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2018.10.2 06:48/ Jun

自己啓発本の結論とは「やってみろ!」である!?

 あらゆる自己啓発本の結論とは「やってみろ!」である!?
  
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 先日、一寸だけ時間ができたので、久しぶりに書店の自己啓発本コーナーに行ってみました。日々雑事に追われている小生に「自分をガラリと変えたい」とか「自分をびんびんに鼓舞したい」というニーズは1ミリもありません(笑)。
 が、最近、どんな本が流行っているのかな」ということで、ちょっと本を見て回ろう、ということにいたしました。
  
 何冊か手にとって、眺めてみたのですが、それぞれ「独自の視点」から、人生の機微を解いていて、なかなか面白く読むことができました。ははーん、そういう生き方もあるのね、と。
  
 しかし、もっとも興味深かったのは、5冊以上の流行している自己啓発本をパラパラ、タイトルやら目次を斜め読みしていて、はっと気がついたことです。それが冒頭のセンテンスですね。
  
 あらゆる自己啓発本の結論とは「やってみろ!」である!
  
 ということでした。
 どの本でも、たいていは、この結論が主張されている。もちろん、N=5の結論なので、一般性は1ミリもありません。下記は個別事例として、ランチタイムの茶飲み話程度にお考えください。ただ、僕が手に取った本の結論は、たいてい下記でした。
  
 何らかの悩みに悩むあなたにも、とりあえず「やってみろ」
 効率的なキャリアを築きたいあなたにも、四の五のいわず「やってみろ」
 人生の転機に煩悶するあなたにも、とりあえず「やってみなけりゃ、わからない」
  
 5冊ほど斜め読みしたあとには、「そうか、そうだよな、やってみろだよな」と、清々しい気分になりました。
  
 ▼
  
 もちろん、ここで、ひとによっては「結論の乏しさ」について嘆き節をかますこともできます。さんざん論じておいて「やってみろ」はないだろう、と。そんなことは、わかっておるわい、自明だわい、と。
  
 しかし、そういう気持ちになってしまうことを一寸押さえて、よくよく考えてみれば、それも真実だよな、と思うところもあります。
  
 あまり救いのないセンテンスで恐縮ですが、
  
 将来などは、
  
 やってみなければ、わからない側面
 やってみてはじめて、わかる側面
 やってみてはじめて、ひらける側面
  
 もあるからです。つまり、ひとは「将来」について、その「成功」を本来語り得ないのかもしれません。
   
 ちなみに、その手のことは、古今東西、様々な人々が名言に残してきました。
  
 かつて、「エクセレントカンパニー」などの著書で有名なトム・ピーターズは、「Ready – Fire – Aim」という考え方を提唱しました。
  
 要するに、
  
 最も大切なのは「かまえ!ーねらえ!ー撃て!」ではない
 実際には「かまえ!ー撃て!ーねらえ!」なのだ!
  
 と。
  
 何事かをはじめようとするとき、一般に、ひとは「かまえて」から「ねらって」から「撃とう!」とするけれど、それは実社会では違う。
 実社会では「撃って」みて何がおこるかを見定めてから「ねらえ」というやり方の方が効率がよい、ということですね。まことに興味深い。ま、要するに、撃ってみなければ、はじまらない、ということです。
  
 分野はまったく異なりますが、ビジネスパーソンなら、著名なこんな言葉も耳にしたことがおありでしょう。
   
 やってみなはれ!
 やらなわからしまへんで!
  
 サントリー創業者・鳥井信治郎さんのお言葉ですね。
 
 やってみなはれ!
  
 ちなみに、パブロ・ピカソも同じようなことを述べています。人生において大切なことは、いつだっておなじなのかな、とも思います。
  
 自分が描こうとするものを知るには、描きはじめなくてはならない
 (パブロ・ピカソ)
  
 絵を描こうとするときに、ひとは、その完全なるイメージを「内」にもってはじめて絵を描くことができると考える。しかしながら、実際には違う。絵は描きはじめてから、描こうとするものが見えてくる、のだ、と。
  
 このあたりは図工2の僕にはまったくわからない「境地」ですが、少なくとも、このブログ記事を「創作の一つ」にカウントしていただけるのなら、同じことがいえるのかな、と思います。
 パブロ・ピカソと並んでしまうのは、まことに恐縮であるとは「存じます」が、
  
 自分が何を書きたいかを知るには、早朝、キーボードを打ち始めなければならない
 (中原 淳)
  
 今、このセンテンスを僕はキーボードでうっていますが、まさかピカソのパロディに自分のブログを用いるとは、この記事をかきはじめた20分前には、まったく予想すらしていませんでした(笑)ブログなんて、そんなものです。
  
  ▼
  
 今日は自己啓発本の結論の話を皮切りにしつつ、まずは「撃ってみること」「描いてみること」を論じてみました。
  
 こんなことを申し上げると、学生諸氏からは
  
 じゃあ、どうやって撃てばいいんですか?
 描き始めるときに、最初は、どうやればいいんですか?
  
 という質問がわいて出てきそうです。
 だよね・・・でもね、それが「ねらう」ということなのかな、と思います。この問いに対しては、「撃て」と言わざるを得ない、のかな、とも思うのです。
  
 きっと自己啓発本の論理ならば、

 まずはヘタでも、あたらなくても、
 撃ってみたら、なんかいいこと起こるかもよ。
 
 絵にならなくても、色がでなくても、描いてみるといいんじゃない。
  
 という答えになるのだと思うのですが、それじゃ、ダメですかね(笑)。
  
 でもね・・・だから、本来的にひとの将来なんて「語り得ない」と申し上げたではないですか(逆ギレ)。ヴィトゲンシュタイン先生も申しております。
   
 語り得ないものには沈黙しなければならない、と(笑)。
 
 そして人生はつづく
  
  ーーー
  
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