2017.2.13 06:41/ Jun
先だっては、都内某所で開催された「生産性向上×長時間労働是正」施策の発表会にお邪魔して参りました(ご招待いただいたNさん、お世話になりました)。
長時間労働を是正し、生産性を高める
これは現在、多くの会社で取り組まれていることであり、かつ、働き手が少なくなっていく我が国において、一丁目一番地の課題であることは言うまでもないでしょう。
先だっての取り組みは、各企業が、この課題に取り組み、その成果を発表し合う会でした。
多くの研究が既に明らかにしているとおり、我が国は、長時間労働の是正に関しては、「失敗を繰り返してきた歴史」があります。
たとえば、「土曜日の休日化」にいたっては、たしかに土曜日は、休日にはなりましたが、その分の労働時間は「平日に動いた」だけです。
かくして、「土曜日の休日化」は「平日の残業の長期化」という、「意図せざる結果」をもたらすことになりました。
それから四半世紀ーーー
2015年あたりになって、やはり長時間労働が「やり玉」にあげられ、今、「是正」が、多くの会社で取り組まれています。
難しい課題であることは、歴史が示しているとおりです。
さらに「イベント的」に短期間成果を出すだけならまだしも、それが定着するまで、ということになると、「かなりの覚悟」が大切です。
多くの会社の模索がつづきます。
▼
先だっての会合では、いくつかの会社から「生産性向上×長時間労働是正」の取り組みの発表がなされた、とお話をしました。
どの会社の取り組みも、非常に興味深く、もう少しつっこんだ数字や成果を知りたくなりました。
例えば、
テレワーク
モバイルワーク
サテライトオフィス
会社にいかなくてもよい日をつくる
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なるほど。
素晴らしい取り組みと、その成果に、思わず魅了されながら、僕は一方で、「別のこと」を考えていました。
それは
「働き手側が、強い意志をもって、自分の仕事をデザインすることができるのか」
ということです。
先ほどの、テレワーク、モバイルワーク、サテライトオフィスなどの施策は、要するに
みんな一律に
みんな同じ場所で
みんな同じ時間から仕事をしなくていい
その人なりの仕事の仕方があっていい
という施策です。
要するに、「みんな一緒で、みんな同じ」
「みんな一律に」というところに、労働生産性の「無駄」が存在する。
だから、働き方を「個別」に最適化し、「柔軟化」することによって、この「無駄」をとりのぞこう、というのが、基本的な施策の趣旨です。
しかし、問題は、先ほどの文章の一番最後
「その人なりの仕事の仕方」
という部分です。
これらの施策によって「働き方」が柔軟になった分だけ、働く側には「強い意志」をもって仕事をすることが求められるのです。
今までよりも管理が薄くなり、目が届かなくなる分だけ、自分自身の仕事に向き合うことや、その成果にこだわることが、各個人には求められます。
わたしは、今日は、ここで
いつから、いつまで働いて
どんな成果をだそう
要するに、ひとりひとりの「働き手が」、自分で、「自分の仕事」をデザインすることに向き合い、しかも、それを実行する「強い意志」を持たなければなりません。その成果を自分で引き受ける覚悟も必要です。
要するに「働き方の柔軟化」は「働く側の強い意志」とセットでなければ、むしろ「労働生産性」が低下する可能性が高いのです。
最悪の場合、「労務問題」を引き起こしたり、「低い成果」に甘んじる結果に陥るのです。
自分の仕事をデザインすることに、本当に、すべての「働き手」が向き合えるのか?
強い意志をもって、自分の仕事をやり切ることに、本当に、すべての働き手が向き合えるのか?
働き方改革時代に「会社の姿勢」も問われていますが、「働く側の覚悟」も問われているような気が致します。
経営的観点から申しあげれば、そうした働き手の意識を高めていくことを、どのように実施するのか。
人材開発を専門とするものとしては、「働き方の柔軟化」を進めていく上で、そうした意識をいかに高めていくかに、とても興味があります。
みんな一緒で、みんな同じからの脱却です
あなたは、自分の仕事を自分でデザインできますか?
あなたの会社のメンバーは、それができますか?
さて、また一週間がはじまりますね。
今週も頑張りましょう
そして人生はつづく
ーーー
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