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2016.12.14 06:03/ Jun

「さっぱり応募が集まらない社内公募」を変える「たったひとつの方法」とは何か!?

 ちょっと前のことになりますが、サイバーエージェントで役員をつとめていらっしゃる曽山哲人さんに、授業でのご講演をいただいたときに、教室で、「新規事業」にまつわる興味深い話をしておられました。
   
 曽山さんにおかれましては、毎年毎年素晴らしい事業をありがとうございます。この場を借りて、心より感謝いたします。
  
  ▼
 
 曽山さん曰く
  

「会社の中には、新規事業を興すために、社内で新規事業コンテストなどを行っているところがありますが、イマイチ、社員からの応募が少なくて困っているところが多いように思います。
   
かつてサイバーエージェントでも新規事業コンテストに、応募が集まらなくて困っていた時期がありました。
   
賞金の額面を上げたり、ポスターをつくったり、さまざまな試みを試しましたが、どれも、いまひとつ、うまくいきませんでした。
  
でも、担当者のある女性が行った、たったひとつの試みが、新規事業コンテストへの応募数を倍増させるきっかけになりました。それは何だと思いますか?」

  
 皆さん、いかがでしょう?
 何が答えだと思いますか?
  
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 答えは「社員ひとりひとりに、声をかける」でした
  
 思わず、ハニワ顔のようになった方もいらっしゃるかもしれませんが、答えは「シンプルなもの」でした。
  
 曽山さんは続けます。
  

会社は、社員に主体的になれといいます。しかし、主体性を発揮してもらうためには、きっかけが必要なのです。社員に主体性を発揮してもらうために、わたしたちは一人一人声をかけることが大切であるということを学びました

  
 ICレコーダをもっていたわけではないので一言一句同じではないとは思いますが、曽山さんがおっしゃっていたことの趣旨は、だいたいこのようなことのように思います。
  
 大変興味深い「経験からの学び」であると僕は思いました。
  
  ▼
   
 組織は、社員に対して、自ら意欲をもち、動くことを推奨します。組織の存続にとって必要なことは、「組織が仕事ととしてわりふった定常業務」ばかりではなく、「定常業務を超えた役割外行動」に存在することもあるからです。
  
 新規事業コンテストへの応募も、この場合、「定常業務を超えた役割外行動」のひとつであると考えられます。
  
 組織の観点からすれば、願わくば、「定常業務を超えた役割外行動」を自発的に社員に担って欲しい。しかし、社員にはそれを行う義務がありません。
  
 よって、組織はあの手この手をつかって「呼びかけ」ます。
 多くの場合、刷り物をつくったり、ポスターをつくったり。
 
 要するに、多くの人々の目に手っ取り早く情報を伝達する手段・メディアを通じて、組織のために必要な自発性の喚起を促します。だって、そのほうが効率的だから。「まさか、ひとりひとりに声をかけるわけにはいかない」と思っているから。
  
 しかし、そうしたマスに対して情報を伝えるメディアは、うまくいくこともありますが、限定的な効果しかもたらさないこともあることもまた事実です。
  
 読みもされず大量に捨てられる刷り物、誰も目にされることもなく、期限を超えて廊下に張られたままになっているポスター。
 わたしたちは、自らの組織において、その手の「残念な状況」を、目にしたことは1度や2度ではありません。
  
 社員に主体性を発揮して欲しいなら、ひとりひとり声をかけることだ
  
 ひとりひとり声をかけるのは、組織の規模が大きければ大変なことです。伝達される情報量も、刷り物やポスターとさして変わらないのかもしれません。
  
 しかし、「ひとりひとり声をかけている」という事実や姿勢に、人は動かされます。
 経営の本気や、担当者のひたむきさを見ます。
 「わたしに声をかけられた」という事実が人を動かします。
  
 ただでさえ忙しい中、定常業務を離れ、人が動くというのは、そういうことなのだよなと痛感した授業でした。
 曽山さん、素晴らしい授業をありがとうございました。
  
 そして人生はつづく 
  
  ーーー
  
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