2017.7.11 05:22/ Jun
あなたは、自分からフィードバックを求めにいきたいですか?
それとも
第三者から「フィードバックされる」のを待ちたいですか?
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今日は、経験の浅い人々が、新たに、組織に参入していこうとするときの話をしたいと思います。まず、このようなタイミングで、組織は、新規参入してくる人を「組織人」にしようとします。
ざっくりいうと、これを「組織社会化」といいます。端的にいえば、新規参入者に対する「儀式」そして「研修」や「OJT」といったものは、組織社会化の典型的な「手段」です。
一方、新規参入者の方も、黙って指をくわえて「社会化」されるのを待っているわけではありません。
彼 / 彼女は、自らを「社会化」するべく、積極的に動き、組織メンバーなどに働きかけていきます。これを「プロアクティブ行動」といったりします。プロアクティブ行動は、新規参入者がとる「能動的な社会化」の一種です。
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せんだって、大学院・中原ゼミではSaks et al (2011)の「プロアクティブ行動」に関する論文を読みました(高崎さんご担当!お疲れさまです!)。
この論文のあらすじ(ややトートロジーカルな論文でした)は、本記事とは関係ないので割愛しますが、この論文では「プロアクティブ行動」の詳細について、主に2つのカテゴリーを用いて説明をしているように見受けられました。以下は、この解釈のもとに、プロアクティブ行動を説明します。
ざっと見て、新規参入者が自らを組織に適応させるために行うプロアクティブ行動は、
1.フィードバック(情報)探索系
2.ネットワーキング系
の2つにわけられるような気がいたします。
前者の「フィードバック(情報)探索系」とは、新規参入者が自らの仕事のあり方を決めるために、ないしは、様々な試行錯誤のもとに自分の仕事のやり方を立て直すために、組織内の様々な人々に働きかけ、フィードバックや情報を求める行動です。
おそらく具体的には、
「XXパイセン、ここどうなっているんですか?」
「XX先輩、書類をつくってみたのですが、これでいいんですかね?」
「XXさん、こんなプレゼンをつくったのですが、フィードバックをください」
という情報やフィードバックを求める行動がそれにあたるのかなと思います。
一方、後者のネットワーキング系とは、自ら積極的に、組織内のイベントに参加したり、知り合いをつくる行動をとったり、他者や上司との関係を良好にするべく働きかけることです。
仕事の現場は「学校」ではありません。
組織のメンバーは「接点」があり「見所」のある人を社会化します。ネットワーキング行動は、かくして、本人の社会化にとって重要な資源や協力を、他者から引き出します。
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2つのプロアクティブ行動のうち、個人的に、最近興味深いなと思うのは、前者の「フィードバック系」の方です。
僕の周りだけなんでしょうか・・・最近、若い人から
「中原さん、〜をしてみたんですが、どう思いますか?」
「中原さん、〜に対して、フィードバックをいただけませんか?」
と相談されることが多くなっているような気がします。
別の言葉で申しましょう。
最近、人々のあいだで、「自らフィードバックを求める層」と「他人からフィードバックされるのを待っている層」、さらには「他人からフィードバックを受けても、うんともすんとも動かない層」の格差が激しくなっているような気がするのです。
これは、僕が「フィードバック入門」の著者であり、かつ、年齢も上がってきているからそうなっているような気もします(笑)。全くの個人的主観なので、あまり真に受けないでください。
ただ、大変重要だと思うのは、
受動的に、第三者から「フィードバックされる」のを待つ
のではなく
能動的に、自分から「フィードバックを求め」にいく
という姿勢の違いです。
十分な検証が行えているわけではないのですが、おそらく前者よりも後者の方が効果は高いような気もします。
また、ハダカン的には、同じ耳の痛いことを言われるのでも、おそらく、前者の方が後者よりも「痛みは大きい」ような気がいたしますが、いかがでしょうか?
いずれにしても、十分な検証は行えていないので、現段階ではなんともいえません。フィードバックについては、まだまだ研究の課題がたくさんありそうですね。
最後に皆さんにご質問です。
あなたは、自分からフィードバックを求めにいきたいですか?
それとも
第三者から「フィードバックされる」のを待ちたいですか?
そして人生はつづく
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