2020.4.1 08:48/ Jun
オンラインでの部下育成は「沈黙怖いから、まくしたてて、あっという間に終わる」に要注意!
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新型コロナウィルス感染拡大で、リモートワークをなさっている方は、おそらく格段に増えたものと思います。2012年には10.6%、2016年には14.8%程度しかいなかったリモートワーク(総務省「通信利用動向調査」 2018)。
しかし、おそらくそこから4年後の2020年には、この値が爆増することは間違いないと思います。やむにやまれず・・・致し方なく。
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ところで、リモートワークが、すこしずつ常態化してきたこととあいまって、オンラインの環境下で「部下育成」をどのように行うかが、今後の社会課題になりつつあるような気がしています。
リモートワークで1on1をどのように行うか?
リモートワークでフィードバックをどのように行うか?
リモートワークで部下面談をどのように行うか?
こうしたことが、今後、確実に問題になってくるのではないでしょうか。
実際、今年の新入社員は、入社式も中止され、今日、新年度から自宅で研修しているひとも少なくありません。彼らに対するOJTをどうするのか。もうすでに、社会課題が生まれつつあるようにも思えます。
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実は、「遠隔環境下での上司ー部下間のフィードバック(部下育成)」に関しては、去年、中原ゼミの学生が、ちょっとした「プチ実験」をしたことがあります。
実験を行っていたのは、3年生の柴井伶太さん、我妻美佳さん、島田有美さんらの研究グループです。お疲れさん。今日は、彼らの研究を引用・ご紹介して、オンラインでの部下育成について考えてみることにしましょう。
彼らは、オンラインでの上司ー部下間のフィードバックがリモートのときと対面状況下では、どのように変わるのかをプチ研究で明らかにしようとしました。
30人ほどの実験参加者をつのり、オンライン環境下と対面状況下にわけて、同じフィードバックのロールプレイを行ってもらい、それらがどのように異なってくるのかを、ゼミの探究課題で取り組んだのです。
この実験、プチ実験ですので、厳密に統制を行えたわけではないのですが、実験の結果は、個人的にはなかなか面白いものでした。
ざっとですが・・・
1)同じフィードバック課題であるのにもかかわらず、オンラインフィードバックの方が所要時間が有意に短くなる(端的に本題に入ってしまう)
2)オンラインフィードバックでは「相手の沈黙」が怖く感じる。よって、オンラインフィードバックの方が、一方向に言いっぱなしになる
3)オンラインフィードバックの方が「集中力」に欠ける
なんてことがわかりました。
言われてみれば、そうだろうな、と思うことですが、ひとつひとつ確かめていくことが重要であろうと思います。
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皆さんも、先ほどの結果から、なんとなくイメージがつきますでしょうか・・・
要するに、オンラインでのフィードバックのキーワードは
沈黙怖い
まくしたてる
でも聴いてない。
あっという間に終わる
になっちゃいがちだよ、ということですね。
あべし。
コロナウィルス感染拡大の「長期戦」が予想される現在においては、今後のリーダーや管理職は、オンラインでいかにフィードバックを行うかのトレーニングや知識獲得を行っておかなければならない、ということになるのだと思います。
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実は、この「プチ実験」には後日談があります。
彼らが、この実験を、多くのレビュアーの方々にプレゼンさせていただいたところ、今から1年半前は、「オンラインのフィードバックは、行っているひとも少なくないので、人事の課題ではない」というコメントをいただきました。
それもおっしゃるとおりだと思います。1年半前だと、たしかにあまり必要性がないかもしれない。実質、彼らは、この研究を途中でやめて方向転換を行いました。
今から考えれば筋はよかったんだけどね。でも「早すぎた」。「早すぎたオンラインフィードバック研究」でした。残念・・・(泣)
しかし、それから1年半たった今・・・・
新型コロナウィルス感染拡大・・・
なんと、はからずも、オンラインフィードバックに関する彼らの探究が、必要性を増してきた、というのは、非常に皮肉なことです。
ま、人生、何が起こるかわからないけれども(笑)。
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今日はオンラインでのフィードバック(部下育成)について書きました。
オンラインでの部下育成は、
沈黙怖い
まくしたてる
でも聴いてない。
あっという間に終わる
に注意ですよ。
プチ知見を出してくれた、彼らに感謝です。
そして人生はつづく
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「フィードバック入門」13刷、「実践!フィードバック」が重版5刷です。ハラスメント時代に必要な部下育成の技術がフィードバック。耳の痛いことをいかに部下に通知し、そこから立て直しをはかることができるか。全国各所の管理職研修で用いられています。はじめてリーダーになる方、管理職になる方におすすめの2冊です。どうぞご笑覧くださいませ! この書籍をベースにした映像教材、通信教育教材、研修などもございます。
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