2019.9.19 06:40/ Jun
「対話」をすっ飛ばした「組織開発とは言わない組織開発」が増えている!?
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一般に組織開発とは「組織をWORKさせるための意図的な働きかけ」のことをいいます。
組織は今日も「順調に課題だらけ」です。そうした組織の抱える課題に対して、みなで、解決していったり、対処していったりするものが、組織開発です。
具体的には、
1.見える化
ふだんは見つめていない組織の課題を「見える化」すること
2.ガチ対話
見える化させた組織の課題を、関係者一同が見て、話し合うこと
3.未来づくり
自分たちの組織の未来を、自分たちで話し合って、自分たちで決めること
をいいます。
これまで「非常に複雑怪奇であった組織開発の様々な手法」を、この3つのプロセスにシンプルに表現したのが去年上梓させていただいた「組織開発の探究」です。この元になった僕の講演がこちらです。
「組織開発」再考:理論的系譜と実践現場のリアルから考える(中原の講演)
http://rci.nanzan-u.ac.jp/ninkan/publish/item/16_07_03.pdf
この講演では、組織開発の100年の発展の歴史をひもとき、上記の3つのプロセスに集約されていくプロセスを論じました。この講演がきっかけで、中村和彦先生との共著が生まれることになったことはうれしいことです。
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ところで、先だって、僕の講座「ラーニングイノベーション論」に、南山大学の中村和彦先生にお越しいただいた際、先生がおっしゃっていたひと言が、非常に気になっておりました。
それは
「組織の課題を見える化するところまではするんですけれども、その後、対話をせずに、そのまま未来づくりで解決策を決めちゃうんですね。そういう組織開発ではない組織開発がよく見受けられます」
といった一連のお話です(ICレコーダを持っていたわけではないですが、メモより再現すると、こうしたお話であったと推察します)。
より具体的にいえば、たとえば
1.HRテック系のツールを導入し、組織課題を「見える化」するまでは行った。しかし、それについて話し合うことは全くせずに、すぐに、その対処を行う人事施策を導入した。ふってわいた人事施策に現場は動揺した
(先日、ある方から、中原さんってHRテック嫌いですよね・・・と言われました。嫌いじゃありません。むしろテクノロジー大好きです。HRテックは嫌いではありません。ただ、HRテックが安易に導入され、現場を混乱させたり、効果性を果たさない事態が生まれているのだとしたら、その現状は嫌いです。20年、この領域で生きてきて感じるのは、テクノロジーそのものが現場の変革につながることはありません。テクノロジーが現場に解釈され、意味づけられ、用いられたときに、現場を変えます。いつだって、大切なのは現場です)
2.組織調査を行って、組織課題を「見える化」するまでは行った。しかし、現場にそれを返すのは面倒なので、管理職だけに結果を返し、なんとかかんとか対処するように指示した。「なんとかかんとか、せい」と言われても、管理職は当惑した
といった事例でしょうか。
僕自身も、最近、企業を訪問させていただいた際、よく見聞きする事例です。
「あるある」すぎて、首がもげそうです(笑)
ま、「なんとかかんとか、せい」と言われてもね。
合掌。
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「見える化ーガチ対話ー未来づくり」・・・どう考えたって、このうち、一番面倒で、だからこそ、一番省かれるものは、その中間項に存在する「ガチ対話」です。
1.対話の時間を確保することが難しい
2.ガチって言われても、どんな不満が現場から吹き出してくるかわからないので、パンドラの箱を開けたくない
かくして、対話をすっ飛ばした「組織開発とは言わない組織開発」が増えていくのかな、と思いました。
なら、組織開発やらなきゃいいのに(泣)
あなたの会社の組織開発は、組織開発してますか?
あなたの会社の組織開発は、対話をすっ飛ばしていませんか?
そして人生はつづく
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