2017.1.13 06:42/ Jun
去年あたりから、人事の言説空間では「働き方改革」というキーワードが繰り返し語られています。
「働き方改革」は「学術用語」ではありません。僕の記憶が正しいのなら、それは「政治」から生まれた「ポリティカルムーヴメント」だと思います。
「働き方改革」とは、
「長時間労働の是正」などを代表として、「従来の日本の雇用慣行・労働慣行を見直そうという機運」であり、そうしたものをすべて「包括的」につつみこむ、いわば「風呂敷」のような概念
です。
時間をかければ、もう少し「厳密」な定義もできるのでしょうけれども、朝っぱらから「風呂敷」相手に「明瞭な境界」をもとめても仕方がありません。
このブログでは、さしあたって、この定義において、ここからの記述を行います。
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ところで、この「働き方改革」の「一丁目一番地」に上げられているものは、既述したとおり、「長時間労働の是正」です。そして、「長時間労働の是正」の手段として、もっとも代表的な手段が「残業時間の短縮・廃止」です。
「長い残業時間」が、日本企業の労働生産性を劇的に下げていることは、誰の目にも明らかですが、現在さまざまな企業・組織が、これに取り組んでいる途上であると認識しています。
このように「長時間労働」の是正は「残業時間の短縮・廃止」というかたちでまずは取り組まれていますが、おそらく、こうした動きが進行すれば、今後、さらにおこってくるのは、「人材開発のための時間圧縮」ではないか、と僕は思っています。
1.研修をするための時間
2.OJT指導員から指導してもらう時間
次に「やり玉」にあがってくるのは、こうした時間ではないかと思うのです。
要するに、今、企業・組織で起こっているのは
「時間をめぐる戦い」
なのです。
「働き方改革時代」にあっては、みな、「時間」という「有限の資源」をめぐって、「ギリギリの攻防」を行っています。
おそらくは、人材開発も、「時間の短縮化」という「ギリギリの攻防」につきあわざるを得なくなるだろうな、というのが僕の「見立て」ですが、いかがでしょうか。
具体的には
・週末などにかかった研修をやめましょう
・研修時間を一回1時間ー2時間のバイトサイズ(Bite Size)にしましょう
・OJT指導員からの指導期間を3か月から2か月にしましょう
こうしたことが起こってくるのではないかと思います。人材開発系でお仕事を一緒にしていらっしゃる皆様に、このところ、同じような問いを投げかけておりますが、だいたい、皆様同じような認識を持たれているような印象がございます。
しかし、問題はここからです。
「研修・OJT時間の短縮化」は「やろうと思えばできる」かもしれませんが、「人間が何かを学ぶために必要になる時間」は、そう変わらないことです。
明日あらわれる新人の「学び」が、突然、「超効率的」になるとは考えられないでしょう。
ということは、これからの人材開発は、これまでよりも「短い時間」で「高濃度の学び」を提供しなければならないことになります。
「学ばなければならないもの」が「減らない」のであれば、短い時間に、いかに効率的に学ぶことができるかが問われるからです。
さて、それでは、これまでよりも「短い時間」で「高濃度の学び」を提供するためには、わたしたちはどういう「工夫」をなすことができるでしょうか。
「働き方改革」時代にあって、人材開発のフロンティアは、この挑戦的課題に直面していると思っています。
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今日は「働き方改革」をコンテキストに「短時間で高濃度の学び」が必要になるという妄想をご紹介しました。僕はこう考えましたが、皆さんはいかがでしょうか。またご意見をお聞かせくださいませ。
そして人生はつづく
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