3. Knowledge Creating Company - 社会での試み -

3.0. 日本企業の憂鬱

ポストバブルの終わりなき日常 - 神話の崩壊 -

  • 「右肩上がりの神話」の終焉
  • 「終身雇用の神話」の終焉
  • 「年功序列の神話」の終焉
  • 「土地の神話」の終焉
  • 未曾有の不況の中での再生・再構築をかけて

  • てっとりばやく現在行われているのが、リストラクチャリング(Restructuring)
  • もともとは、1980年代、未曾有の不況下にあった米国企業で行われた経営手法である
  • 3.1. リストラクチャリングの残した爪痕 - 米国企業の憂鬱 -

    リストラクチャリングによる大量の中間管理職の解雇

  • 人々のもっていた知識(ノウハウや業界の常識)が流出する
  • 経営トップと社員をうまく「媒介」するような存在がいなくなってしまった
  • 企業の中の「コミュニケーションサーキット」が破綻してしまう
  • 「コーポレート・アルツハイマー」という爪痕

    3.2. 企業にとっての知識創造

    企業での仕事は、その大部分が、チームによる協同作業である。

    企業の中で、「ものすごい製品ができるとき=知識創造がおこるとき」の、開発チームの中の「知識の動き方」に注目してみよう。すると、以下のような「知識スパイラル」になった。

  • 暗黙知 - 個人にたくわえられるノウハウや信念
  • 形式知 - 多くの人々で共有可能な知識
  • 人々が「協調作業」をすすめていくあいだで、「知識の形態」がどんどん変化しつつ、知識やモノスゴイ製品を生みだしていく。

    Learning Orgnization  - 学習する組織 -

  • その過程で知識は、様々な人々に分かちもたれ、組織そのものが学習していくことになる。
  • 3.3. 協調的知識創造をめざして - コンピュータによる支援 -

    企業の中でのコンピュータは、これまで財務計算や出勤簿のような「業務の効率化」のために用いられていた。

    人々の「協調活動」や「知識の変換」を支援し、「学習する組織」を作り上げるとしてのコンピュータ

  • コミュニケーションツールとしてのコンピュータ利用
  • GroupwareKnowledge Management Tool

  • 業務のノウハウを語り合える「電子掲示板」
  • ノウハウを物語として蓄積していく、誰もがアクセス可能な「データーベース」
  • ひとつのボードを共有して、会議をすすめることのできる「共有スケッチパッド」

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    NAKAHARA,Jun
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