいたします。
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