NAKAHARA-LAB.net

2017.1.17 06:08/ Jun

共著新刊「育児は仕事の役に立つ!」ーワンオペ育児からチーム育児へを執筆中です!

 新刊「育児は仕事の役に立つ!」
 ワンオペ育児からチーム育児へ(仮題)
  
 ここ数日、超朝っぱらから格闘している原稿が、元指導学生の浜屋祐子さんとの、この「共著本」です。
  
 光文社新書から、たぶん3月・4月あたりに発刊される予定の新刊です。編集者は樋口健さん、いつものように井上佐保子さんにも構成でお手伝いいただきました(感謝です!)。
  
  ▼
  
 この本は、もともと浜屋さんの大学院での修士論文の成果をベースに書かれている本です。
  
 論文の詳細ははしょりますが、浜屋さんは、ご自身の修士論文で
  
 共働き夫婦がチームになって行う育児は、「仕事で必要になる能力」を結果として高める効果をもつこと
  
 を実証なさいました。
  
(なお、このハードな分析結果は「人材開発研究大全」(東京大学出版会)の章として収録されます)
  
 この知見をベースにして、本書は、浜屋さんがファーストオーサー、中原がナヴィゲータ役(連名著者)になり
  
 1.共働き育児をめぐる現状
 2.共働き育児は「チーム育児」である
 3.チーム育児は、仕事の能力を高める(リーダーシップ編)
 4.チーム育児は、仕事の能力を高める(マネジメント意欲編)
 5.チーム育児は、ヘルプシーキングからはじまる
 6.チーム育児は、親としての成長にもつながる
  
 といった内容を、浜屋さんとゆるゆると論じています。
  
「育児 × 仕事」という、一般的には「トレードオフとされる問題同士=食い合わせの悪い問題同士」を掛け合わせ、そのあいだの「スピルオーバー効果(片方が他方に影響を与えること)」を論じているところが、本書のオリジナリティです。
  
 これまでの育児論とは、ひと味異なる切り口。
  そして
 これまでの人材開発論とは、ふた味異なる違和感(!?)
  
 をお楽しみいただけるものと思います。
 
 我が家も浜屋さんのお宅もまさに、共働き家庭のチーム育児の真っ只中ですが、本書では、そんな事例も赤裸々に語っております。
   
 書籍の中でも書きましたが、働きたい女性が増え、かつ、男性の世帯年収がそれほど右肩あがりで増えないなか、家計をともに支え、かつ、共働きで育児をする家庭は、さらに増加していくものと思います。
  
 本書が、夫婦のあいだのよい「対話のタネ」になることを願っています。
  
 超朝っぱらからの、加筆・修正はシンドイけれど、何とか、頑張ろう。
 浜屋さん、最後まで走り抜きましょう!
  
 皆さんもお楽しみに!
  
 そして人生はつづく
  
※ボヤキ
2月・3月・4月と中原の関与する本の刊行ラッシュが続きます。数えてみると、何と5冊!。そりゃ、いくら書いても、いくら加筆しても、原稿やらゲラが、どんどん届くわけだわ。これが終わったら、為末大さんとの共著の修正に取りかかります。何とか完走したいです。

1.ひとはもともとアクティブラーナー(北大路書房、共編著)
2.人材開発研究大全(東京大学出版会、共編著)
3.フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて、部下・職場を立て直す技術(PHP新書、単著)
4.育児は仕事の役に立つ(光文社新書、共著)
5.仕事人生のリセットボタン(筑摩新書、共著)
  
  ーーー
   
新刊「アルバイトパート採用・育成入門」好評発売中です。これまで「KKD:勘と経験と度胸」に頼っていた、アルバイト・パートの人材育成。ここにデータと理論で切り込みます。異業種・大手7社、総従業員規模50万人以上の企業グループが参加した東大・中原淳研究室とパーソルグループの共同研究の成果。ぜひ手に取ってご覧下さいませ!
   

    
  
新刊「アクティブラーナーを育てる高校」本日発売です。学校運営カテゴリーで1位を記録しました。「アクティブラーニングの教育論」から「アクティブラーニングの組織論」へ。アクティブラーナーを育てるため、組織をいかに構築していくのか。どうぞご笑覧くださいませ。
   

ベストセラー1位

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2024.12.25 10:57/ Jun

「最近の学生は、昔からみると、変わってきたところはありますか?」という問いが苦手な理由!?

2024.12.8 12:46/ Jun

中原のフィードバックの切れ味など「石包丁レベル」!?:社会のなかで「も」学べ!

なぜ「グダグダなシンポジウム」は安易に生まれてしまうのか?

2024.12.2 08:54/ Jun

なぜ「グダグダなシンポジウム」は安易に生まれてしまうのか?

2024.12.2 08:12/ Jun

【無料カンファレンス・オンライン・参加者募集】AIが「答え」を教えてくれて、デジタルが「当たり前」の時代に、学生に何を教えればいいんだろう?:「AIと教育」の最前線+次期学習教育課程の論点

2024.11.29 08:36/ Jun

大学時代が「二度」あれば!?