2018.6.20 06:02/ Jun
「人事制度は運用8割、企画は2割」
「人事制度は(社内で)流行しなければ意味がない」
「人事制度は、使われてナンボ」
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人事制度については、巷で、よくこんなことが言われたりします。よく耳にします。そして、誰もがこれに類することを口にします。
意地悪な見方をして「裏」を返せば、
「緻密な人事制度を企画したはいいけど、運用でコケること」
「誰一人として話題にしない人事制度」
「企画されたはいいけど、使われない人事制度」
が、この世の中には、いかに多いのか、ということの「証左」ではないかな、とも思います。
おそらく、日本全国では「企画されたものの、誰も使わない人事制度が380万個は存在する」のかもしれません(笑)
しかし、「運用8割」「流行しなければ意味がない」「使われてナンボ」と頭ではわかっていても、人事制度を企画する側は、どうも、「人事制度をつくったあと」のことが「苦手」だったりする・・・そんなことをよくうかがいます。
頭ではわかっているのだけれども、自分の仕事はどうしても「人事制度をつくること」であって、それ以降のことには「頭が回らない」といったことが起きがちなのです。頭ではわかっていても、忙しいので、「次の人事制度づくりに邁進しておられる」のかもしれません。
経営学の教科書的にいえば、
人事制度は、ヒトの側面から「経営にインパクト」を残すために存在します
ということは、人事制度は「使われて、効果をだしてナンボ」なのです。
しかし、現場では、頭ではわかっていても、これが、なかなかうまくいかないことも少なくありません。
僕は、問題のひとつには、「人事制度を企画する側」が、暗黙のうちにもっている「現場とのコミュニケーションスタイル」があると見ています。
「人事が、現場といかなる関係をとりむすんでいるのか」
「人事は現場に向かい合うときに、どのようなコミュニケーションスタイルが理想としているのか」
ということに関して、「人事を企画する側」が暗黙のうちにもっている「メンタルモデル(頭のなかの囚われ)」が、人事を企画する側の「行動」を規定しているような気がするのです。
もっとも「挑戦的な課題」だと思われるのは、
「御触書モデル(おふれがきモデル)」
と僕が呼んでいる「人事を企画する側が有しているコミュニケーションスタイル」ものです。
「御触書モデル」とは、要するに、江戸時代よろしく
1.幕府(権力のある側=この場合は人事)が、橋のたもとに「いいたいこと=御触書=人事制度」を示して
2.そこに町民(権力のない側=この場合は一般社員)がワサワサ集まり、ザワザワとして
3.幕府のいうことには、もの申したいが、逆らうと怖いので、とりあえずは平身低頭で従う
ようなコミュニケーションスタイルです。
時代は「江戸」です。
人事企画をする側が「人事と現場との間には、江戸スタイルの御触書スタイルのコミュニケーション」が「理想」だと、暗に考えていることを、僕は「御触書モデル」と呼んでいます。
そして、「御触書モデル」を「現場とのコミュニケーションスタイル」として有している人事企画というのは、まことに「上から目線」で、先ほどの話でいえば「企画9割、運用1割」に陥りやすいのです(笑)
オレが精魂込めてつくりあげた緻密な人事制度を見せてやるわい。「御触書」としてドカーンと示してやれば、ロジックとしては正しいのだから、あとは、町民が従うだろ
というような「コミュニケーションスタイル」を暗黙の内によしとしている人事企画は、完全に「御触書モデル」に心を奪われています。
そんなとき現場のひとは、こんなことを考えているものです。
見た目は提示された「御触書」に平身低頭していても、心の中では「何言ってんだ、このクソ忙しいときに・・・」と思っている。
その先は「無視する」か「見なかったこと」にするか「やったことにするか」です。
大人は「納得できないもの」は、無視するか、見なかったことにするか、やったことにしますので(笑)。
たとえば、人事制度の説明をするときに、メールなどで
標記のことについて、下記のとおりと決まりました。
http://hogehoge.co.jp/ketteijikou.html
以上
みたいな文面を送りつけてくる「だけ」の人事からのコミュニケーションは、完全に、この「御触書モデル」に支配されているな、と感じます(笑)。
フツー、見ますか?、URLの先にある文面、クリックしてまで
何も説明もないURLだけバコーンとおくられても・・・その先は見ないよね。このクソ忙しいのに。
ま・・・「見て効果をだすこと」をめざすのではなく「現場は見たこと」を担保したいというのなら、それでもいいけどね(笑)。
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今日は、人事と現場のコミュニケーションスタイルとして「御触書モデル」というメタファを用いてお話をしてみました。
誤解を避けるために申し上げますが、
「人事制度の通知」自体が悪い
と言っているわけではありません。
上から目線の人事制度の「通知だけ」だと、
経営にインパクトを残すような効果が期待できない、ということ。
そして、そうした「通知だけスタイル」の運用が多くなる背景には、暗黙のうちに「御触書を現場に、ぶったててやるわ」的なコミュニケーション観があるのではないか、と申し上げているのです。
あなたの会社の人事は「御触書モデル」に支配されていませんか?
そして人生はつづく
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株式会社パーソル総合研究所と中原の共同研究成果である「アルバイト・パートの採用・定着率改善をめざした店長・マネジャー向けの研修プログラム」が、第7回 日本HRチャレンジ大賞の人材サービス優秀賞(人材育成部門)を受賞したそうです。
この研修は、アルバイト・パートで働く2万5千人に対して実施した科学的な調査をもとに、両者で話し合い、独自協働開発しました。
受賞選定理由としては、「これまで科学的に調査されてこなかったアルバイト・パート領域において、定量的かつ大規模な調査を実施し、早期離職防止に向けて、そのデータを用いた採用面接時の対応や職場マネジメントの改善を図る研修が、受講者の納得感を引き出し、現場での行動を変え、採用力強化・退職率低減という成果を生み出す優れたサービスであると評価された」とのことです。うれしいことです。
日本HRチャレンジ大賞 人材サービス優秀賞
https://www.hrpro.co.jp/challenge.php
スタッフが採れる!辞めない!活躍する! 店長・職場マネージャー向け研修
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/arbeit-recruit.html
人手不足を解消のため、より多くの方々に、アルバイト・パート採用・育成の「きも」をつかんでいただけたら、共同研究冥利につき、嬉しいことです。どうぞお楽しみくださいませ。
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