2005.7.13 23:10/ Jun
青山学院大学で行っている前期の授業が終わった。
前期の最終講義は動機論。
授業の冒頭に、福岡県立城南高校の「ドリカムノート」の実践のビデオをみせた。「人はどういうときやる気になるか」という、今日のお題に、生徒を導くためのフリである。ARCS理論的に述べるのならば、Attention(注意)の確保ということになるだろうか。
ビデオ視聴後、マズロー、デシ、ドゥエック、セリグマンなどの超有名な実験を教え、最後にケラーのヒューリスティクス「ARCS」を教えた。学習者のモティベーションマネジメントは、教師の重要な仕事である。そのつど、そのつど、教師は学習者の状況を見ながら、adhocにインストラクションを変えなければならない。今日の授業で言いたかったことは、これにつきる。
授業の最後には、10弱の質問項目と自由記述からなるアンケートを実施した。
アンケートの質問項目は下記のとおりである。
1.授業中に学生の参加(質問・発言)を促し適切に対応した
2.意欲をもって、この授業を受講することができた
3.この授業は有意義であった
4.教員の説明の仕方、話の展開の仕方は適切であった
5.授業内容のレベルは適切であった
6.授業の内容は体系的であった
7.この授業は、他の人や後輩にもお勧めできる
8.パワーポイント、配付資料などの教材はよく準備されていた
9.教員は熱意をもって授業を行っていた
これら質問項目は、いずれも、Googleで「授業アンケート」などと入力して、でてきたページから、試行錯誤して、僕自身が作ったものである。青山学院大学では、通年授業の場合、授業評価は年度の最後にやるらしい。
だけれども、まぁ、今回ははじめてであるし、ここで情報が得られれば、後期の授業を改善することもできるわけだから、と思い、敢えて自分でやった。授業最後に、自分の授業について、情報が得られたとしても、それは「Summative evaluation」にはなるかもしれないが、「Formative evaluation(かたちづくる評価)」にはならない。
それにしても、教育工学・学習科学の研究者として、いつも僕は「評価はキチンとやるべきだ」とか偉そうに言っているけれど、自分が評価の対象になるってのは、なんかドキドキなものである。
結果はかなり良好だった。すべての項目で、平均4.4を確保できたと思う。まぁ、この種の評価では、当然、よい評価がでるのはアタリマエのコンコンチキなんだけど、そんなことはわかっているけど、でも、ホッとした。とりあえず、「アイツの授業が一番ショボイ」とは言われないですむだろうと思う。
アンケートの自由記述には、こんなコメントが寄せられていた。
—
プリントの記述スペースを大きくしてほしいです
プリントの空欄をもっと大きく
→後期は、プリントを改善しよう
内容が他の授業でやったことなんで退屈
違った角度から勉強できてよかった
授業の観点から知識をもう一度整理できるのはよい
いきなり評価方法を変えるのはやめてほしい
急にテストになってショック!
テストはやめてー
レポートだって言っていたのに・・・
急にテストになって驚いた
→これが一番不評だったこと
→シラバスとは教師と生徒の契約
→反省
ディスカッションはよかった
他の人が何を考えているか、もっと知りたかった
席替えをして欲しい
実際の授業ビデオは参考になりました
こういった授業を自分もしたいと思った
とにかく実戦的な授業だった
自分が授業するときを想像しながら聞けた
寝ている人が少ない授業だったと思う
あてられるのは超緊張した!
突然指名するのは、先生の好きでやってるんでしょ
席替えしてほしい
他の人(女の子)とも話したい・・・
→別に僕は同じとこに座ってって言ってないよ(笑)
→勇気をだすことです
その日のねらいを最初に述べるのはいい
その日のゴールがわかる
たまには無駄な話もして
授業の構成がはっきりしている
ダラダラしていないぶん、ダラダラな僕にはツライ
—
以上のコメントからは、教育が数々のディレンマをかかえながら、それを何とかかんとかやり繰りしながら、行われるものであることがわかりますね。まさに学習者いろいろ、要望いろいろ。教育とは、相反するリクエストにダブルバインド状態におかれることなのですね。
・・・
前期、かなり忙しかったので、途中、授業のパワーポイントをつくりながら、ゲ○を吐きそうになったけど、僕自身が、いろんなことを学んだ授業だった。
後期も楽しみだ!
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