2020.6.15 12:41/ Jun
「ウィズコロナの長期戦、ニッポンの「学び」をアップデートせよ!: 新型コロナ感染拡大、そのとき子どもの学びに何が起こったか!?」
というオンラインイベントを、6月14日、日本全国・世界各国から460名の参加者を得て、無事終えることができました。関係者のみなさま、ご参加いただきましたみなさまに、この場を借りて御礼を申し上げます。
このイベントは
1.4月ー5月と日本全国の学校が「とまって(休校)」しまったとき、
2.子ども、保護者、教員に「何」が起こったのかを調査で把握し
3.迫り来る第二波・第三波に備えて、何を今からしておかなくてはならないのかについての「作戦会議」をすること
を目的に実施されました。
2の「調査」は、多くの学校が臨時休校においこまれた4月ー5月のあいだに、定量調査・定性調査あわせて、立教大学中原淳研究室のメンバーによって実施されたものです。
今回のオンラインイベントでは、そのうち「高校生の学習時間」と「学校や親のかかわり」について焦点をあてて分析をすすめました。
当日の配付資料を下記に無償で公開させていただきます。
どうぞ各自ダウンロードいただき、今後の実践に、今後にお役立てください。
なお、今回の調査データは「高校生」についてのものです。しかしながら、これは「企業のなかでも、学びが止まってしまったとき」に何が起こるのか・・・とりわけ新入社員に何が起こるのかを解釈する上では、参考になるところもあるのだと思います。
もちろん、解釈の幅は限定的にならざるをえませんが
会社での「学び」がとまってしまったとき・・・
新入社員に何が起こるのか、を「紙上妄想」し、対話を深めていただくこともできるのかな、と思います。
それぞれの文脈にひきつけて、今後の実務にお役立てくださいませ。
緊急事態下に研究者にできることは多くはありません。みなさまの「対話のよき種」になり、迫り来る第二波・第三波で「学びをふたたびとめないこと」につながることを願っております。
【無償大公開】
高崎美佐・村松灯・田中智輝・中原淳(2020)「立教大学経営学部中原淳研究室 そのとき学びに何が起こったか :高校生の学習時間に焦点をあててー新型コロナ感染拡大による学習環境の変化に関する調査報告会. 当日配布資料」 http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/online_manabitomeruna2020-1.pdf
中原淳(2020)「立教大学経営学部中原淳研究室 そのとき学びに何が起こったか :高校生の学習時間に焦点をあててー新型コロナ感染拡大による学習環境の変化に関する調査報告会. 趣旨説明」 http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/nakahara_goaisatsu-1.pdf
(本著作物の引用の際には、上記の引用表示をお願いいたします)
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調査では、休校期間の高校生の学習時間がどのように変化したのかを追っていきます。
そのうえで、それがなぜ生じたのかを掘り下げます。
よく巷では、こうした話題の時・・・
「公立校はイマイチ」
「私立校はちゃんとしてる」
ということが話題にでますが、調査結果は、こういう「常識にとらわれたものの見方」を裏切ります。
「公立と私立」には、統計的有意なほどの差があるとは言えません。
それでは何が学習時間を左右していたのでしょうか・・・
詳細は・・・報告書をご覧いただきたいのですが、そのうちのひとつは・・・
学校(教師)と子どものあいだに「コミュニケーション」が成立していたかどうか
ということです。
すこしだけ妄想を膨らませて言うと、
学校が「危機」を認識し、緊急事態下のリーダーシップを発揮し、子どもとのあいだのコミュニケーションを維持できたか、どうか
ということです。
詳細は、どうか調査結果をご覧ください。
高崎美佐・村松灯・田中智輝・中原淳(2020)「立教大学経営学部中原淳研究室 そのとき学びに何が起こったか :高校生の学習時間に焦点をあててー新型コロナ感染拡大による学習環境の変化に関する調査報告会. 当日配布資料」 http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/online_manabitomeruna2020-1.pdf
中原淳(2020)「立教大学経営学部中原淳研究室 そのとき学びに何が起こったか :高校生の学習時間に焦点をあててー新型コロナ感染拡大による学習環境の変化に関する調査報告会. 趣旨説明」 http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/nakahara_goaisatsu-1.pdf
なお、今回の分析は、あくまで「学習時間の長短=学習習慣の持続化」に焦点をしぼったものです。
より高次な学習、キャリア、ポストトラウマティックグロウスなどは、別に質問項目がございます。こちらに関しては、今後の研究の進展をお待ちくださいませ。
▼
つぎに調査は、休校時の「親と子どものかかわり」について話題をすすめます。親のかかわりがあるか、ないかによって学習時間は変動します。
しかし、親からのかかわりが「ありすぎて」も、いいわけではありません。
親と子どものあいだにストレスが生じることもあるのです。調査では、そのあたりも分析を行っております。
また、この休校期間に「誰にも相談できず、孤独に陥ってしまったひと」もいます。
緊急事態下では、決して「孤独になってはいけないこと=つながりを保つこと」が重要であることを調査結果は示しています。
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さらにさらに、な、な、なんと・・・今回のイベントに参加いただいていたグラフィックレコーダー・ワークショップデザイナーの仲沢実桜さんが、今回のイベントの様子をグラレコにしてくださいました。
ご本人にご了承をえて、下記に代理投稿をさせていただきますので、どうぞご高覧くださいませ。すごいー。シンポジウムのプロセスが、凝縮されて表現されていて、びっくりしました。
仲沢実桜さんのグラレコ1枚目(元ファイル)
http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/nakazawa_1l.jpg
仲沢実桜さんのグラレコ2枚目(元ファイル)
http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/nakazawa_2l-1.jpg
仲沢実桜さん(グラフィックレコーダー・ワークショップデザイナー)
https://twitter.com/30_stardust/
いやー、ありがとう。
図工2としては、そのクオリティに、腰が砕けました。
ちなみに、仲沢さんとは、一昨年わたしが、講師のひとりをつとめる「ワークショップスピリット」というセミナーでお会いして、そこでひときわ、鋭く的確なコメントをする若者がいるな、と思っておりました。物事をよく「観察」していらっしゃる様子が非常に印象的でした。
このようなかたちで、ふたたびお会いできたことを心より嬉しく思います。
本当にありがとうございます。
感謝!
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最後になりますが、本オンラインシンポジウムに企画、調査にご協力いただきました、NPO法人カタリバの今村久美さん、加賀大資さんふくめ、同NPOのスタッフの皆さんに心より御礼を申し上げます。
わたしもカタリバの理事のひとりですが、本コロナ禍において、カタリバは大きく事業を転換し、これ以上、子どもたちの格差を広げない施策に取り組んでいます。
下記の事業なども、ぜひご覧いただけますと幸いです。
キッカケプログラム『奨学PC』ついに66世帯に発送![代表のつぶやき]
https://www.katariba.or.jp/magazine/article/voice200607/
「コロナ禍の不安に寄り添い、新しい風を送り込みたい」不登校支援に取り組むおんせんキャンパスの挑戦
https://www.katariba.or.jp/magazine/article/report200605/
どんな環境にいる子どもたちにも届けたい、オンラインの居場所サービス「カタリバオンライン」
https://www.katariba.or.jp/magazine/article/report200403/
緊急事態宣言から1ヶ月。 アダチベースが伴走する、困難を抱える子どもたち
https://www.katariba.or.jp/magazine/article/report200507/
また、シンポジウムのパネラーをつとめていただきました、東京都立日野台高等学校 佐々木宏先生、N高等学校の片野優さんにも心より御礼を申し上げます。リアルなお話は、非常に情報と示唆に富んでおりました。
また質問紙調査にご協力いただきました3000人弱のみなさま、また21名のヒアリング調査にご協力いただきましたみなさまにも熱く御礼を申し上げます。みなさまからいただきました声は今後分析を急ぎ、書籍のかたちでまとめさせていただきたいと考えております。
本当に最後の最後になりますが、少しだけ、手前味噌な話をお許しください。
実は、今回の調査は、「本当に、本当に、本当に」過酷で大変なものでした。
緊急事態宣言が出され、これからがどうなるか見通せなくなるなかで、研究室の3人のスタッフが、非常にタイトなスケジュールの中、本当に頑張ってくれました。
実は、この調査、フルオンラインで企画され、フルオンラインで実施されたものなのです。しかも時間的猶予はまったくないなかで、本当に過酷なスケジュールでした。中原の「過酷なリクエスト=無茶ぶり」や「おい、今からかよ、というフィードバック」は、きっと1度や2度ではなかったでしょう(2度あることは3度ある、笑)。本当にありがとう。
この場を借りて、立教大学経営学部の田中智輝さん、高崎美佐さん、村松灯さんには心より御礼を申し上げます。
今回の調査研究が、博士号を取得したばかりの皆さんが、より大きく飛躍していくことにつながることを願っております。ありがとうございました。
よき研究とは、実践的である
わたしどもは、そのような研究を社会にお届けするべく、さらに努力を積み重ねます!
そして人生はつづく
高崎美佐・村松灯・田中智輝・中原淳(2020)「立教大学経営学部中原淳研究室 そのとき学びに何が起こったか :高校生の学習時間に焦点をあててー新型コロナ感染拡大による学習環境の変化に関する調査報告会. 当日配布資料」 http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/online_manabitomeruna2020-1.pdf
中原淳(2020)「立教大学経営学部中原淳研究室 そのとき学びに何が起こったか :高校生の学習時間に焦点をあててー新型コロナ感染拡大による学習環境の変化に関する調査報告会. 趣旨説明」 http://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/06/nakahara_goaisatsu-1.pdf
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【ウィズコロナを乗り切るための調査報告・マニュアルたち】
中原研究室・中原ゼミでは、この調査以外でも、新型コロナウィルス感染拡大を重く受け止め、人材開発・組織開発に何ができるかを考えてきました。
3月以来、研究室内外の志をともにするひとびとと協働しつつ、人材開発・組織開発の知見をもちいた研究資料、実践のヒントになるような資料を無償で公開して参りました。
研究者にできることは限られておりますが、これらの研究資料をきっかけに、社会に希望を導く対話が生まれることを願っております。
下記、ご覧くださいませ。
▼
ウィズコロナ時代の就活代名詞「オンライン面接の可能性と課題」を探究する調査報告書が完成しました!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11798
サーベイフィードバックによる組織開発「超」入門!:ステイホームでのゴールデンウィーク中の学びにお役立てくださいませ!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11624
「学びをとめないオンライン教育」推進のためには「学び直しの機会」の創出が必要だ!:ニッポンのオンライン授業カンファレンス2020事後アンケート速報!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11571
ニッポンのオンライン授業カンファレンス2020、オンライン授業のノウハウ動画を無料でどなたでもご覧いただけます!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11523
「オンライン授業」のための「最も大切なノウハウ」だけをまとめたスライドを、無償でダウンロードいただけます!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11472
オンラインゼミ・チームビルディングの企画・運営マニュアルができました!:どなたでも無料でダウンロードいただけます!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11415
緊急アンケート結果報告:4月以降の新入社員教育をどのようにデザインするか?:
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/11319
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