2018.3.7 07:17/ Jun
先だって、ある若手研究者の皆さんと(皆さん大変優秀な方々です)、夜を徹して、話し合う機会をいただきました。
お互いの研究の進展について話し合ったり、最近の大学事情、最近の学会事情について、情報交換をしたり。なかなか有意義な、楽しい会でした。
しかし、この話し合いの最中、僕は、ずっと気がかりなことがありました。それは、多くの研究者によって繰り返された言葉が「いかに縮小するか」という1点において共通していたからです。私学、公立、国立。都内、地方、様々な研究者がいました。しかし、その共通点は唯一、「いかに縮小するか?」=「いか縮」です。
入学定員が維持できない。
いかに「縮小」するか?
若手研究者が輩出できていない
学会が、これまでどおりボランティアモードで維持できない
いかに「縮小」するか?
運営費が足りない
いかに「縮小」するか?
ポストが凍結されている。現場がもたない
いかに「縮小」するか?
人口減少経済にあって、「いかに縮小するか?=いか縮」は、もはやキーワードになっているような感もあります。僕にももちろん、実感値がありますが、それが全国の多くの場所で、これほどまで多くの研究者に語られる内容になっているとは想像していませんでしたので、とても驚きました。
今、日本全国の大学で「いか縮」がいかに浸透しつつあるかを感じる一瞬でした。もちろん、これは大学によっても事情は異なりますし、学問分野(人文・理系)によっても異なるのだと思いますけれども・・・。
いずれにしても、とても複雑な気分です。
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反面、目を大学の外に向けます。こちら側は「いか縮」ですが、あちら側は「いか縮」はどこふく風です。
たとえば、世の中に必要な「知識の高度化」はとどまるところを知りません。データサイエンスしかり、AIしかり、多くの産業が、新たな知識、技術を求めています。
新たな技術、新たな知識をさらに獲得し、高度な専門性を発揮しながら仕事をしなければ、わたしたちの仕事領域の変化にはついていきません。
昨今では、
やれ「学びなおし」やら、やれ「リカレントだ」
というのがバズワードになりつつあり、多くの人々の目が高等教育に向けられています。
しかし、反面、高等教育の現場で語られているのは「いか縮」であったりします。
このアンバランスさを目の前にすると、わたしなどは思考を失い、クラクラしてしまいます。
思考停止してはいけないのですが、本当にめまいがしてくるのです。
さて、どう生きるかね・・・。
煩悶がつづきます。
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今日は、ややボヤキのようなブログになってしまいました。まことにかたじけない。
「学び直しブーム時代」の「いか縮・大学」の未来は明るいのでしょうか?
このアイロニーを、まだ引き受けられないでいます。
そして人生はつづく
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