NAKAHARA-LAB.net

2017.10.6 06:30/ Jun

コミュニケーション・情報共有・緊密連携にご用心 !? : 1ミリも実行されないお題目ワードの謎

 目標は「具体的」にせよ!
    
 というのが「世の中の鉄則」です。
    
 しかし「世の中の鉄則」は、必ずしも「シャバ」では守られるわけではありません。
 むしろ、目標として掲げられつつも、「掲げただけで、実際は、1ミリも目指されない目標」というものが、つぎつぎと生まれているのが「世の常」です。
    
 シャバには
   
 権力のある人や部門から「目標を設定せよ」と言われたから、「一応」建前としては「設定」しましたけど、それが何か?(キッ)
  
 という「お題目だけの目標」が24億個ほど存在します。
   
 僕は、「目標設定」のなかの文章のなかに、以下の3つの言葉がでてきたら、要注意だな、と、常日頃から思っています。たいてい以下の3つは実行もされないし、歯牙にもかけられない。その3つとは下記です。
     
 今後は「コミュニケーション」をとっていく
 今後は「情報共有」をしていく
 今後は「緊密に連携」していく
   
 この3つの用語は「便利」なので、よく目標設定場面で用いられる傾向がありますが、悲しいかな、僕の20年弱の社会人経験では、「実際に実行されたこと」はありません。
  
 今後は「コミュニケーション」をとっていく
 ・・・といっても、コミュニケーションがとられたことはないし・・・
  
 今後は「情報共有」をしていく
 ・・・といっても、情報が共有された試しはないし・・・
  
 今後は「緊密に連携」していく
 ・・・といっても、緊密に連携はされません(泣)
  
 おそらく、これらの「お題目」を実行レベルまで高めるには、より「具体的」に「具体的」に、さらに「深掘り」をする必要があるのです。
   
 どんなときに
 誰と誰が
 どのように
 どんな内容の
 コミュニケーションをとったり
 情報を共有したり
 緊密に連携をしたりするのか?
  
 を明示しあい、決めなければならないのです。
 が、悲しいかな、それらがなされることはありません。
 というわけで、「コミュニケーション」と「情報共有」と「緊密に連携」の3大ワードがでてきたら「形骸化に要注意!」というわけです。
  
 他にも、おそらくそういう用語はあるでしょうけれど・・・。
 皆さん、思いつきませんか?
  
 たとえば「基盤整備」とかもそう?
 「基盤整備をする」といって「整備された基盤」は見たことがありません(笑)
 「基盤整備」を行うとは、要するに「今は何もしない!」ということの常套句ですよね。だいたい、曖昧すぎて、英語にもならない。
  
  ▼
  
 今日は「目標設定」のときに注意したいワードについて書きました。
 あなたの目標には、下記の言葉はありませんか?
  
 今後は「コミュニケーション」をとっていく
 今後は「情報共有」をしていく
 今後は「緊密に連携」していく
   
 もしあったら要注意かも?
   
 そして人生はつづく
  
 ーーー
  
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