2018.6.29 05:42/ Jun
「先生、何とかしてくださいよ。まだまだ会社の中には、フィードバックは浸透していないですね。フィードバックじゃなくて、フィードアタックなら、たくさんありますけど(笑)うちの上司がやっているのは、完全に、フィードバックじゃなくて、フィードアタックですよ(笑)」
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ちょっと前のことになりますが、卒業生と、ばったり都内であって、すこし話し込んでいたら、こんな話をしてくれました。それにしても、面白いこと言うね。
うちの上司がやっているのは「フィードバック(feedback)」じゃなくて「フィードアタック(feedattach : 攻撃:造語ですね)」とは(笑)
笑いごとじゃないんだよな(笑)
フィードアタックされる方としては、たまったもんじゃないですけどね(笑)。
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先ほどの卒業生曰く、なぜ、自分の上司の行うフィードバックが「フィードアタック」になってしまうか、というと、それなりの理由がありそうだ、とのことです。
ひとつに、3分とか5分で、フィードバックを行おう、としていること。
ま、上司も忙しいのかねぇ・・・でも3分じゃ無理かなぁ。カップラーメンじゃないんだから(笑)
自分のいいたいことを、数分間という限られた時間で、マシンガンのように相手に「ぶっ放す」だけなので、フィードバックではなくて、フィードアタックになってしまう。
ふたつめに、「フィードバックされる側と対話する姿勢」が欠けていること。
本来ならば、フィードバックとは、
1.耳の痛いことを情報通知すること
2.相手と対話を行い、相手のパフォーマンスを立て直すお手伝いをすること
なのですが、ついつい2の「対話と立て直し」が失われる。よって、マシンガンで玉をぶっ放したあとに、言われた方が「ハラオチ」することもなければ、そこから這い上がることもないので、フィードアタックになってしまう。
みっつめは、大変興味深かったのですが、そもそも上司が「部下に勝とうとしていること」
どうやら、彼の上司は、情報をなるべくたくさん集めて、部下を「やり込めること」や部下を「ギャフンと言わせること(ギャフンというひとを見たことがないですが・・・)」が、フィードバックだと思い込んでいる。
部下をやり込め、部下をギャフンと言わせることが、フィードバックなので、フィードアタックになってしまう、ということでした。
いかがでしょうか?
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今日はフィードバックのお話をしました。
今、ちょうど、「女性の視点からみなおす人材育成入門」(ダイヤモンド社、近刊:中原淳+トーマツイノベーション)という本の校正の最終段階に入っていますが、女性リーダーや管理職にとっても、男性リーダーや管理職にとっても、部下を動かすポジションについたときの「つまづき」は、「フィードバックがうまくできない」ことにあるという知見がでていますね。
皆さんの上司がやっているのは「フィードバック」ですか?それとも「フィードアタック」ですか?
あなたがやっている「フィードバック」は「フィードアタック」になっていませんか?
そして人生はつづく
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