2017.1.16 06:55/ Jun
さて、週のど頭、朝っぱらから問題です。
皆さんは、ハローキティに「口がない」理由をご存じですか?
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いとうとしこ(著)「売れるキャラクター戦略 “即死”“ゾンビ化”させない (光文社新書)」を拝読しました。
著者は、これまで「コアラのマーチ」などのキャラクターを企画、開発、マーケティングしてきた方です。
我が国は「キャラクター大国」と呼ばれていますが、その競争は、ものすごく激しいものです。キャラクター開発の世界では「千3つの世界」という言葉があるそうです。
要するに、
「1000個、キャラクターを生み出して、当たるのは3つ」
ということですね。
1000人キャラクターがいて、3個か。
厳しいなぁ・・・と思う反面、そんなものだろうなぁ、と思ってしまいます。
競争はまことに激烈です。
本書は、そのような厳しいキャラクタービジネスの現状を背景に、キャラクターをいかに生み出し、いかに活かしていけばいいのかを論じておられました。キャラクタービジネスに関しては、まったくの門外漢ですが、なかなか興味深く読むことができました。
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個人的に、興味深かったのは、キャラクターを「活かす」とは、キャラクターを「生み出すこと」とイコールではないということです。
著者曰く、
キャラクターは、子ども以上に「栄養」と「環境」がいる
要するに、キャラクターは、誰かが描き起こしたあとに、それを維持するためにさまざまな栄養や環境(たとえばイベント、さらなる企画)を必要とすることですね。
キャラクターは「できて」終わりではない。
むしろ「出来たあと」から、それを維持して、活かしていくのが大変であるということです。
一方、著者は、せっかく生み出されたのに、活用されず、栄養を与えられず、いつのまにか忘れられていったりするキャラクターのことを「ゾンビ化」とよびます。
ゾンビ化したキャラクターとは、もはや「コミュニケーション記号として機能していない」キャラクターであるということです。
まことに興味深いことですね。
昨今は、「ゆるキャラ」に代表されるように、キャラクターが日々生み出されています。いやー、多いよね、きっとゾンビ化しているキャラクターは(泣)。
皆さんのまわりにも、ゾンビ化しているキャラクターいませんか?
(ちなみにハローキティに口がない理由は・・・デザインには隙がなければならないことです・・・詳細は本書を手に取って下さいませ)
そして人生はつづく
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