2018.5.22 05:45/ Jun
ふりかえり(リフレクション)には「3つの壁」があります
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せんだっての慶應丸の内シティキャンパスでの授業「ラーニングイノベーション論」には、「経験学習」をベースになさった様々な人材開発研究で著名な業績を残されている松尾睦先生(北海道大学・教授)におこしいただき、3時間ほど、コッテリと濃密な講義をいただきました。
会のいくつかの箇所では、受講生同士が様々な情報交換や対話を行う授業で、あっという間の3時間になりました。松尾先生にこの場を借りて御礼を申し上げます。素晴らしい講義をありがとうございました。
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冒頭の
ふりかえり(リフレクション)には「3つの壁」があります
は、松尾先生が講義のなかでおこっしゃっていた台詞で、とりわけ印象に残るものでしたので、ここでも紹介させていただきました。
ここで振り返り(リフレクション)とは、
「過去の出来事を見つめ直し、プロセスや成果を分析することで、将来活用できる教訓を導きだすような思考」
を意味しています。
そして、その振り返りには「3つの壁がある」と松尾先生はおっしゃいます。下記に述べる3つの壁です。
【第1の壁】
過去の出来事を見つめることができない(=忘れてしまっていて、そもそも振り返りにならない)
【第2の壁】
ふりかえってはいても、クヨクヨ考えているだけで、教訓が導き出せない
【第3の壁】
教訓は導き出すことができるんだけど、使えそうにない
さすがは松尾先生、おっしゃるとおりである、と思います。
とりわけ僕が、さまざまなビジネスパーソンの方々と研修やワークショップなどで御一緒していて、問題だと思っているのは、このうち【第1の壁】です(どれも問題なのですが・・・)。といいますのは、
みな、あまりに忙しい生活をしていて、
そもそも、誰が、何をして、どういうプロセスで、どのような成果になったかを「記憶していない=おぼえていない」(笑)
「記憶していない=覚えていない=プロセスが想起できない」は「ふりかえり」ようがないわけで、まずは、このあたりの課題から取り組むことが必要になります。
場合によっては、1)手帳を引っ張り出してもらい、時系列で出来事を整理してもらったり、2)LEGOなどで「小さな作品」をつくってもらって出来事の外化を行ったり・・・など、あの手この手をつかって、「とにかくプロセスを顕在化させよう」とすることに取り組みます。
あなたは、振り返るべき「内容」を、どれだけ覚えていますか?
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今日は松尾睦先生のご講義から、振り返り(リフレクション)に潜む3つの壁のお話をさせていただきました。多忙ななかでも、効果的なリフレクションをなし、実りある一日を過ごしたいものです。
そして人生はつづく
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