2019.7.25 06:00/ Jun
「わたし、最近、人材開発や組織開発の世界に、異動してきたばかりなんです。ちょっと前まで、事業部で、ぜんぜん、違う仕事をしていたものですから、どうやって、やってよいか、わからないんですよね。自信がありません」
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仕事柄、多くのビジネスパーソンにお逢いしますが、ジョブローテーションの慣行が確立している、この国では、ある日突然、人事部、人材開発や組織開発の部署に「異動」になるとといったことが、よく見受けられます(海外では、人材開発も組織開発も、専門的な仕事と見なされているところが多いと思います)。
冒頭にご紹介させていただいたご発言は、その「典型パターン」です。人事部署に異動してきたばかりで、何をどうしてよいかわからず、途方にくれるといったことがよくあるようです。
こうしたご発言を耳にするたび、ぼくは、境遇に深く同情しつつも、でも、一方で、
「大丈夫です。人材開発も、組織開発も、必要な知識は多くないから、すぐに、追いつけますよ。しかも、人と組織の知識は、そう簡単に変わりません。人材開発・組織開発の知識は、パーマネント(永久)に使える知識です。このあとのキャリアで、万が一、人事部署を離れてラインに戻っても、自分の若手をどう育てるのか、どういう風にチームをつくるのか悩んだときに、使えますよ」
と明るくご説明しています。
「だから、学んでみましょうよ、やってみましょうよ」
と。
それでも、なかには
「やったことがないので、自信がありません」
とおっしゃる方もいらっしゃいます。
そういう方には、
「大丈夫です。研修に登壇して死んだひとはいません。組織開発をして死んだひともいません。十分準備して、やってみて、アカンかったら、あとでリカバーすればいいのです。人材開発も組織開発も、座学でお勉強しただけでは、やれるようになりません。やはり現場で、舞台にたち、自分でやり切ることが重要です」
とご説明いたします。
それでも、まだ及び腰の方には、こういうこともあります。
「大丈夫です。学部生だって、やってます」
「南山大学の中村先生のところのゼミや、立教大学の僕のゼミでは、学生が人材開発や組織開発を、自分たちのゼミ生相手にやることもあります。絶対にできます。最初から、勝手にハードル上げないで、ちょこっと試してみませんか?」
「何も、ビジネスケースに出てくるようなスゴイ人材開発、スゴイ組織開発をしなくてもいいのです。ビジネスは、人材開発選手権をしているわけでも、組織開発選手権をしているわけでもありません。大丈夫です、学部生でもやっているんです」
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今日は、人材開発や組織開発をはじめて手がける方が、よく陥りがちな気持ちについて書いてみました。もちろん、まったくお畑違いの事業部から、人事部署におこしになれば、最初はリアリティショックを感じるでしょうし、御苦労が絶えないでしょう。
でも、大丈夫です。
人材開発や組織開発は「すこしの勉強」と「やってみる勇気」さえあれば、誰でも学べるものだと、僕は思っています。
人材開発や組織開発は「一部のプロフェッショナル」のためのものではありません。
人材開発や組織開発は「みんなのスキル」です。
だから怖がらないで。
勝手に、心のハードルあげないで(笑)
そして人生はつづく
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