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2018.2.28 06:11/ Jun

インプロは「台風の予報円」!? : 予想をいかに「手放す」のか?

 インプロ(即興劇)は「台風の予報円」みたいなものなんです
  
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 かなり前のことになりますが、慶應MCCの授業で、高尾隆さん(東京学芸大学)にお越しいただいたとき、高尾さんがおっしゃっていたひと言が、非常に印象的でした。
  
 ここで、インプロ(即興劇)とは、スクリプト(台本)のないお芝居のこと。
 台本はないので、舞台にあがった複数の役者が、お互いに声をかけながら、相手の発した言葉に応じて、劇を展開していく、非常にスリリングな機会です。
  
 このお芝居で求められるのは、相手の呼吸や発言に応じて、自分を柔軟に変化させたり、対応させたりする力です。
 僕は個人的には、こうした柔軟性や対応力を見たいのであれば、採用試験で、インプロを行ってもらえばいいのに、と半分冗談で、思ってしまいます。そのくらい、そうした潜在的な力が表面化するような気がします。
      
 しかし、柔軟性や対応力が求められるといっても、まったく、相手にゆだねてしまうことも、さすがにできない。ある程度の予想は、こちらにもあり、しかしながら、相手の状況に応じて柔軟に変化しなければならない、ということになります。
   
 その際、出てきたのが、先ほどの高尾さんの言葉です。
  
 インプロは「台風の予報円」
  
 インプロは「台風の予報円」みたいなもので、ある程度予測はできるんだけれど、しかし、おてんとさまのことは、100%予想はできない。風の向きに応じて迷走する台風もあれば、突然旋回する台風もある。
  
 おそらく問題は
  
 「予想」をしつつも、その「予想」をいかに「手放せる」のか?
  
 ということになるのかな、と思いますが、いかがでしょうか? 
 皆さんは得意ですか?
  
  ▼
 
 今日はインプロのお話をしました。
 最後に、ちゃぶ台をおりゃっ、とひっくり返すようですが、実は、僕はインプロは苦手です。
  
 それは・・・僕は、小学校の1年生の担任の先生との面談時に、親が「この子は先を見すぎる」と言われたくらい、「前のめりピーポー」だからです。
 まだ台風はフィリピン付近にいるときから、北海道あたりの「予報円」を描いてしまう傾向があります(笑)。そして、その「予想」を、僕は「手放すこと」がとても苦手です。だから、僕はインプロは苦手です。
    
 しかしながら、苦手なものこそ、向き合うことも大切かなと思っています。
 これまで高尾さんのワークショップには何度か参加させていただきましたが、そのたびごとに愉しみながらも、「苦手を抱きしめている」ような気持ちになっています(笑)高尾さん、ありがとう!
   
 そして人生はつづく
  
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