2019.9.13 05:57/ Jun
人事・教育の領域において
「ハウツー(How to : やり方)」とか「手法」とか言われるものは、どちらかといえば「低級なもの」として嫌われる傾向があります。
たとえば
「そんなの、ハウツーじゃないか」
「手法なんてくだらない」
のように。
こうしたことを叫ぶのは、高邁な理論や思想をよしとする人であればあるほど、そうです。
彼らは、「ハウツー」や「手法」を「低級なもの」とし、「理論」や「思想」を「高級なもの」とします。別の言葉でいうならば、「実践」や「やってみること」を「低級」なものとし、「理論」や「思想」を「高級」なものと位置づける。
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しかし、世の中には、そうした「思想家」には「二種類の人種」がいることを見極めなければなりません。
「ハウツー」や「手法」は最低限、自分で実践できて、そのうえで、「ハウツー」や「手法」を「低級なもの」と位置づけている人種
と
低級だとする「ハウツー」や「手法」すら自ら実践できないくせに(できないから)「ハウツー」や「手法」を「低級なもの」と位置づけている人種
です。
前者の場合は、何も言うことはございません。
自ら実践できて、それでも、理論や思想が大切だといっているので、何も申し上げることはございません。
ただ・・・後者の場合には、注意が必要です。中には貴重な指摘をしているものもございますので、峻別は必要ですが、その中には「アイデンティティ問題」が隠されている場合があるのです。
すなわち、ハウツーや手法を「低級なもの」と位置づけるのは、彼らが、自ら「実践できないから」です。つまり、理論や思想しか語れない自分の「アイデンティティ」を守るために「ハウツー」や「手法」をさげすんでいる場合がありえます。他を攻撃することで、自らの存在意義を守る。
つまり、
ハウツーや手法をさげすむのは「アイデンティティ問題」でもある
ということです。
つまりは「アイデンティティクライシス」
あー、言っちゃった(笑)。
個人的には、そうしたアイデンティティ問題は、青年期に、部屋でひとりひざを抱えて、自ら処理してきてほしいのですが、シャバの世界では、そうなっていません。
▼
実践的な領域は、やはり
自らやってみること
自ら実践できること
にもそれ相応の「価値」があるものだと思います。そこに一定のリスペクトを置くことが重要です。
少なくとも、僕は「低級」「高級」という二分法で、物事を考えたくない。
「理論」や「思想」も重要。
しかしながら、物事を変えるためには、同時に「ハウツー」や「手法」も大切なのです。
少なくとも、低級だとか、高級だとか言うまえに、
まずは自分でやってみて
まぁ、「自分でやってみなくても」いいけど・・・せめて「実践するひと」や「やってみるひと」や「現場にたっているひと」は、リスペクトしよう。あんまりdisってると「OKY」って言われちゃうよ。
O(おまえが)
K(きて)
Y(やってみろ)
(笑)
まぁ、誰も責めないから、
青いお空の下で、スーハー、スーハーと深呼吸でもして、心に余裕を持ちなさいな。
話は、それから。
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そして人生はつづく
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