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2020.5.11 08:16/ Jun

一度も会社に出社したことがない「今年の新入社員」が欲しているものとは何か?

 今年の新入社員は、オンラインで新人研修が行われた最初の世代であり、なかには、すでにリモートワークで、実際の職場に配属されている方も少なくありません。
   
 昨今では、そうした新入社員を「リモートネィティブ」と呼ぶむきもあるようです。ITスキルは高く、そうした過酷な環境のなかでも、何とか順応しようと懸命に努力なさっている方が少なくないと聞きます。
 
 しかし、一方で、やはりその環境は「過酷」だなと思います。
  
 ひとにもよりますが、
    
 今年の新入社員のなかには「会社に一度も通ったことのない社員」もいらっしゃいます。
  
 当然のことですが、会社に一度も通ったことがないので、会社や職場の空気感、一緒に働く社員や先輩・同期の様子、工場や現場の感覚・・・そうしたリモートワークでは、なかなか伝わりにくい「アナログの感覚」が、得られていません。そこに何らかの戸惑いを感じます。
     
 ここ一週間ほど、ゆえあって、彼らの声を聞く機会があったのですが、聞こえてきたのは、そうしたことに関する戸惑いでした。研修がデジタルであることや、オンラインであることに、不安をもっているひとは、あまりいない印象です。
     
 反面、「アナログなこと」といいましょうか、現在の状況に対する「心理的な不安」や「戸惑い」を感じておられる方がいらっしゃるような印象を受けました。 皆さん、自分が新入社員のときのことを思い出しながら、想像してみてください。
    
 「ただでさえ、右も左もわからず、会社にはいって、誰1人知っているひとがおらず、右往左往している」のが平時の新入社員。
    
 しかし、緊急事態下の今年の新入社員は、「会社に入ったこと」も、「ひとにあったことも」なく、自宅でひとりPCに向かっているのです
       
  彼ら曰く、
  
 「会社に一度も通ったことがない」のに、給与だけは振り込まれていて、「仕事をしている実感」が得られない。これで本当によかったのかなと思う。
  
 同期とは個別にLINEで連絡をとりあっているけれど、そのひとが、どんな背格好のひとなのか、想像ができない。はやく対面で、じっくりと話をしてみたい。
  
 自分の会社はリモートワークに社員が慣れておらず、まだ会社の仕事が本調子で動いていないけれど、大学時代の同期のなかには、バリバリとリモートで仕事をしているひともいる。本当に、この会社でよかったのかな、と思う。
  
 一応、現場に配属され、OJT期間と言われているが、何をどうしてよいか、わからない。リモートで先輩に仕事の質問をするのは、どうしても気が引けるが、それだと何の仕事もできないので、不安になる。
  
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 僕が強く思ったのは、「研修をいかに受けるか」とか「OJTをいかに進めるか」とか「働くことにいかに向き合うか」のはるか「以前」に、「現在の状況」に根源的な「不安」や「戸惑い」をもっているのだな、ということです。
 先だっては、そんな彼らの苦労を感じつつ、僕は、「しかし、それは、あなただけではないからね、大丈夫だよ」と心から思いました。
  
 まぁ、ふだんは「明るい若者たち」なので、外見からは、なかなか、わからないけれど・・・。
  
 まぁ・・・とはいえ、この現実、まだまだ先が見通せません。
 現在の感染拡大が続く限りにおいて、このサスペンドされた状態は続く可能性が高いのも、また事実です。地道ではありますが、結局は、「お互いに話をする場所」「話を聞いてあげる場」をつくることくらいしか、あまりできることはないのですが・・・。地道すぎる解ではありますが、そうした「つながり」とサポートを、いつも以上に強くしてあげる必要があるように思います。
  
 ▼
  
 今日は新入社員のことを書きました。

 今年の新入社員は、新入社員時期を「100年に1度の逆境」のなか、迎えることになってしまいました。
 不幸なことですが、それ自体は「変えられぬ事実」です。

 しかし、そこから「自らが何を為すか」は「変えられる事実」です。
 何とか、自ら様々な場所にフィードバックやサポートを求め、レジリエンスを発揮して欲しいものです。
   
 大丈夫。
 明けぬ夜は、ない。
    
 そして人生はつづく
   
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