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2002/06/02 聖域なき健康改革
僕、身長は178cm。だから標準体重69.8です。
ダイエットと聞くと、「フツウにしていれば可愛い女の子が、好きな男の子に、デブとか言われて、とっても幸薄そうに豆腐食ってる姿」を想像しちゃうけど、僕の場合は、非常に健康的なダイエットをしているのでご安心なく。一度もごはんを抜いたことはないし、運動しなかったことはない。だから貧相にはなっていないハズです。20キロ近く落ちているのに、「あんまり痩せてないな」と言われちゃうしね。
2001年9月18日に「聖域なき健康改革」を宣言して以来、禁煙にも成功、ついに19キロダイエットにも成功しました。 いわゆる<健康>を達成するためには、なんか特別な食品を一時的に食べるとか、そういうのはダメなのです。生活習慣自体をドラスティックに構造改革、これ最高。 これを記念して、出版をしようともくろんでいるんだけど、ダメだろうか。 2002/06/03 i-see 僕の研究室には、IPベースのテレビ電話があります。
何に使っているかっていうと、ズバリ、ミーティングですね。 今年からeXというプロジェクトをはじめました。iii onlineというe-Learningサイトを立ち上げたのですが、このプロジェクト、最近は少しだけ落ち着いたけど、キック当初はものすごく忙しかった。久しぶりに精神と身体の崩壊寸前まで自分を追い込みました。 で、東京大学の山内さんや山内研究室の方々との間で、ミーティングや打ち合わせ、緊急の連絡が頻発しました、今もそうですが。 そのための通信手段として、テレビ電話を用いています。やっぱり顔が見られると安心するのですね。とっても急いでいたり、追い込まれたりしているので、やっぱり相互の顔が見られるのは安心なのです。特にポリティカルな話題が多いときには、テレビ電話、これ最高。これなしでは、Project eXを達成することは不可能、と言っても過言ではありません。 セキュリティの関係もありますので、IPアドレスをここで教えることはできませんが、どなたかH.323でテレビ会議できる方がいらっしゃったら、i-seeしましょう。遠隔ゼミ参加とかもいいかもしれないな。 2002/06/05 JAZZ かなり前に注文していたJAZZのCDが、ようやく届いた。
どれも、有名すぎて鼻血ブーな人たちだ、意味不明。 部屋の電気を暗くして、間接灯でJAZZを聞きながら論文を書いていると、思わず、なんだか急に自分がアダルティな人になったかのような感覚、とてつもない誤解、否、信じられいほど安易な錯覚を覚える。 悪いの? サキソホンがむせびなく。トロンボーンの音が揺れる。 2002/06/09 研修 Webを活用した学習環境デザイン研修、皆様のおかげを持ちまして、プレイフルな会になりました、無事に終了できました。ありがとうございました。
といった根元的な問いから、
といったようないわゆるヒト・モノ・カネ的問題まで、様々なコトが話し合われましたね。 当日の様子は、下記のNIMEのページでごらんいただくことができます。資料等のダウンロードもできます。 また、当日のレクチャーはNTS(NHK Technical Service)の皆さんによってビデオ撮影もされました。このビデオは、今後、NIMEワールドにて放映される予定です。全世界に衛星3つを使って放送らしい。皆さん、お楽しみに。
ちなみに、このNIMEワールド、僕自身は関わっていないのですが、「我が国の高等教育機関等が制作所有する、教育・研究などに関するビデオ教材等を世界に向けて発信するための国際教育チャンネル」です。無料です、無料。 これには同僚の田口さんが関わっています。詳しいことは、田口さん(mana@nime.ac.jp)におたずねください。 何はともあれ、当日ご参加いただいた皆さん、講師の方々、本当にありがとうございました。 2002/06/05 山頭火 山頭火っていっても、旭川ラーメンの有名店じゃないぞ。
この短歌はみんな聞いたことあるんじゃないだろうか。教科書でもとっても有名な人でもある。 彼の短歌で、僕がとっても好きなものがある。
そんな「けふ」に出会いたい。たとえ一日でもよいから、そんな「けふの風」に吹かれたい。 2002/06/12 Learning Science 先日、「Webを活用した学習環境デザイン」研修に講師としてご参加いただいた三宅なほみ先生と、学習研究を学ぶための新たな会を立ち上げるべく、その後、お話しさせていただいている。
まだ予定は未定だが、おそらく、2002年夏から2003年春にかけて一ヶ月に一度、三宅先生に、学習論およびLearning science(学習科学)の最新の知見をレクチャーいただき、ディスカッションする会が立ち上がることになるだろう。 三宅先生のご厚意で2002年8月あたりから実現にこぎつけそうだ。会は土曜日になるだろうか、時間は午後、場所は都内を予定している。 位置づけとしては、今年4月から活動を開始した、LOT(Learning of Tomorrow)研究会のスペシャルイベントとなると思う。事務・運営は、同研究会が母体となって行うことになるだろう。 e-Learningとかでキチンと学習を成立させたい方、そうした方法論に興味がある方にご参加いただければと思う。まだ詳細は決まっていないが、決まり次第、このホームページでアナウンスしますね。そういえば、Cool researchにもe-Learningの近刊紹介したので、見てね! 2002/06/16 コンセプトワーク コンセプトワークというコトバがある。僕はあんまり好きじゃない。それ自体が嫌いなわけじゃないが、僕のまわりでよく語られる「一人歩きしたコンセプトワーク」を嫌っているのかもしれない。 なぜか? コンセプトワークというコトバの背後には、「コンセプトを考えるエライ人」と「ひーこら、ひーこら実働部隊」という2項対立的な人的組織が見て取れる。「僕らはコンセプトワークをすればいいんですよ」という人に限って、手の動く人はいない。現場がどうなるか、そういう想像力も働かない。 「あとは実働部隊にまかせて」「僕らのつくりだしたコンセプトをどう利用するかは、あとは現場の人の勝手」なんて平気のへーちゃんで言っちゃう。 けだし、コンセプトは「これは絶対にカタチになるよなー」という想像力が働いて、はじめて「コンセプト」である。何も動かない机上の空論なんて、コンセプトじゃない。 そんな絵空事、それも最近、日経トレンディとかハーバードビジネスレビューによく掲載されているたぐいの横文字を羅列しただけの、おおよそ工夫がない凡庸なコンセプトなんてアリガタがる必要なんて、全くない。 2002/06/19 近況 今月、ものすごい勢いでいろんなモノを書きましたし、同時に、いろんな場所に移動しました。加えて、これほど人とお話させていただいた月はないんじゃないか、とも思います。狂ったように、動きまわりました。 でも、もうそろそろこの「動きまくり生活」も終わりです。もう少ししたら、少し静かな場所で、少しの時間だけ、過ごそうと思います。久しぶりにゆっくりとした時間を過ごしたいのです。付箋紙に追われない日を数日間だけ送ります。 少ししたら、また、「動きまくり生活」に戻ります。でも、ほんの少しだけメールを見ない日をお許しください。 2002/06/19 焼き畑じゃないんだから 実は、ヤミで僕は社会人大学院・プロフェッショナルスクールの研究をしています。ヤミってことはないか、ちゃんとしているんだけど、まだカタチにはなっていませんね。来春くらいに共編著の本が出版されます。 で、社会人大学院って、今とっても注目されています。 18歳人口が少なくなっているのでね、経営が危なくなるんじゃないか、っていう危惧が大学に広まっているんでしょうね。新たなマーケットとしての社会人という感じの注目のされかたでしょうか。 でもいつも思うのですが、「マーケットとしての社会人」というとらえ方には、恐ろしく社会人をナメているとしか思えないものもあります。 焼き畑じゃないんだから、18歳が少なくなったから、次はベビーブーム世代の社会人だぁ!っていうのはやめようよ、と思います。そんなに社会人甘くはないと思うよ、だって自腹だもん、生活かかってるんだから。 もうひとつあるのが、企業内教育のリソースがなくなってきたから、自分で外で学べ、そのための社会人大学院っていう視座です。これも、確かにそのとおりなんだけど、ウーンと思う。 バブルのときは、やれMBAだ、やれMedia Lab.だと海外に人を送り込んでいたのに、何の制度的支援もなく、あとは「自分で外でやれ」っていうのは節操がないんじゃないか。 そういうエゴイズムを「即戦力」とかいうもっともらしいコトバで、美しいコトバで誤魔化すな、と言いたいですね。 まぁ、そうはいっても、社会的制度はどんどんと変貌をとげているので、仕方がないところもあります。誰にも読めない時代だからこそ、そういう時代なのだ、とあきらめるより他はないところもある。 でも、少なくとも教育関係者が語るロジックとしては、そういうトーンよりも、「人は学び続けるイキモノなのだ」という学習論の根本に帰って、そのための教育環境を整備しよう、という方が納得がいきます。 社会人大学院に関しては、それほど本があるわけではありません。
2002/06/20 ゲンキなマチ、福岡 今年になって、出張が多い。 今取り組んでいるプロジェクトは、いろいろな場所で分散して遂行されているからである。規模はワールドワイドじゃなくて「バリバリ国内」なのが僕らしい。 悪いの? 大学院に入ってからというもの、僕は個人で研究に取り組むことがほとんどない。開発-実装-評価というプロセスをすべて個人の力でやろうとすると、本当に大変である。大変というか無理だ、それは。 閑話休題 出張ではいろいろなマチをお邪魔する。アタリマエのことだと思うが、マチごとにカラーが違う。もちろん、僕の主観この上ないが、マチを訪れるたび、僕は何かを感じる。 大阪は相変わらずだ。「猥雑な素朴タウン」と僕は呼んでいる。しかし、最近、ちょっとゲンキがないように感じられる。京都は、革新的なココロミと伝統との間に揺れているような感じがする。でも、最近はオシャレなココロミが勝っているような気がする。札幌はのんびりと充電している感じがする。 数あるマチの中で、とってもゲンキに感じられるのは福岡だ。福岡の駅をおりたった瞬間、なんだかいつもゲンキになるのは僕だけだろうか。ワカモノたちの顔を見る、なんだか明るい。 福岡、いいなぁと思う。 オマケに福岡は「ヘルシー&リーズナブル出張ピーポー」にはたまらない。夜は井筒屋の地下でヘルシーお総菜+ビールを買い込む。宿は天然温泉つきのビジネスホテル、これも安い、スペックは全日空ホテルに劣らない。朝は駅にある喫茶店で480円のヘルシーモーニング。 福岡、スゴクいいところなんじゃないだろうか。 2002/06/22 教育のタブー 教育の世界にも、触れてはいけないものがある。 例えば、教育とオカネの関係、これなどはタブー領域のひとつとされてきた、といってもいいだろう(今ではそうではないのかもしれないが)。 教育経済学という分野がある。その分野では、たとえば「教育」を投資と考え、そのためのコストとベネフィットの分析などを主な研究テーマとしている。わかりやすいところでは、「大学に入る方が得か、高卒で就職する方が得か?」といったことを考えることもこの領域の知見のひとつである。学歴偏重・学歴インフレ社会の米国に比べて、日本では、大卒と高卒の生涯賃金はそれほど変わるわけではない。こうしたことを各種統計をゴリゴリ駆使して、考察する。 しかし、この領域、言っては悪いが、なかなかメジャーにはならない。僕自身はとっても好きな領域なのだが、こういう研究の話になると、なぜか人によっては顔をしかめる人もいる。 それはなぜか? 簡単なことである。教育を考える人たちの中に、「教育=投資」と考えることは何事か、と考える人たちが多いからである。「教育とオカネ」という最も似つかわしくない2つをクソミソ一緒にして考えるな、というわけだ。 教育は人間の尊い営みであって、それをオカネと関連づけて考察することなどケシカラン、ウサンクサイという話になる。
確かにそうだろう。そうだろうな、とは思う。 僕はそうした考え方を否定はしない。確かに、「人間は学び続ける」と思うし、それは「よいこと」だとも思う。僕もそう信じている。人は学びの結果生まれた心の中に生まれた小さな自信や満足感を糧にして、やはり学び続けるのだろう。僕は学習のそうした側面に全く賛成する。 しかしである。それにもかかわらず、である。 だからといって、「教育=投資」がケシカラン、「教育とオカネ」の関係がうさんくさい、というのは全くをもって賛同できぬ考え方である。 だって、そうだろう。曇りのない目で、自分がたどってきた人生の軌跡を見るがいい。そのときに行った選択のひとつひとつに、そういう経済学的な視点、さらにはそれに引き続く政治学的な理由が関係していなかったか? だって、ものすごく絡み合っていることだろう。アタリマエのことだろう。 教育が「善の営み」であることを信じたいばかりに、その営為を美しすぎるコトバで語り直してはいけない、と思う。それは事実を隠蔽する言説として機能しはじめる。それこそうさんくさい、ピュアじゃない、と僕は思うがどうだろうか。 人は学ぶ。教育は続く。 連綿と続くその営みに、我々自身の多大なリソースが消費されていることから目をそらしちゃいけない。 2002/06/24 俺はまだ学ぶぞ スペインの海外ロケから帰ってきたカミサンが、こんな話をしていた。
これはある画家が、晩年80歳で描いた作品のタイトルである。 かの人は学び続けた人だった。 織物の下絵づくりをしていた修業時代。この世で最も美しい風景画も描いた。最高の技術と言われた。 その後、宮廷画家として召し抱えられ、画家の頂点に上っても、彼の学びは続いた。宮廷人の愚かさや微妙な人間関係を描ききる技術とまなざしを持ち合わせていた。 「栄華」を描ききったあと、作風は一変した。それを支える技術もドラスティックに変わった。
激動の時代のスペイン。その時代を全速力で走り抜けた画家、ゴヤ。 力強い学びの宣言であった。 2002/06/23 - 6/30 ED-MEDIA2002 Tour 米国コロラド州、デンバーのハイアットホテルで開催された国際会議「ED-MEDIA2002」に参加し、研究発表をしちゃいました。今回のツアーでは、CSCL研究で知られるコロラド大学ボールダー校のCenter for Life-Long Learning Design(L3D)と、CCC Onlineとよばれるオンラインコースを運営しているコロラド・コミュニティカレッジも訪問しました。
こんな感じで、ED-MEDIA、先ほどクロージングセレモニーを終えたばかりです。 L3Dにしても、CCC Onlineにしても、学会そのものに関しても、とっても刺激的だった。自分の研究の方向性も、考えさせられました、時差ボケで眠れない夜には。ホストしていただいた皆さん、ご一緒させていただいた皆さん、そして本ツアーをアレンジしてくれた一色さん、本当にありがとうございました。 ED-MEDIA2003、来年はハワイで開催です。来年も是非参加したいですね。いくべし、いくべし、いくべし。 |
NAKAHARA,Jun
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