2018.4.13 06:01/ Jun
学習とは「新たなコミュニティへの参加」として考えることができます。
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こう主張したのは、もういまや「古典オブ古典」なのでしょうか、Lave and Wenger(1993)の「状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加」です。
新たな大学に赴任し、様々な人々に出会っている僕は、まさに、いま、「新たなコミュニティ」への参加を、周辺部から成し遂げようとしています。そのプロセスにおいては、毎日が、「新たなものごと」との出会いです。
昼食はどこでとるのか?
コピーはどこでするのか?
次の授業は、どの建物にいけばいいのか?
これらは周囲の方々にとって「自明」なことでも、僕にとっては「自明」ではありません。ひとつひとつに迷い、右往左往し、どうしようかな、こっちかな、あっちかな、と考えています。
僕にとって「自明」ではないもののなかに「言葉」もあります。
コミュニティのなかにいるひとにとっては、あたりまえのように通じる言葉が、僕にはわかりません。もちろん、わからないからといって、1ミリも悲観していません。むしろ、「へー、そんな言葉を使うんだ」と楽しんでいます。どちらかというと、「虫取りあみ」をもって「虫取り」に出かけているような印象です。今日も新しい言葉に出会わないかな、と(笑)。
とりわけ、これまであまり出会うことのなかった学部生さんの使う言葉が、楽しくて仕方がありません。今日も違和感ノートに、学生さんの使う言葉で、意味のわからなかった言葉がしたためられていました。
1.グードラ
2.リアペ
3.ビジカジ
4.白黒
5.エモイ
違和感ノートとは?:新たな組織に参入するときに感じた違和感をかきつけるノート(詳細は下記へ)
https://www.nakahara-lab.net/blog/archive/8750
皆さま、いかがでしょうか? すべておわかりになりますか?
はじめて聞いたとき、
「グードラ」は「麻雀における新種のドラ?」
「リアペ」は「リペア(修理)の間違いじゃねーの?」
なんて思ってしまったのは、僕だけでしょうか。その場では、知っているようなふりをして「あー、グードラね」「あー、ビジカジね」とふつーに反応していましたが、ちなみに、あとでググりました(笑)。ま、ちなみに、これらのいくつかは、立教経営というコミュニティの内部でしか通用しないかもしれません。言葉とは、そのようなものです。
外の世界は広いからね
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言葉は、ひとびとのあいだに「境界」をつくりあげます。今、僕は、おそらく、コミュニティの境界を「渡りつつ」、ただ、どちらかというと、その外部的周辺にいるのだと思います。
おそらく、上記のような言葉が、すらすらと理解できるようになったとき、僕は、いつのまにか「うちの大学は・・・」という言葉を使うようになるのかな、とも思います。それが境界を渡ったときなのかもしれません。
今年、新たなコミュニティに参加している皆さん、
あなたの「違和感ノート」には、どんな言葉がしたためられていますか?
そして人生はつづく
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