2018.10.26 06:33/ Jun
最近、本屋をプラプラしていたら、「転職の思考法」という本を手にとりました。僕自身が、ここ1年で転職したからというわけではないのですが(笑)、「そりゃ、どんな思考法なんだろう」と思い、ついつい購入してしまい、読み込みました。
ベストセラーになっている本だそうなので、お読みの方も少なくないのかなと思います(もっとも、Facebookなどで読んだよーとは、なかなか表明しにくい本かもしれませんね・・・おまえ、転職考えてんのか?ということを周囲に暗示させてしまうからです)。
「転職の思考法」は、転職にまつわるストーリーとノウハウの両者が、交互に展開されている本です。
ストーリー部分は、モヤモヤとした気持ちを抱えながら会社で営業の仕事をしている主人公の青野が、ある日、コンサルタントの黒岩に出会い、転職を行うためのマインドセットを学んでいく、お話になっています。転職の思考法では、その随所で、転職にまつわるノウハウが展開される、というかたちになっています。
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筆者の一連の主張のなかで、もっとも印象に残ったものを、ワンセンテンスであらわすならば、
上司を見るな
マーケットを見ろ
です。
組織のなかで、長く生き続ければ、上司や上の意向を伺いながら、仕事をすることに慣れてしまいます。
しかしながら、転職や離職をいったん「あり」と考えてしまえば、顔を向けなければならないのは、企業の外部の「マーケット」であることに気づかされます。
そして、マーケットでは2つのことが重要である、ということになるのでしょう。
ひとつは、「自分のマーケットバリュー」。そして、もうひとつは「転職しようとする企業」が「成長産業」かどうか、ということです。自分のマーケットバリューを発揮できない企業に転職しても、あまりいいことはありません。また、伝統的な重厚長大の大企業に転職しても、その企業が、「沈みゆく船」であれば、よい転職にはつながりません。
本書に通底するメッセージは、「特別な才能など持ち合わせていない、多くのひとびとが、転職するときに、もっとも重要視しなければならないのは、マーケットであり、自分をどこに位置付かせるか、というポジショニング」であるというものです。だから、「マーケットを見よ」です。
「自分のマーケットバリュー」を考えた上で、「企業が成長産業であるかどうか」をマッチングさせよ、というのが「ポジショニング」なのかな、と理解しました。
まことに興味深いです。
まったくそのとおりだと僕は思います。
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本書を読んでいて、僕は、もうひとつの思いにかられました。
それは、この本を「大学生」にこそ、勧めたいということです。企業につとめてから読んでもいいけど、できれば、企業・組織に入る「前」に、働くことに関するリアルを知っていて欲しい、と思います。身につけてほしいのは、もちろん、転職のスキルではありません。そうではなく、「自分とは何か?」「働くとは何か?」「組織とは何か?」を考える癖を持って欲しいのです。
これからの社会、組織は、少なくとも今よりは、雇用の流動性が高まります。
また、仕事人生も50年と長期化していくので、終身、ひとつの企業でつとめあげられるひとの数は、おそらく、今よりもグッと減っていくでしょう。
そういう社会を自らの力で渡っていくための知識として、僕は、本書のような「転職本」を、学生のうちから読んでおくとよいのではないか、と思いました。気が早いと思われるかも知れませんが、早晩の「リアル」です。
一般に、就職関係で、学生がふだん手にする本といえば、「就活本」です。
もちろん、そこにも重要な知識などはあるのかもしれませんが、人生の一時期に、しかも日本だけでしか通用しない、しかも最近瓦解しかかっている「新卒一括採用という雇用慣行にまつわる知識」を学ぶくらいなら、しょっぱなから「自らのポジショニング」を考えた方がいいように思います。
やや暴言・妄言なのは承知で申し上げますが、
「就活本」を読むくらいなら、「転職本」を読め!
これが僕の思ったことでした。
(就活本も役に立つのでしょうけれどもね・・・すみませんね、ワンワードで申し上げなくてはならないので、ついつい力んでしまい・・・笑)
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今日は「転職の思考法」のお話をしました。変な邪推が生まれるのがいやなので、申し上げておきますが、僕自身が「転職」を考えているわけではありませんので、あしからず。立教大学では、皆さんに温かく迎えられ、明るく楽しく、ハードな毎日を過ごしております。
あなたが見ているのは「上司」ですか、それとも「マーケット」ですか?
そして人生はつづく
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