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2018.4.27 06:06/ Jun

社会で働いたことのない学生さんに、いかに「組織」や「人事」を教えるのか?

(※このブログは5月7日までお休みになります!5月8日からまた再開させていただきます!皆さん、素晴らしいお休みを!)
  
 またまた日々の悩みになってしまいますが・・・最近、悩んでいることのひとつに、
  
 社会で働いたことのない学生さんに、いかに「組織」や「人事」を教えるのか?
  
 ということがあります。
  
 こんなことを申し上げますと、
  
「おいおい、こりゃこりゃ、今さらジロー。そんなレベルの低いことを」
   
 とおっしゃるかもしれませんが、自分としては、「目下、格闘中の大問題」なので、ここにシェア(吐露?)させてください。
   
 今期は、学部では、授業やゼミなどで
  
 1.リーダーシップのこと
 2.人的資源管理のこと
  
 を主に扱っています。こちらは、あたりまえですが、ほぼ働いた経験はございません。
  
 大学院では、
  
 1.人材開発に近い内容(より専門的内容)
 2.経営組織に近い内容(まだやってない)

 を教えています。こちらは、働いたことのある学生さんと、社会人の学生さんが混在しています。
  
 授業やゼミは、毎回、自分としては、それなりに愉しんでやれているのですが(学生さんはどう思っているのか、こんど聴いてみたいものです)、日々、個人的に思っているのが、冒頭の問題です。
  
 社会で働いたことのない学生さんに、いかに「組織」や「人事」を教えるのか?
   
 これ、なかなかの「難問」ではないですか?(笑)
 まー、すこし考えてみれば、他の科目でもそうなんでしょうけれど・・・江戸時代を生きたことのないひとに、いかに歴史を教えるのか?とかね(笑) 財務にふれたことのないひとに、会計をいかに教えるのか、とか。

 僕の場合、「ひと」について教えているから、なおさらなんでしょうかね・・・。
 えっ、ハマっているのは、僕だけ?(自爆)
  
  ▼
  
 先ほどの問いに対して、自分としては、いくつかの方法しかないかな、と思っています。
  
 1.概念を説明したあとで、それについて徹底的に企業事例を話す
  (概念の説明をしたあとで・・・)ちょめちょめという企業があるよね。
  あの企業って・・・・の制度をとっているよね
  それが・・・・に関連しているんだよ
  
 2.身近な事例(サークル、クラブ活動)を組織と見立てて、それを事例にイメージをもってもらう
  みんなさー、サークル活動してるよね
  そのときにさ・・・・の経験をしたことがない?
  それがさ、ここでいう、「ほげほげの概念」にあたるんだよね
    
 3.架空のケースをつくって、それを読み込んで議論をしてもらう
  じゃあさ、このミニケース読んでみて・・・。
   
 1はいいのですが、最大の課題は、「僕の話が長くなってしまうこと」です。
 どうにも、話を終えたあとの「シーン」とした学生たちの反応のたびに、「自己嫌悪」に陥ります。
 あー、また話しすぎた(自己嫌悪)
  
 2はいいのですが、「できるときと、できないときがあります」また「はまるひとと、はまらないひと」がいます。
 また、一番いいのは「みんなが共通している経験」がいいのですが、たとえば「サークル活動」や「クラブ活動」をしていない場合もあるので、共通体験を探すのが大変です。
  
 3は、もうね、時間がない(泣)。
 以前、集中講義でトライしたことはありますが、集中で10個くらいの概念を学ぶのであればいいのですが、もうすこし知識をつけてもらうときには、かなり難しいです。
  
 みなさん、いかがでしょうか?
 他にいい方法ございますかね?(笑)
  
  ▼
  
 まー、日々、こんな感じで、七転八倒しています。
 授業ですら、こんな感じで、「七転八倒」で「実験を繰り返している」のですから、他もあわせれば、「阿鼻叫喚」であることを、ご想像くださいませ(笑)
  
 ただ「楽しんで」やっています。
 日々、どうしたろうかな、と。
 僕は「どM」かもしれません。

 何とかゴールデンウィークまでたどり着きました!
 みなさん、よきお休みを!   
 そして人生はつづく
   
(※このブログは5月7日までお休みになります!5月8日からまた再開させていただきます!皆さん、素晴らしいお休みを!)

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新刊「事業を創る人の大研究」(田中聡・中原淳著)、発売10日で重版決定、AMAZONカテゴリー1位(リーダーシップ、オペレーションズ)を記録しました。本書は、「人と組織」の観点から、「新規事業づくり」を論じた本です。新規事業に取り組む人をどのように選び、どのように仕事を任せ、そして支援していけばいいのかを論じています。イノベーション人材、次世代経営人材を育成している教育機関の方にもおすすめの内容です。どうぞご笑覧くださいませ!
  

   
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